「元は田んぼ」って本当?|柏の葉・柏たなかの水害と液状化を地図でチェック!
モデルルームを見た帰り道、ベビーカーを押しながら柏の葉キャンパス駅前の広い歩道を歩く。きれいな街並みに気持ちが動く一方で、ふと聞いた話を思い出します。「このあたり、昔は田んぼだったらしいよ」。8月の大雨のニュースも頭をよぎり、「水害や液状化は大丈夫なのかな」と手が止まった方もいるのではないでしょうか。
そんな気がかりを、地図を見ながら一つずつほどいていきましょう。千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅と柏たなか駅のまわりについて、水害と液状化の地図の見方を晃南土地 編集部がまとめました。新築マンションや一戸建てを考えている子育て世帯の目線で、分かりやすくお届けします。
晃南土地は、千葉県我孫子市に本社を置く1991年設立の不動産会社です。いまは売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がけ、買ったあとに貸す・売る場面まで見てきました。その立場から、住まい選びの目線でお伝えします。
先にお答えすると、駅のまわりの多くを占める「台地」は、川の氾濫や液状化の心配が小さいとされる土地です。ただ、街の中には昔の田んぼにあたる細い谷筋が通り、駅から少し離れた利根川側には低い土地も広がります。街全体が大丈夫かどうかではなく、区画ごとに確かめるのが答えへの近道です。この記事を読むと、次の3つが分かります。
- 柏の葉・柏たなかが、区画整理の前にどんな土地だったか
- 洪水・内水・液状化の地図で、この辺りがどう見えるか
- マンションと戸建てで、買う前に確かめる書類と質問
気になる物件の場所を一緒に見てほしい方は、柏の葉・柏たなかの住まい探しを「晃南土地」に相談するからお気軽にどうぞ。
柏の葉・柏たなかは、水害や液状化に弱い街なの?
この章の要点
- 駅のまわりの多くは台地で、川の氾濫の想定がかかっていない所が大半
- 気をつけたいのは、街の中を通る細い谷筋と、利根川側の低い土地
- 「街」ではなく「その区画」で確かめるのが、いちばん確かな方法
柏の葉・柏たなかは、街ごと水に弱い場所ではありません。両駅のまわりの多くは、国土地理院の地形分類で「台地・段丘」とされる、周りより一段高い平らな土地です。
国土地理院は台地・段丘について、「河川氾濫のリスクはほとんどない」と説明しています。地盤は良く、液状化の発生傾向も弱いとされています。ただしこれは土地の種類ごとの傾向で、一つひとつの区画の安全を約束するものではありません。
柏市の「地域別防災カルテ」でも、両駅を含む田中地域は、利根川の近くを除く大部分が台地とされています。
一方で、台地のあいだには昔の田んぼや水路の跡にあたる細い谷が入り込み、大雨のときは水が集まりやすくなります。街をつくる区画整理では、こうした谷を埋めて平らにしています。
| 土地のタイプ | 主な場所の例 | 水害で見ること | 液状化の傾向 |
|---|---|---|---|
| 台地(一段高い平らな土地) | 両駅のまわりの多く | 大雨の日の道路の水たまり | 弱い |
| 谷筋(昔の田んぼや水路の跡) | 柏たなか駅のすぐ近くから、柏の葉アクアテラスを通って柏の葉キャンパス駅の東側へ続く帯など | 雨水が集まりやすい | 台地よりやや強い |
| 利根川側の低い土地 | 柏たなか駅の北東や、大室の東から南東側 | 川があふれたときの深い浸水 | 強い所もある |
つまり、同じ駅の徒歩圏でも、区画によって見るべき点が変わるということです。たとえば、気に入ったマンションは台地の上なのに、保育園までの道は谷へ下りる坂の下を通る、ということも起こります。家だけでなく、毎日通る道まで含めて見ておくと安心です。
「元は田んぼ」って本当?区画整理の前の土地を見てみよう
この章の要点
- 田んぼだったのは、主に台地のあいだの細い谷の部分
- 台地の上は、林や畑、ゴルフ場などとして使われていた
- 区画整理では、台地を削り、谷を埋めて、平らな街をつくっている
「元は田んぼ」という話は半分当たっていて、田んぼだったのは街の中を通る細い谷の部分です。駅のまわりの台地の上には、林や畑、ゴルフ場などが広がっていました。
