2026.10.23

同じ45坪でも、建てられる家は倍以上違う!|柏市の土地は用途地域と建ぺい率で決まる

「45坪あれば、延床40坪の2階建ては入るだろう」。土地探しを始めたばかりのころは、つい面積で候補を絞りがちです。ところが千葉県柏市には、同じ45坪でも延床23坪ほどが上限の土地もあれば、計算上は延床90坪まで認められる土地もあります。この差を生んでいるのは面積ではなく、土地ごとに決められたルールです。

建てたい家の大きさを、土地の決まりから先に逆算しておきたい。そう考える方のために、晃南土地の編集部が柏市の公開資料を読み込み、要点をまとめました。晃南土地は、千葉県我孫子市で1991年から土地と住まいに携わってきた不動産会社です。いまは売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がけています。

この記事で分かることは、次の3つです。

  • 柏市の土地で、建てられる家の広さの上限がどう決まるか
  • 道路の幅や角地、高さのルール、地区ごとのルールで、その上限がどう変わるか
  • 市の地図サービスを使って、気になる土地のルールを調べる手順

候補の土地があり、どこまで建てられそうかを先に知りたい方は、こちらからご相談ください。柏市の土地探しについて「晃南土地」に問い合わせる

家の大きさは、土地の面積ではなく「決まりの重なり」で決まる

この章の要点

  • 建てられる家の大きさは、いくつもの決まりの重なりで決まる
  • そのうち、いちばん厳しいものが上限になる
  • 柏市の住宅地では、低い住宅のための地域に当たる場面が多い

土地の広告に「土地面積150㎡」とあっても、その150㎡をどこまで使えるかまでは書かれていないことがあります。建てられる家の大きさは、いくつかの決まりを重ねたとき、いちばん厳しいものに合わせて決まるからです。家づくりに関わる主な決まりを、ひとつの表にまとめました。

決まり何を決めるか効いてくる場面
用途地域建てられる建物の種類と、建ぺい率・容積率の枠店舗併用住宅や賃貸併用住宅を考えるとき
建ぺい率敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合平屋や、1階を広く取りたいとき
容積率敷地面積に対する延床面積(各階の床面積の合計)の割合3階建てや二世帯住宅を考えるとき
前面道路の幅幅12m未満の道路に面した土地の容積率細い道路に面した土地
高さの制限10mの上限、道路側・隣地側・北側の斜めの制限、日影3階建てや屋根の形を決めるとき
地区計画敷地の最低面積、壁の位置、塀のつくりなど区画整理された地区や、土地を分けるとき

柏市では、都市計画区域の半分強が市街化調整区域(市街化を抑える区域)です。この区域では家を建てられるかどうかから別の確認が要るため、この記事では市街化区域の土地を前提にします。調整区域の土地については『相続した土地が市街化調整区域だったら|柏での売り方と使い方』で取り上げています。

市街地として整える市街化区域では、およそ半分(48.0パーセント)が第一種低層住居専用地域です(柏市の都市計画決定一覧)。低い住宅のための地域で、柏市の住宅地で土地を探すと、この地域に当たる場面が自然と増えます。

たとえば、同じ駅の近くに坪単価がほぼ同じ土地が2つ出ていたとします。片方は第一種低層住居専用地域、もう片方は第一種住居地域かもしれません。坪単価が同じでも、建てられる家の大きさや、となりに建ち得る建物は違います。坪単価の目安は『柏の土地相場2026|柏駅・柏の葉・柏たなかの坪単価早見表とこれから上がるエリア』で整理しています。

柏市で指定されている用途地域と、建ぺい率・容積率の組み合わせ

この章の要点

  • 柏市では12種類の用途地域が定められ、建ぺい率・容積率の組み合わせはおおむね用途地域ごとに決まっている
  • 第一種低層住居専用地域だけは、3通りの組み合わせがある
  • 家を建てる目的なら、気にしたいのは「となりに何が建ち得るか」

柏市都市計画図(令和6年4月作成)の凡例を見ると、住居系の組み合わせは4通りです。「30/50」「50/100」「60/150」「60/200」の4つで、左が建ぺい率、右が容積率(パーセント)です。この記事では、このように略して書きます。凡例から、用途地域ごとの組み合わせを抜き出しました。