国土地理院の地理院地図では、1970年代の空中写真を見ることができます。いまの柏の葉キャンパス駅やららぽーと柏の葉の辺りにはゴルフ場のコースが写り、まわりは林と畑です。
さらに古い明治時代の地図をもとにした「明治期の低湿地」という地図もあります。この地図では、柏たなか駅の近くから柏の葉キャンパス駅の東側へ続く谷筋が、田んぼとして描かれています。ただし関東のこの地図は測量の基準点が整う前に作られ、場所によっては位置のずれが大きいと国土地理院も注意しています。
いまの街は、2つの区画整理(道路や公園を整えながら土地の形を整える事業)でできています。
| 地区 | 中心の駅 | 事業の主体 | 主なこと |
|---|---|---|---|
| 柏北部中央地区(約273ha) | 柏の葉キャンパス駅 | 千葉県 | 2000年に事業の認可。施行期間は2032年3月まで |
| 柏北部東地区(約128ha) | 柏たなか駅 | 都市再生機構(UR) | 2017年に換地処分(新しい区画と持ち主を確定させる手続き)。2022年3月に事業が完了 |
つまり、柏の葉ではいまも区画整理の事業が続いていて、柏たなかは区画が決まって時間がたち、事業も終えた街です。千葉県は、鉄道の整備を皮切りに、地区の中心から外側へ向けて整備を進めてきました。駅の周りでは、道路や下水、調整池などが「概成(おおむね完成)」していると説明しています。
身近な例でいうと、柏の葉アクアテラスの池は、もともと谷筋の低い所に造られた調整池です。大雨のときに雨水を一時的にため、一気に流れ出さないようにする役目があります。三井不動産などの発表によると、2016年に親水空間として生まれ変わりました。公園の池が、実は雨の通り道の印にもなっているのです。
柏たなか駅の東口から歩いて5分ほどの所にも、柏市が紹介する「川端調整池」があります。ためられる水の量は約12万㎥で、2021年3月にデッキやベンチのある憩いの場として整えられました。
千葉県によると、地区の北側には湧き水のある「こんぶくろ池」と、その周りの林も残されています。
地理院地図で、土地の成り立ちを確かめるには?
この章の要点
- 国土地理院の「地理院地図」で、物件の場所の成り立ちを無料で見られる
- 「台地・段丘」「凹地・浅い谷」「氾濫平野」「旧水部」の4つを覚えておく
- 「盛土地」「切土地」も重ねると、造成のようすが分かる
物件の場所が台地か谷筋かは、国土地理院の「地理院地図」を使えば、スマホでも確かめられます。見方は、次の4つの手順です。
1. 地理院地図で、物件の住所や駅名を検索する
2. 「地図の種類」から「土地の成り立ち・土地利用」を選ぶ
3. 「地形分類」に進み、「地形分類(自然地形)」を表示する
4. 物件の場所をタップすると、土地の名前と注意点が出る
色分けは拡大するほど細かくなり、柏の葉・柏たなかでは次の4つがよく目に入ります。注意点の欄は、国土地理院の説明を短くまとめたものです。
| 地形分類 | どんな土地? | 一般的な注意点 |
|---|---|---|
| 台地・段丘 | 周りより階段状に高い平らな土地 | 川の氾濫のリスクはほとんどない。液状化の傾向は弱い |
| 凹地・浅い谷 | 台地の中で、周りよりわずかに低い所 | 大雨で雨水が集まりやすい。地盤が周りより軟らかい場合も |
| 氾濫平野 | 川が運んだ砂や泥がたまった低い土地 | 川の氾濫に注意。液状化の傾向はやや強い |
| 旧水部 | 昔は池や川だった所を陸地にした土地 | 地盤が軟らかく、埋め立てた所は液状化の傾向が非常に強い |
つまり、台地以外の名前が出たら、その区画は少していねいに調べる、という目印になります。
同じ画面で「地形分類(人工地形)」も表示すると、台地を削った「切土地」と、谷などを埋めた「盛土地」が分かります。柏の葉キャンパス駅のまわりは切土地が目立ち、駅の東側の谷筋には盛土地が帯のように続きます。駅のすぐ北東には、小さな「旧水部」も記されています。
ただし地形分類の境目は、作られた当時の地図に合わせて引かれています。いまの街並みと合わない所がある、と国土地理院も注意しています。地図で当たりをつけて、最後は地盤の調査結果で確かめる、という順番で使うのがおすすめです。
柏の葉・柏たなかのハザードマップ、洪水ではどう見える?