用途地域建ぺい率(%)容積率(%)
第一種低層住居専用地域30/50/6050/100/150
第二種低層住居専用地域50100
第一種中高層住居専用地域60200
第二種中高層住居専用地域60200
第一種住居地域60200
第二種住居地域60200
準住居地域60200
近隣商業地域80200/300
商業地域80400/500/600/800
準工業地域・工業地域・工業専用地域60200

第一種低層住居専用地域では、「30/50」「50/100」「60/150」の3通りがセットで指定されています。同じ名前の地域でも、どのセットかで建てられる大きさが大きく変わります。候補地がどれに当たるかは、市が公開している地図サービス「柏市公開型GIS」で調べられます。GISは地理情報システムの略で、使い方は記事の後半で紹介します。

用途地域は、建てられる建物の種類も決めています。柏市の説明では、第一種低層住居専用地域に建てられるのは、住宅や小規模な店舗・事務所を兼ねた住宅、小中学校などです。第一種住居地域では、3,000㎡までの店舗や事務所、ホテルなども建てられます。住宅そのものは工業専用地域を除けば建てられるため、困る場面は限られます。

そのため、家を建てる人が用途地域で見ておきたいのは、自分の家よりも周りです。第一種住居地域の幹線道路沿いなら、将来となりに店舗や事務所が建つこともあり得ます。静かさと便利さのどちらを重視するかで、同じ坪単価でも土地の評価は変わります。

なお、1つの土地が2つの用途地域にまたがることもあります。この場合の建ぺい率と容積率は、それぞれの面積の割合に応じて計算します(建築基準法第52条第7項・第53条第2項)。

建ぺい率と容積率は、どちらが先に効くか

この章の要点

  • 2階建てなら「建築面積の上限×2」と「延床面積の上限」の小さいほうが、延床の目安になる
  • 「50/100」は、2階建てでどちらもちょうど使い切る組み合わせ
  • 「60/200」の土地は、2階建てだと容積率が余る

柏市の説明にある計算方法はシンプルです。建築面積の上限は「敷地面積×建ぺい率」、延床面積の上限は「敷地面積×容積率」で求めます。たとえば敷地200㎡・建ぺい率60パーセントなら、建築面積は120㎡までです。同じ敷地で容積率150パーセントなら、延床面積は300㎡までになります。

迷いやすいのは、2つのうちどちらが先に効くかです。150㎡の土地に、1階と2階を同じ広さにした2階建てを建てる場合で比べます(仮の数字です)。

建ぺい率/容積率(%)建築面積の上限延床面積の上限2階建ての延床の目安先に効く決まり
30/5045㎡75㎡75㎡容積率
50/10075㎡150㎡150㎡両方同時
60/15090㎡225㎡180㎡建ぺい率
60/20090㎡300㎡180㎡建ぺい率

※敷地面積150㎡、1階と2階を同じ広さにした場合の単純計算です。前面道路の幅や高さの制限などは考えていません。

「30/50」の土地では、建築面積45㎡の平屋か、延床75㎡(約23坪)までの2階建てが上限です。1階と2階の配分を変えても、容積率で頭打ちになるため延床は増えません。

反対に「60/200」の土地では、2階建てなら建ぺい率が先に効きます。容積率のうち120㎡分は、使われずに残る計算です。この余りが生きてくるのは、3階建てを考えるときです。

延床面積の数え方にも、知っておきたい扱いがあります。建築基準法施行令では、車庫の床面積を、容積率の計算から一部外せます。上限は、車庫を含む各階の床面積の合計の5分の1です。車庫を含めて延床150㎡の家なら、30㎡までは容積率の計算に入りません。ただし建ぺい率では、車庫も建築面積に含めて考えます。

平屋を考えている方は、建ぺい率がそのまま上限になります。平屋に必要な土地の広さは『柏で平屋を建てる・買う|費用・土地の広さ・向いている人』でも整理しています。

前面道路の幅が12m未満だと、容積率が下がることがある

「駅に近いけれど、前の道が細い。この土地で3階建ては無理?」。細い道路に面した土地を見ると、まず気になるところです。

この章の要点

  • 前面道路の幅が12m未満なら、住居系の用途地域では原則「道路の幅×0.4」も容積率の上限になる
  • 幅4mの道路なら160パーセント。指定が200パーセントでも、160パーセントで計算する
  • 2階建てが中心なら、影響が表に出ない場合もある

容積率には、都市計画で決められた数字のほかに、前面道路の幅で決まる上限があります。建築基準法第52条第2項では、前面道路の幅が12m未満の場合、その幅(m)に一定の数値を掛けたものを上限としています。住居系の用途地域では原則0.4、商業系・工業系では原則0.6です。実際に使えるのは、都市計画の数字と、道路の幅による数字の小さいほうです。

前面道路が2本ある土地では、幅の広いほうで計算します。指定容積率200パーセントの住居系の土地で比べると、次のようになります(仮の数字です)。

前面道路の幅道路の幅による上限(%)実際に使える容積率(%)150㎡の土地の延床の上限
4m160160240㎡
5m200200300㎡
6m240200300㎡

※中高層住居専用地域や住居地域などでは、特定行政庁(建築の指定や許可を受け持つ自治体。柏市内では柏市)が指定した区域に限り、0.4ではなく0.6で計算する扱いもあります。

指定容積率100パーセントの第一種低層住居専用地域では、幅4mの道路でも上限は160パーセントです。指定の100パーセントのほうが小さいため、道路の幅は影響しません。影響が出やすいのは、指定容積率200パーセントの地域で、細い道路に面した土地です。

たとえば、駅に近い第一種住居地域で、幅4mの道路に面した150㎡の土地に3階建ての二世帯住宅を考えるとします。延床の上限は240㎡で、指定の200パーセントで計算した300㎡より60㎡少なくなります。冒頭の問いへの答えは「無理ではないが、積める広さが減る」です。一方、2階建てなら前の章のとおり建ぺい率が先に効くため、道路の幅の影響は表に出ない場合もあります。

道路では、もう一つ見落としやすい点があります。幅4m未満でも、建築基準法上の道路とみなされる道があります(2項道路)。この道に面した土地は、原則として道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げます(セットバック)。下げた部分は、建ぺい率・容積率を計算する敷地面積に入りません。

間口10mの土地で0.5m下げるなら、150㎡の土地も145㎡として計算します(仮の数字です)。道路の種類は見た目では判断しにくく、図面と現地で確かめる必要があります。

角地と準防火地域では、建ぺい率が10パーセントずつ緩和される場合がある

この章の要点

  • 柏市が定める条件を満たす角地は、建ぺい率に10パーセントを加えられる
  • 準防火地域で準耐火建築物などにすると、さらに10パーセント上乗せできる
  • 「角にある土地」なら何でも対象になるわけではない

建築基準法第53条第3項では、建ぺい率に10パーセントを加えられる場合を2つ定めています。一つは、特定行政庁(柏市)が指定する角地などの敷地です。もう一つは、防火地域内の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等です。両方に当てはまれば、20パーセントを加えられます。

では、角にある土地なら、どこでも対象になるのでしょうか。柏市の角地の条件は、柏市建築基準法等施行等規則第23条で決められています。要点は次のとおりで、条文の抜粋は柏市の「建ぺい率の角地緩和」のページで読めます。

  • 敷地の周りの3分の1以上が、道路または公園・広場・川などに接していること
  • そのうえで、幅4m以上の道路が120度以内の角度で交わり、2本の道路の幅の合計が10m以上あること
  • または、道路の反対側や敷地に接して公園などがあり、上の条件に準ずると認められること

幅4m以上の道路かどうかの判定では、2項道路のうち、後退した部分が道路として整備されていないものは除かれます。このため「角にある土地」でも、次のように結果が分かれます。

角で交わる道路(例)2本の幅の合計幅の条件
幅6mと幅4m10m満たす
幅5mと幅5m10m満たす
幅4mと幅4m8m満たさない
幅6mと2項道路(後退部分が未整備)−満たさない

※幅の条件のほかに、交わる角度や、敷地の周りが道路などに接する長さの条件もあります。最終的な判断は、建築確認の審査で行われます。

緩和の効き方を数字で見てみます。150㎡の第一種住居地域(建ぺい率60パーセント)の土地が角地の条件を満たせば、建ぺい率は70パーセントになります。建築面積の上限は90㎡から105㎡に広がり、1階で15㎡、約9畳分の差です。