この章の要点
- 両駅のまわりの台地には、川の氾濫の浸水想定がかかっていない所が多い
- 柏たなか駅の北東の谷と、大室の東から南東側の低い土地には、深い浸水の想定がある
- 色が付いていないことは、水害のリスクがないという意味ではない
洪水ハザードマップは、大きな川があふれたときに、どこがどれくらい浸かるかを示した地図です。最も厳しい「想定最大規模」の大雨を前提にした地図で見ておきましょう。
編集部は2026年10月、国の「重ねるハザードマップ」で両駅のまわりを確かめました。国や県が管理する川の想定を重ねて表示できる地図です。
| 場所 | 洪水(想定最大規模)の見え方 |
|---|---|
| 柏の葉キャンパス駅からおよそ1kmの範囲 | 浸水想定の色が付いた所は見当たらない |
| 柏たなか駅のまわりの台地 | 色が付いていない所が多い |
| 柏たなか駅の北東、200mほど先から続く谷 | 谷に沿って浸水想定が延び、深い所は5mを超える |
| 大室の東から南東側の低い土地 | 5〜10mの想定が広がり、それより深い所もある |
つまり、駅に近い台地の上と、利根川側へ下りていく低い土地とで、見え方がはっきり分かれます。柏たなか駅の北東には、利根川の洪水を一時的にためる「田中調節池」も広がっています。国土交通省の利根川上流河川事務所によると、菅生・稲戸井の調節池と3つで一体となり、洪水をためる施設です。
不動産の契約前の説明では、市が配る印刷物か、市のホームページに載っている最新の地図を使うことになっています。柏市の洪水ハザードマップも、あわせて見ておくと話がスムーズです。
ここで覚えておきたいのは、「色が付いていない=安全」ではないことです。国土交通省は、不動産の取引で水害の地図を説明するときの注意を示しています。浸水想定区域に入っていないことで、「水害リスクがない」と誤解させないように、という内容です。
暮らしの場面で考えると、家は台地の上でも、保育園や習い事の教室が低い所にある、ということはあります。大雨の日にどの道を通って迎えに行くか、地図を見ながらご家族で話しておくと心強いです。
大雨で街なかに水があふれたら?内水ハザードマップの見方
この章の要点
- 内水は、雨が下水道や水路で流しきれずに、街の中にあふれる浸水のこと
- 台地の上でも、道路に沿って浅い浸水が描かれている所がある
- 調整池や谷筋など、低い所ほど深くなる
内水(ないすい)は、強い雨が短い時間に降り、下水道や水路が流しきれずに街なかにあふれる浸水です。大きな川があふれなくても、川から離れた道路が水につかることがあるのです。
柏市は2024年10月、1時間に153mmの雨を前提にした内水ハザードマップを作りました。153mmは、国が示す関東で観測された最大の雨量です。重ねるハザードマップでも、柏市の内水の浸水想定を見ることができます。
柏の葉キャンパス駅のまわりを拡大すると、10〜50cmの浸水を表す黄色が道路に沿って続きます。重ねるハザードマップは10cmより浅い所を表示しないので、黄色は、強い雨で道路が水の通り道になるという想定です。
柏市の地域別防災カルテ(田中地域)は、いまの内水ハザードマップより前の2019年3月に作られた資料です。ここにも、柏の葉公園の東を走る道路など、避難の経路で内水の浸水が予想される所は特に注意、と書かれています。
| 見え方 | よくある場所 | 暮らしで気にしたいこと |
|---|---|---|
| 道路に沿った浅い浸水 | 台地の上の道路など | ベビーカーや自転車で通れるか |
| 少し深い浸水(50cm以上) | 谷筋の低い所、敷地の一部 | 駐車場や玄関に水が入らないか |
| 深い浸水 | 調整池(柏の葉アクアテラスなど) | 雨水をためる場所なので、近くを歩くときに注意 |
つまり、内水の地図は「住めるかどうか」より、「大雨の日にどう動くか」を考えるための地図です。調整池が濃い色になるのは、雨水をためる役目どおりの姿でもあります。
たとえば、雨の日の朝に、ベビーカーで駅まで行く場面を考えてみてください。いつもの近道が谷へ下りる道なら、少し遠回りでも高い道を選ぶ、そんな小さな工夫で困る場面を減らせます。
物件の場所が地図のどこに当たるのか、一緒に確かめたい方もいるでしょう。検討を始めたばかりでも、柏の葉・柏たなかの物件の水害リスクを「晃南土地」に問い合わせるからご相談いただけます。
2026年8月の大雨のとき、この辺りはどうだった?