準防火地域は、一般に中心市街地や駅周辺、幹線道路沿いに指定されると、柏市の資料で説明されています。候補地が当たるかどうかは、柏市公開型GISで分かります。その区域で建ぺい率の緩和を使うには、建物を準耐火建築物などにします。柱や壁などを、火災に一定時間耐えられる仕様にした建物です。窓や外壁の仕様が変わり建築費にも関わるため、広がる10パーセントと費用の増減をあわせて比べます。

角地に当たるか、前面道路をどう測るかは、図面と現地の両方を見ないと判断しにくいところです。最終的な当てはめは、設計者の検討と建築確認の審査で決まります。候補地の条件を整理するところから始めたい方は、こちらからお気軽にどうぞ。候補地の建ぺい率や用途地域について「晃南土地」に相談する

高さの上限と、道路側・北側の斜めの制限

「延床は足りそう。でも、本当に3階まで積めるの?」。延床の上限が計算できても、その広さを積み上げられる高さがなければ、家は建ちません。

この章の要点

  • 柏市の第一種・第二種低層住居専用地域は、建物の高さが10mまで
  • 道路側・隣地側・北側から引いた斜めの線の内側に、建物を収める
  • 低層住居専用地域の3階建ては、日影の決まりの対象にもなる

柏市では、第一種・第二種低層住居専用地域の建物の高さの上限を10mとしています。そのうえで建物の各部分は、斜めの線で高さを抑えられます(斜線制限)。柏市の「建築物の高さの制限」のページの内容を、住宅地で関わりやすい用途地域に絞って整理しました。

用途地域高さの上限道路側隣地側北側
第一種・第二種低層住居専用地域10m勾配1.25なし5m+勾配1.25
第一種・第二種中高層住居専用地域なし勾配1.2520m+勾配1.2510m+勾配1.25(日影規制の区域は除く)。高度地区の指定があれば、その決まり
第一種・第二種住居地域、準住居地域なし勾配1.2520m+勾配1.25高度地区の指定があれば、その決まり

「勾配1.25」は、基準の線から1m離れるごとに、1.25m高くできるという意味です。北側の「5m+勾配1.25」なら、北側の境界線上で5m、境界から2m離れた位置で7.5mが上限です。道路側の制限は、前面道路の反対側の境界線から測り、容積率などに応じた一定の範囲にかかります。

柏市の日影規制の表では、中高層住居専用地域も対象の区域に入っています。このため中高層住居専用地域の北側の高さは、高度地区の指定があればその決まりと、日影規制で抑えられます。

身近な形で考えてみます。第一種低層住居専用地域で、北側の隣地との間を1.5mあけて2階建てを置くとします。北側の外壁の位置での上限は、5m+1.5m×1.25=6.875mです。2階の北側の屋根を片流れにしたり、2階を南へ寄せたりする設計には、こうした決まりが関わっていることがあります。

3階建てを考えるときは、日影の決まり(日影規制)も関わります。柏市では、第一種・第二種低層住居専用地域なら「軒の高さが7mを超える建物、または地上3階以上の建物」が対象です。中高層住居専用地域や住居地域などでは「高さが10mを超える建物」が対象になります。周りの敷地に一定時間以上の影を落とさないよう、建物の形が制限されます。

第一種低層住居専用地域の3階建ては、高さ10m、道路側と北側の斜線、日影規制をすべて満たす必要があります。延床の計算だけで「3階建てが入る」と判断せず、設計者に建物の大きさと形を確かめてもらうと安心です。

柏市の「高度地区」は、北側の隣地に配慮した高さの決まり

この章の要点

  • 柏市は、第一種・第二種の2種類の高度地区を定めている
  • 北側の境界線上で、第一種は5m、第二種は10mから斜めの線が始まる
  • 道路側の斜線などと重なるときは、厳しいほうが適用される

高度地区は、都市計画で定める高さの決まりです。柏市は、北側の宅地の日照や通風を確保するため、高さの最高限度を定めています。柏市の高さの制限のページにある図をもとに、高さの上限を整理しました。距離は、北側の敷地境界から真北方向に測ったものです。

北側の境界からの距離第一種高度地区第二種高度地区
0m(境界線上)5m10m
2m7.5m12.5m
4m10m15m
6m11.2m17.5m
8m12.4m20m

※柏市の図では、第一種は境界から4mまで勾配1.25、その先は勾配0.6です。第二種は境界から8mまで勾配1.25、その先は勾配0.6です。表は、その図から計算した目安です。

第一種高度地区は、北側の境界近くでは、低層住居専用地域の北側斜線と同じ「5m+勾配1.25」の形です。4mより先は勾配0.6とゆるやかになります。北側の隣地から十分に離せない土地では、住居地域でも、低層住居専用地域に近い高さの感覚になります。

高度地区がかかるかどうかは、同じ住居地域でも土地ごとに違います。たとえば柏の葉キャンパス駅周辺地区の地区計画の資料では、住宅地区A〜Cの高度地区は「−」(指定なし)です。

仮の数字で比べてみます。第一種住居地域で、北側の隣地まで2mしか取れない土地に、高さ9mの3階建てを考えます。第一種高度地区なら、北側の外壁の位置の上限は7.5mで、3階の北側を削るか南へ寄せる工夫が要ります。第二種高度地区なら12.5mなので、北側の制約はぐっと小さくなります。境界線上での差は5mで、3階建ての計画ではこの差が間取りに直接出ます。

柏の葉キャンパス・柏たなかでは、地区計画の「敷地の最低面積」に注目

「親の土地が広いから、半分に分けて子ども世帯の家を建てたい」。区画整理された住宅地では、こうした計画の前に知っておきたい決まりがあります。

この章の要点

  • 柏市には38の地区計画があり、敷地の最低面積や壁の位置、塀のつくりなどを地区ごとに決めている
  • 柏の葉キャンパス駅周辺は135㎡・150㎡、柏たなか駅の東側は150㎡・135㎡・200㎡など
  • 柏の葉キャンパス駅の周辺は区画整理が続いているため、着工前の手続きが一つ増える

地区計画は、地区ごとに建物の用途や高さ、敷地の最低面積、壁の位置、塀のつくりなどを細かく決める制度です。柏市の都市計画決定一覧(2026年4月2日更新)には、38の地区計画が載っています。各地区の資料は、柏市の地区計画一覧から開けます。

つくばエクスプレス沿線では、土地区画整理事業(道路や公園を整え、土地の区画を整え直す事業)が行われてきました。そうした地区には、敷地の細分化を防ぐため、敷地面積の最低限度を決めた地区計画があります。柏市の地区計画の資料から、住宅地の区分を抜き出しました。

地区計画地区の区分用途地域(参考。建ぺい率/容積率)敷地面積の最低限度道路境界から壁面までの距離
柏北部中央・柏の葉キャンパス駅周辺地区住宅地区A・B第一種・第二種住居地域(60/200)135㎡1m以上(一部の道路沿いは2m・3m以上)
同上住宅地区C第一種低層住居専用地域(50/100)150㎡同上
柏北部東・柏たなか駅東地区住宅地区A第一種・第二種低層住居専用地域、第一種住居地域150㎡1m以上(一部の道路沿いは2m以上)
同上住宅地区B第一種住居地域135㎡同上
同上住宅地区C第一種住居地域200㎡同上
柏北部東・柏たなか駅西地区住宅地A・B第一種低層住居専用地域、第一種住居地域135㎡1m以上(一部の道路沿いなどを除く)

※柏たなか駅東地区の住宅地区Cでは、店舗や事務所などと併用しない住宅は建てられません。

表で目を引くのは、柏たなか駅の東と西の違いです。同じ第一種低層住居専用地域を含む住宅地でも、東側の住宅地区Aは150㎡、西側の住宅地Aは135㎡です。駅名やエリア名だけで判断せず、地区計画のどの区分に入るかまで確かめる理由がここにあります。

冒頭の「土地を分けて建てたい」という場面で効いてくるのが、この最低面積です。柏たなか駅東地区の住宅地区Aで、300㎡の土地を2つに分ければ、150㎡ずつで最低面積を満たします。では、280㎡を140㎡ずつに分けるとどうなるでしょうか。どちらも最低面積を下回るため、地区計画に合いません。届出の段階で、計画の見直しを求める勧告の対象になります(都市計画法第58条の2)。地区によっては条例でも制限され、その場合は建築確認も受けられません。

例外もあります。決まりができる前から一つの敷地だった土地を、全体のまま使う場合などは、最低面積を適用しないとされています。区画整理の仮換地や換地を、そのまま一つの敷地として使う場合も同じです。仮換地は工事の途中で使う土地として仮に指定された土地、換地は工事のあとに元の土地の代わりに割り当てられた土地を指します。