この章の要点
- 8月13日、柏市には「記録的短時間大雨」の速報が2回出た
- 柏市の被害のまとめは市全体の件数で、柏の葉・柏たなかに絞った内訳は載っていない
- だからこそ、物件ごとに「あの日どうだったか」を聞いておく
気象庁は、8月13日から14日の大雨を「令和8年8月千葉豪雨」と名付けました。千葉県では線状降水帯が発生し、記録的な大雨になった地点がありました。
気象庁の資料によると、8月13日には「気象防災速報(記録的短時間大雨)」が柏市を対象に2回出ています。17時28分(柏市・我孫子市)と、19時46分(佐倉市・柏市)です。近くのアメダス我孫子では、平年の8月ひと月分の2.6倍ほどにあたる217.0mmが、2日間で降りました。
国土交通省のまとめ(9月9日公表)では、国が管理する川で氾濫による被害の情報はありませんでした。県が管理する17の川では、浸水の被害が確認されています。
柏市のまとめ(10月14日時点)では、市内の住家の被害は345件で、うち床上浸水が185件、床下浸水が119件でした。ただ、このまとめは市全体の件数で、柏の葉・柏たなかに絞った地区ごとの内訳は載っていません。
| 分かっていること | 分かっていないこと |
|---|---|
| 豪雨の名前と、雨の強さ・量 | 柏の葉・柏たなかの地区ごとの被害の数 |
| 柏市全体の住家の被害の件数 | 候補の物件の敷地や駐車場に水が入ったか |
| 千葉県を中心に浸水の被害が出たこと | 新しく造成した区画の、あの日の水の流れ方 |
つまり、この辺りの8月の様子は、地図や市全体の数字だけでは分かりません。いちばん確かなのは、その物件をよく知る人に聞くことです。
たとえば、販売センターで「8月13日の大雨のとき、敷地や駐車場に水は入りましたか」と聞いてみてください。中古のマンションなら、管理組合の総会資料などに、被害や修理の記録が残っていることもあります。聞きにくいことに思えても、家族の暮らしを守るための大切な質問です。
柏の葉・柏たなかの液状化は大丈夫?地盤と地図の見方
この章の要点
- 国の「液状化の発生傾向図」では、駅のまわりの台地は傾向がいちばん弱い区分
- 谷筋に沿っては、5段階のまん中の区分のメッシュが続いている
- 谷を埋めた所は図に表れにくいので、最後は区画の地盤調査の結果で確かめる
液状化は、地下水を多く含むゆるい砂の地盤が、強い揺れで液体のようになる現象です。家が傾いたり、水道やガスの管が傷んだりすることがあります。
重ねるハザードマップでは、国土交通省の「地形区分に基づく液状化の発生傾向図」を見られます。過去の地震の被害を地形ごとに集計し、およそ250m四方ごとに、液状化の起こりやすさを5段階で示した地図です。
| 地図での見え方 | 主な場所 | 意味 |
|---|---|---|
| いちばん弱い区分 | 両駅を含む台地のメッシュ | 液状化の傾向は弱い |
| 5段階のまん中の区分 | 柏たなかから柏の葉の東側へ延びる谷筋、利根川側の低い土地の多く | 緩い傾斜の谷底の低地などにあたる |
| いちばん強い区分 | 大室の東側の、昔は水辺だった低い土地の一部 | 埋立地や旧河道などにあたる |
つまり、地図の上でも「台地は弱め、谷筋はまん中」という傾向が見えます。ただし地図の説明には、特定の地震の予測ではなく、一つひとつの宅地の傾向を示すものでもない、と書かれています。
さらに国土交通省は、盛土の造成地など細かな人工の地形は、この図に反映されていないと説明しています。区画整理で谷を埋めた所がある柏の葉・柏たなかでは、ここが大切なポイントです。
千葉県の「液状化しやすさマップ」は、どの程度の揺れで液状化するおそれがあるかを、250m四方ごとに示しています。