塀のつくりにもルールがあります。柏の葉キャンパス駅周辺地区と柏たなか駅東地区では、道路に面する塀や柵を、生け垣や透視可能なフェンスなどにします。フェンスの基礎やブロック塀は、門柱の袖壁などを除き、高さ0.7m以下に限って認められます。外構の見積もりにも関わるため、建物とあわせて計画します。柏たなか駅周辺の土地の広さと価格は『柏たなかの新築一戸建て相場|土地の広さと価格の目安』もご覧ください。

着工の前に要る手続きと、その順番

地区計画の区域内で家を建てるときは、都市計画法第58条の2にもとづく届出が要ります。柏市の案内では、工事に着手する30日前までに、図面を添えて柏市長に2部提出します。家の新築のほか、門や塀をつくる、土地を分けるといった行為も対象です。対象の一覧は、柏市の「地区計画の届出」のページにまとめられています。

届出の内容が地区計画に合っていれば、受理通知書(届出を受け付けたことを示す市の書面)が交付されます。その写しは、建築確認の申請書に添えます。工程は「設計 → 地区計画の届出 → 受理通知書 → 建築確認 → 着工」の順で、届出から着工までは30日以上あけます。

柏の葉キャンパス駅の周辺では、もう一つ手続きが加わります。この一帯は、千葉県が施行する柏北部中央地区の土地区画整理事業の区域で、事業はまだ続いています。換地処分(新しい土地の割り当てを確定させる手続き)の公告があるまでは、建物の新築に土地区画整理法第76条の許可が要ります。流れは、千葉県の土地区画整理法第76条許可の案内で確かめられます。

一方、柏たなか駅周辺の柏北部東地区は、2017年6月に換地処分の公告が済み、事業も完了しています。入居したい時期や住宅ローンの実行時期から逆算し、こうした期間を工程に入れておきます。

同じ150㎡の土地で、建てられる家の大きさを比べる

「ここまでの決まり、結局どれくらいの差になるの?」。答えを数字で見てみます。

この章の要点

  • 仮の数字で、条件の違う6つの土地を並べる
  • 延床の上限は、計算上75㎡から300㎡まで4倍の差がつく
  • 2階建てで比べても、75㎡から210㎡まで開く

ここまでの決まりを、同じ150㎡(約45坪)の土地にあてはめて比べます。数字はすべて仮のもので、条件が変われば結果も変わります。

土地用途地域(建ぺい率/容積率、%)前面道路などの条件建築面積の上限延床の上限2階建ての延床の目安
A第一種低層住居専用地域(30/50)幅6m45㎡75㎡75㎡(約23坪)
B第一種低層住居専用地域(50/100)幅4m75㎡150㎡150㎡(約45坪)
C第一種低層住居専用地域(60/150)幅4m90㎡225㎡180㎡(約54坪)
D第一種住居地域(60/200)幅4m90㎡240㎡180㎡(約54坪)
E第一種住居地域(60/200)幅6m90㎡300㎡180㎡(約54坪)
F第一種住居地域(60/200)幅6mと幅4mの角地(条件を満たす場合)105㎡300㎡210㎡(約64坪)

※敷地面積150㎡、セットバックなし、1階と2階を同じ広さにした場合の単純計算です。高さの制限、高度地区、日影規制、地区計画は考えていません。

延床の上限だけを見ると、AとEでは4倍の差があります。導入で触れた「同じ45坪でも延床23坪ほどの土地と、計算上90坪まで認められる土地」は、このAとEのことです。

2階建てで比べると、C・D・Eは同じ180㎡に並びます。2階建てなら建ぺい率が先に効き、道路の幅や容積率の違いが表に出ないためです。差がはっきり出るのは、3階建てを考えたときです。Eで3階建てにすると計算上は270㎡まで積めますが、Dでは240㎡が上限です。さらに高さの制限や高度地区によって、実際に積める広さはもっと小さくなる場合があります。

次は、逆向きの計算です。延床120㎡(約36坪、1階60㎡・2階60㎡)の2階建てを建てたい場合、必要な敷地の広さの目安は次のとおりです。

建ぺい率/容積率(%)建ぺい率から見た広さ容積率から見た広さ必要な敷地面積の目安
30/50200㎡240㎡240㎡(約73坪)
50/100120㎡120㎡120㎡(約36坪)
60/150100㎡80㎡100㎡(約30坪)
60/200100㎡60㎡100㎡(約30坪)

※駐車スペースや庭、斜線制限のゆとりは含まない単純計算です。

同じ延床120㎡の家でも、必要な土地は100㎡から240㎡まで変わります。さらに地区計画で最低面積が決まっている地区では、その面積を下回れません。たとえば「50/100」の計算では120㎡で足りても、柏たなか駅東地区の住宅地区Aでは150㎡が最低限度です。

候補地の決まりを調べる手順と、契約前に確かめること

この章の要点

  • 柏市公開型GIS(市の都市計画情報を地図で見られるサービス)で、用途地域や地区計画の区域などを調べられる
  • 紙の都市計画図は令和6年4月作成で、その後の変更は市の更新資料で補う
  • 道路の種類や角地の判定、高さの検討は、図面と現地で専門家とともに見る

候補地が見つかったら、次の順で確かめると抜けが少なくなります。

1. 柏市公開型GISで、用途地域、高度地区、防火地域・準防火地域、地区計画の区域を見る
2. 地区計画の区域なら、柏市の地区計画一覧から資料を開き、区分・最低面積・壁の位置・用途の制限を読む
3. 柏の葉キャンパス駅の周辺なら、区画整理の許可(土地区画整理法第76条)の要否を千葉県の案内で見る
4. 前面道路の幅を現地で測り、建築基準法上の道路かどうかも調べる
5. 角地の条件、斜線制限、高度地区、日影規制は、設計者にラフプランを入れてもらって確かめる

紙の都市計画図を使うときは、作成時期に注意します。柏市によると、販売中の都市計画図は令和6年4月作成で、その後2年度分の決定や変更は反映されていません。変更の内容は、市の「都市計画情報の更新について(令和8年3月31日)」で示されています。公開型GISには、このうち用途地域・高度地区・地区計画などの変更が反映済みです。

柏市は、都市計画図を参考図として使うよう注意書きを添えています。正式な内容は、市の窓口や、契約前の重要事項説明で確かめます。重要事項説明は、宅地建物取引業法第35条にもとづく契約前の説明で、都市計画法や建築基準法などの制限の概要も対象です。ただ説明は契約の直前なので、土地を絞り込む段階で先に見ておくと安心です。

確認の抜けを防ぐため、チェックリストにまとめました。

  • □ 用途地域と、建ぺい率・容積率の組み合わせ
  • □ 前面道路の幅と種類、セットバックの有無
  • □ 角地の条件(道路の幅の合計、交わる角度、接する長さ)
  • □ 防火地域・準防火地域かどうか
  • □ 高さ10mの上限、北側の斜線、高度地区、日影規制
  • □ 地区計画の最低面積・壁の位置・塀のルール・用途の制限
  • □ 区画整理が続いている区域なら、土地区画整理法第76条の許可
  • □ 建築協定や、柏市景観まちづくり条例の重点地区など、ほかの決まり
  • □ 地区計画の届出(30日前)と建築確認を含めた工程

土地探しから引渡しまでの流れは『柏で土地を買って注文住宅を建てる|土地探しから引渡しまでの流れ』で整理しています。地盤や浸水の確かめ方は『柏のハザードマップと地盤2026|液状化・浸水リスクと安全なエリアの見極め方』をご覧ください。

晃南土地では、土地探しの段階から、候補地の決まりを公開資料で確かめるご相談をお受けしています。建築会社のプランと照らし合わせながら、何をどの順で確かめればよいかを一緒に整理します。

「この土地に3階建てが入りそうか、まず一言だけ聞いてみたい」という方もいらっしゃると思います。スマートフォンから気軽に送れるよう、売買部につながるLINEも用意しています。晃南土地のLINEで売買部に相談する

よくある質問

Q. 気になる土地にどのくらいの家が建つか、何から調べればいいですか?

A. まずは、市の地図でその土地のルールを調べるところから始めます。柏市公開型GISは、市の都市計画の情報を地図で見られるサービスです。候補地を探すと、用途地域(建てられる建物の種類や大きさを決める地域の区分)などが分かります。区分ごとに、敷地のどれだけを建物に使えるか(建ぺい率)と、床面積の合計の上限(容積率)が決まっています。この2つに敷地面積を掛ければ、おおよその上限をつかめます。