柏市のweb版防災・ハザードマップでも、柏市の直下で起きる地震を想定した液状化の地図を見られます。2018年度の柏市の調査をもとに、「しやすい」から「きわめてしにくい」までの4段階で示した地図です。柏市の地域別防災カルテ(田中地域)にも、液状化についての記載があります。北東部の利根川沿いに、液状化の危険度が「やや高い」か「低い」地点がある、という内容です。
千葉県の新しい地震被害想定(令和6・7年度の調査)では、県北西部の直下で起きる地震の最大震度を6強としています。詳しいデータは市町村の地震ハザードマップづくりにも使われる予定で、地図が新しくなる可能性があります。
2011年の東日本大震災では、東京湾岸や利根川の流域などで、広い範囲に液状化が起きました。一方で千葉県は、液状化対策をしていた地域では液状化していなかったと説明しています。地盤は「生まれつき」だけで決まるわけではなく、対策でも変わるということです。
身近な例で、同じ分譲地に気になる区画が2つあるとします。片方だけが谷筋にかかっているなら、両方の地盤調査の結果を見せてもらって比べるだけで、選ぶ理由がはっきりします。
街の将来性は『柏の葉キャンパスエリアの土地相場と将来性|2026年も資産価値が落ちない理由』で紹介しています。
戸建ては「地盤調査」と「地盤改良」の書類で確かめよう
この章の要点
- 家を建てる前の地盤調査は、建築基準法のルールで原則として求められている
- 見せてもらいたいのは、地盤調査の報告書・地盤改良の報告書・地盤保証書
- 液状化が保証の対象になるかは、書面で確かめる
戸建ての地盤は、書類で中身を確かめられます。建築基準法施行令は、原則として国が定める方法で地盤を調べ、その結果で地盤の強さを決めるよう定めています。
戸建てでは、「スクリューウエイト貫入試験」という調査が使われることがあります。以前の名前は「スウェーデン式サウンディング試験」です。2020年10月のJIS(日本産業規格)の改正で、いまの名前に変わりました。先のとがった鉄の棒におもりを載せて地面に差し込み、回しながら深さごとの固さを測ります。
| 書類 | 何が分かる? | 見るポイント |
|---|---|---|
| 地盤調査の報告書 | 深さごとの地面の固さ | 調べた地点の数、軟らかい層の深さ |
| 地盤改良の報告書 | どんな改良を、どこまでしたか | 改良の方法、深さ、工事をした日 |
| 地盤保証書 | 家が傾いたときの保証の中身 | 期間、上限額、液状化が含まれるか |
つまり、調べた結果、直した内容、もしものときの約束、の3つがそろっているかを見ます。
気をつけたいのは地盤保証の中身で、液状化を通常の保証とは別の特約で扱い、専用の調査を条件にしている保証会社もあります。「液状化も保証の対象ですか」と、書面で確かめておくと安心です。
区画整理の街では、谷を埋めた盛土の区画と、台地を削った区画が並ぶことがあります。その区画がどちらなのかも、あわせて聞いておきましょう。
谷を埋めた面積3,000㎡以上の盛土などは「大規模盛土造成地」と呼ばれ、重ねるハザードマップで場所を見られます。両駅のまわりにも、いくつかの範囲が表示されています。ただし国土交通省は、安全性を確かめるべき盛土を示した地図で、直ちに危険な場所を示すものではないと説明しています。
たとえば建売の見学で、「地盤調査の報告書を見せてもらえますか」と一言添えてみてください。すぐに出てこない場合も、後日写しをもらえることがあります。資料をそろえて比べるのは、家族の大きな買い物では自然なことです。
マンションと戸建てで、見るところはどう違う?
この章の要点
- マンションは、建物の支え方に加えて、電気室・駐車場・水道の備えを見る
- 戸建ては、土地の成り立ちと地盤の書類、敷地と道路の高さを見る
- どちらも、地震や大雨のあとの暮らしまでイメージしておく
マンションと戸建てでは確かめる場所が少し違い、大きな違いは建物をどう支えているかです。
| 確かめること | 新築マンション | 新築一戸建て |
|---|---|---|
| 建物の支え方 | 杭の長さ、固い地盤(支持層)の深さ | 地盤調査と地盤改良の結果 |
| 水への備え | 電気室の場所、止水板、機械式駐車場の深さ | 敷地と道路の高さの差、基礎の高さ |
| 確かめる書類 | 重要事項説明書、管理規約、長期修繕計画 | 地盤調査・改良の報告書、地盤保証書 |
| 災害のあとの暮らし | 停電時のエレベーターと給水、備蓄 | 水道やガスの引き込み管、家の傾き |
つまり、マンションは「建物の外側の設備」、戸建ては「足もとの地盤」に目を向けると、確かめ漏れが減ります。
マンションで見ておきたいのは、電気室の場所です。2019年の東日本台風では、街なかにあふれた水(内水)で、高層マンションの地下の電気設備が水につかり停電しました。国土交通省と経済産業省によると、エレベーターや給水がしばらく使えなくなりました。
これを受けて両省は2020年に、電気設備を浸水しにくい上の階などに置く対策をまとめた指針を出しています。
液状化の見え方も違い、国の研究機関の報告には、東日本大震災のときの浦安市の例が載っています。杭で支えた建物のまわりの地面が沈み、建物が30cmほど浮き上がったように見えた、というものです。建物は無事でも、まわりの段差や配管の傷みで暮らしに困ることはありえます。
ご家族で、「停電したら何階まで階段で上がれる?」と話してみるのも一つです。選び方の全体は、『柏の葉キャンパスで家を探している方へ|マンション・戸建て・エリア別の選び方』で紹介しています。
買う前の確認、何から始める?休日にできる5つのステップ
この章の要点
- 地図、現地、質問、書類、重要事項説明の順に進めると迷わない
- 家族で「毎日通る道」まで歩いてみる
- 気になる点は、契約の前にまとめて聞いておく
ここまでの話を、休日に進められる5つのステップにまとめます。
- □ 1. 物件の住所で、洪水・内水の地図と、地理院地図の地形分類を見る
- □ 2. 駅・保育園・スーパーまでの道を、家族で歩いてみる
- □ 3. 「8月13日の大雨のとき、敷地や駐車場に水は入りましたか」と聞く
- □ 4. 戸建ては地盤の書類3つ、マンションは電気室と駐車場の備えを確かめる
- □ 5. 重要事項説明で、使った地図の種類と作られた時期を確かめる
2つ目の「歩く」は意外と大切で、谷へ下りる坂や低い交差点、側溝の様子など、地図で見た場所を自分の目で確かめられます。
5つ目の重要事項説明は、契約の前に宅地建物取引士が行う説明です。2020年8月からは、水害の地図で物件の位置を示すことが義務になりました。地図の作られた時期も、その場で確かめておきましょう。
なお、柏市の内水ハザードマップは、水防法に基づく地図ではありません。それでも柏市は、取引のときにこの地図も示すよう、不動産会社にお願いしています。
もう一歩くわしく知りたい方には、次の2つの記事がおすすめです。
- 柏市全体の地図の見方:『柏のハザードマップと地盤2026|液状化・浸水リスクと安全なエリアの見極め方』
- 物件ごとの確かめ方と保険:『柏で家を買う前に見ておきたいこと|水害リスクを物件ごとに確かめる手順』
後者では、火災保険の水災補償の考え方も紹介しています。
子どもを寝かしつけたあとにスマホで地図を送りたい方のために、晃南土地のLINEで売買部に相談するも用意しています。「この区画は谷筋ですか」といった短い質問からどうぞ。
よくある質問
Q. 何から調べればいいのか分かりません。まず何をすればいいですか?
A. まずは物件の住所で地理院地図の「地形分類」を開き、台地か、谷筋や低い土地かを見てみてください。そのあとで、洪水と内水の地図を重ねると、気をつける点が絞れます。
Q. ハザードマップで色が付いていなければ、安心していいですか?
A. いいえ、色がないことは、リスクがないという意味ではありません。国土交通省も、浸水想定区域に入っていないことで水害のリスクがないと誤解しないよう注意を促しています。柏市も内水の地図で、色が付いていない所でも注意が必要だと書いています。台地の上でも、強い雨では道路に浅く水が出ることがあります。