Q. 静かな住宅街の土地でも、3階建ては建てられますか?

A. 高さ10m以内に収まり、ほかの決まりも満たせば、建てられる場合があります。柏市の第一種低層住居専用地域(低い住宅のための地域)では、北側の境界線上の5mから始まる、斜めの高さ制限がかかります。地上3階以上の建物は、周りに落とす影の時間の決まり(日影規制)の対象にもなります。床面積の合計の上限が敷地と同じ広さなら2階建てでも使い切れるため、3階にする利点があるかも含めて検討します。

Q. 角にある土地なら、どこでも少し広く建てられますか?

A. いいえ、柏市が決める条件を満たす角地に限られます。主な条件は、幅4m以上の道路が120度以内の角度で交わり、2本の道路の幅の合計が10m以上あることです。あわせて、敷地の周りの3分の1以上が道路などに接している必要があります。条件を満たせば、建物を真上から見た面積の上限(建ぺい率)が10パーセント広がります。

Q. 柏の葉キャンパスや柏たなかで家を建てるとき、工事の前に要る手続きはありますか?

A. はい、地区ごとのルール(地区計画)がある区域では、工事に着手する30日前までに柏市長への届出が要ります。設計者などが代わりに手続きすることもでき、その場合は委任状が必要です。ルールに合っていれば、届出を受け付けたことを示す書面(受理通知書)が交付されます。その写しは、工事の前に受ける審査(建築確認)の申請に使います。柏の葉キャンパス駅の周辺は区画整理が続いているため、区画整理中に建てるための許可(土地区画整理法第76条)も要ります。

Q. 広い土地を2つに分けて、子ども世帯の家も建てられますか?

A. 分けたあとのそれぞれが、地区ごとに決まった最低面積を満たせば、検討できます。柏たなか駅東地区の住宅地区Aなら150㎡が最低限度なので、300㎡の土地を150㎡ずつに分ければ満たします。下回る分け方は地区計画に合わず、届出の段階で見直しを求める勧告の対象になります。地区によっては条例でも制限され、工事前の審査(建築確認)を受けられません。地区計画のない土地でも、それぞれが原則として道路に2m以上接していることなど、ほかの条件があります。

まとめ

柏市で土地を買う前に、建てられる家の大きさを逆算するための決まりと調べ方を整理しました。

  • 家の大きさは、用途地域・建ぺい率・容積率・道路の幅・高さの制限・地区計画のうち、いちばん厳しいもので決まる
  • 第一種低層住居専用地域には「30/50」「50/100」「60/150」の3通りがあり、建てられる大きさが大きく違う
  • 前面道路の幅が12m未満なら、住居系では原則「幅×0.4」も容積率の上限になる
  • 柏市の条件を満たす角地や、準防火地域の準耐火建築物などは、建ぺい率を10パーセントずつ加えられる
  • 第一種・第二種の高度地区では、北側の境界線上で5mまたは10mから高さが抑えられる
  • 柏の葉キャンパスや柏たなかの地区計画には135㎡〜200㎡などの最低面積があり、着工の30日前までの届出が要る。柏の葉キャンパス駅の周辺では、区画整理の許可も要る

最初の一歩は、候補地を柏市公開型GISで開き、用途地域と地区計画の区域を見るところからです。そこで「気になっている土地なら、実際にどこまで建てられるのか確かめたい」と感じた方もいらっしゃるはずです。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。

候補地の条件を伝えて相談したい方は、柏市の候補地の確認を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。

資料や図面を見ながら対面で話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用いただけます。

まずは気軽に聞いてみたい方は、晃南土地のLINEで売買部に相談するからメッセージをお送りください。

なお、晃南土地は2026年12月に、柏駅から徒歩6分の柏市中央町に柏支店を開業する予定です。開業までの来店でのご相談は、我孫子店で承っています。柏支店の所在地は、「晃南土地」柏支店のページでご覧いただけます。

「まだ探し始めたところ」と添えていただいても大丈夫です。特定の土地をおすすめするのではなく、決まりの読み方や比べ方の整理としてお手伝いします。

企画構成・文/晃南土地 編集部

千葉県我孫子市を拠点に、1991年から地域の不動産に携わる晃南土地株式会社の編集部です。売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がける立場から、柏・我孫子エリアの住まいと不動産の情報を、分かりやすくお届けします。

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