Q. 液状化が心配です。マンションと戸建て、どちらを選ぶべきですか?
A. どちらが正解かは、区画とご家族の暮らし方で変わります。マンションは、杭で固い地盤まで支えているかを資料で確かめ、停電や断水への備えも見ます。戸建ては、地盤調査と地盤改良の書類で、その区画の地盤を確かめられます。
Q. 保育園や学校までの道で、気をつけることはありますか?
A. 谷へ下りる坂の下や、低い交差点を通るかを見ておくと安心です。内水の地図では、強い雨のとき道路が水の通り道になる様子が描かれています。雨の日に使える、少し高い道の候補も決めておきましょう。
Q. 物件が決まっていなくても、相談できますか?
A. はい、エリアを考えている段階からご相談いただけます。柏の葉と柏たなかのどちらにするか、駅からの距離をどうするかなど、地図を見ながら一緒に整理できます。
まとめ
柏の葉・柏たなかは「元は田んぼ」の街なのかといえば、田んぼだったのは主に谷の部分で、駅のまわりの多くは台地です。その台地は、川の氾濫や液状化の心配が小さいとされる土地です。水害や液状化は、街全体を一律に心配するより、谷筋と利根川側の低い土地を区画ごとに確かめるほうが近道です。
- 地理院地図の地形分類で、台地か谷筋かを見る
- 洪水の地図では、両駅のまわりの台地に色が付いていない所が多い
- 柏たなか駅の北東の谷と、大室の東から南東側には、深い浸水の想定がある
- 内水の地図では、台地の上でも道路に沿って浅い浸水が描かれている
- 液状化は、地図で当たりをつけ、地盤調査の結果で確かめる
- 8月13日の大雨のときの様子は、物件ごとに聞いておく
地図は不安をあおるためのものではなく、家族に合う区画を選ぶための道具です。
気になる物件が見つかったら、柏の葉・柏たなかの物件について「晃南土地」に問い合わせるからお気軽にご連絡ください。
ご夫婦で地図を広げながら、顔を合わせて話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用いただけます。
すき間時間にやりとりしたい方は、晃南土地のLINEで売買部に問い合わせるもお使いください。
なお、晃南土地は2026年12月に、柏駅から徒歩6分の柏市中央町に柏支店を開業する予定です。開業までの来店のご相談は、我孫子店で承っています。場所は「晃南土地」柏支店のページでご覧いただけます。
まだ候補を絞る前でも構いませんので、地図を見るところから一緒に始めましょう。
企画構成・文/晃南土地 編集部
千葉県我孫子市を拠点に、1991年から地域の不動産に携わる晃南土地株式会社の編集部です。売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がける立場から、柏・我孫子エリアの住まいと不動産の情報を、分かりやすくお届けします。
参考にした公的データ・情報
- 地形分類(ベクトルタイル「地形分類」の解説)/国土地理院
- 明治期の低湿地/国土地理院
- 地理院地図/国土地理院
- 重ねるハザードマップ/国土交通省・国土地理院
- 柏北部中央地区のまちづくり/千葉県
- 事務事業の概要(柏北部中央地区一体型特定土地区画整理事業)/千葉県柏区画整理事務所
- 柏北部東(ニュータウン事業アーカイブ)/都市再生機構
- 北部まちづくり事業の進捗状況/柏市
- 川端調整池/柏市
- 令和8年度 利根川上流河川事務所 主要事業/国土交通省 関東地方整備局
- 柏市洪水ハザードマップ/柏市
- 柏市内水ハザードマップ/柏市
- 柏市web版防災・ハザードマップ/柏市
- 地域別防災カルテ(田中、西原、富勢、松葉町地域)/柏市
- 不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化/国土交通省
- 令和8年8月千葉豪雨 令和8年(2026年)8月13日〜8月14日(速報)/気象庁
- 令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について/国土交通省
- 【令和8年8月千葉豪雨】の被害状況・支援取組について/柏市
- 地形区分に基づく液状化の発生傾向図/国土交通省
- 液状化しやすさ・危険度マップ、揺れやすさマップ/千葉県
- 千葉県地震被害想定調査(令和6・7年度)/千葉県
- 地盤の液状化等による建築物の被害状況について/国土技術政策総合研究所・建築研究所
- 「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」をとりまとめました/国土交通省
- 大規模盛土造成地マップの公表状況等について/国土交通省
- 建築基準法施行令(第93条 地盤及び基礎ぐい)/e-Gov法令検索