相続税を払うために不動産を売る|取得費加算の特例と期限
柏の実家や土地を相続し、相続税の金額が見えてきたところで「現金が足りない。家を売って払うしかないのかもしれない」と考え始めた方は少なくありません。相続財産の多くが不動産で、預貯金はそれほど多くない。そういうご家庭では、納税資金をどう用意するかが、相続手続きの中でも大きな悩みになります。
先に結論をお伝えします。不動産を売って相続税を払う場合、押さえるべき期限は2つです。1つは、相続税の申告・納付期限である「亡くなったことを知った日の翌日から10か月」。もう1つは、売却したときの税金(譲渡所得税)を軽くできる「取得費加算の特例」が使える「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」、いわゆる3年10か月です。この2つの期限と、不動産の売却にかかる時間を並べて段取りを組むことが、手元に残るお金を守ることにつながります。
千葉県我孫子市で1991年から地域の不動産に関わってきた晃南土地には、柏エリアの相続不動産についてのご相談も寄せられます。この記事では、税の具体的な判断は税理士に委ねる前提で、「いつまでに、何を決めれば、どの制度が使えるのか」という段取りの部分を、国税庁の資料をもとに整理します。
相続した不動産の売却を具体的に考え始めている方は、「晃南土地」の不動産売却サービスを詳しく見るもあわせてご覧ください。
結論:相続税の納税のための売却は「2つの期限」で考える
相続税を払うために不動産を売るとき、最初に整理したいのは「いつまでにお金が必要か」と「いつまでに売れば税金面で有利か」です。この2つは別の期限で、混同すると判断を誤りやすくなります。
| 期限 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 相続税の申告・納付期限 | 亡くなったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内 | 国税庁 No.4205 |
| 取得費加算の特例が使える売却期限 | 相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで | 国税庁 No.3267 |
1つ目の期限は、お金を用意しなければならない期限です。2つ目の期限は、売却したときの税金を軽くできる制度の期限です。
つまり、10か月以内に売れなくても、取得費加算の特例そのものは使える可能性があります。一方で、10か月以内に納税資金が用意できないと、延滞税がかかる場合があります。「10か月以内に売らなければ特例が使えない」と思い込んで、相場より安い価格で急いで手放してしまう。これが、この場面で避けたい失敗のひとつです。
どちらの期限を優先するかは、ほかに納税に使える財産があるか、延納を検討できるか、相続人の間で売却の合意が取れているか、によって変わります。この記事の後半で、スケジュール別に考え方を整理します。
相続税の申告・納付期限は「10か月」
国税庁の「No.4205 相続税の申告と納税」(令和8年4月1日現在法令等・2026年9月27日確認)では、相続税の申告は、被相続人が亡くなったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内に行うこととされています。
たとえば1月6日に亡くなった場合、申告期限は同じ年の11月6日です。期限が土曜日・日曜日・祝日にあたる場合は、その翌日が期限とみなされます。
納付も、申告と同じ期限までに行う必要があります。国税庁の同じページでは、申告期限までに申告しても、期限までに納めなかったときは延滞税がかかる場合があるとされています。
ここで押さえておきたいのは、「申告だけ済ませておけば、納付は売れてからでよい」わけではないという点です。納税資金の準備は、申告の準備と同時に進める必要があります。
相続税の申告期限が迫っていて、実家のことがまだ何も決まっていないという方は、『相続税の申告期限が気になる方へ|実家のことは何も決まっていない、今できる進め方』で、期限までに優先したいことを整理しています。本記事では、その中でも「不動産を売って納税資金にする」場面に絞って掘り下げます。
10か月の中で、不動産の売却にはどれくらい時間がかかるか
「10か月あれば売れるだろう」と考える方もいらっしゃいますが、相続した不動産の売却は、自分の家を売る場合よりも前段の手続きが増えます。
| 段階 | 主な内容 | 時間がかかりやすい理由 |
|---|---|---|
| 相続人と財産の確認 | 戸籍の収集、財産の洗い出し | 相続人が遠方にいる、財産が多岐にわたる |
| 遺産分割の話し合い | 誰がどの財産を取得するか、売るかどうか | 相続人全員の合意が必要 |
| 相続登記 | 不動産の名義を相続人に変える | 売主になるには名義の変更が前提 |
| 査定・売り出し | 価格の検討、販売活動 | 買主が見つかるまでの期間は物件と相場による |
| 契約・決済 | 売買契約、残代金の受け取り、引き渡し | 契約から決済まで一定の期間を置くことがある |
とくに見落とされやすいのが、遺産分割と相続登記です。亡くなった方の名義のままでは、原則として不動産を売ることはできません。売るためには、遺産分割の話し合いを経て、相続人への名義変更(相続登記)を済ませる必要があります。
売り出してから買主が見つかるまでの期間は、立地・価格・建物の状態・時期によって大きく変わります。柏市内でも、駅に近いマンションと、駅から離れた築年数の古い戸建てや広い土地とでは、動き方がまったく違います。
こうした事情を考えると、10か月の期限内に「売却代金を受け取って納税する」ところまで進めるには、相続開始から早い段階で売却の方針を決めておくことが大切です。「四十九日が過ぎてから考えよう」「落ち着いてから」と先送りしているうちに、数か月が過ぎてしまうことも珍しくありません。
相続登記の義務化と名義整理の進め方は、『【2026年版】柏の相続した空き家、名義はそのまま?相続登記の義務化と「名義整理」の進め方』で詳しく解説しています。
取得費加算の特例とは
取得費加算の特例とは、相続した不動産などを一定の期間内に売ったとき、納めた相続税のうち一定額を、売却した財産の取得費に足すことができる制度のことです。正式には、国税庁のタックスアンサーで「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(No.3267)として案内されています。根拠は租税特別措置法第39条です。
不動産を売ったときの税金は、次の考え方で計算する「譲渡所得」にかかります。
譲渡所得 = 売った金額 -(取得費 + 譲渡費用)
取得費とは、その不動産を手に入れるためにかかったお金のことです。相続した不動産の場合、取得費は亡くなった方が購入したときの代金や購入手数料などを引き継ぎます(国税庁 No.3270)。取得費が分からない場合は、売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます(国税庁 No.3258)。
取得費加算の特例を使うと、この取得費に相続税の一部が上乗せされます。取得費が大きくなるほど譲渡所得は小さくなり、結果として所得税・住民税が軽くなります。
同じ財産に相続税と譲渡所得の税金が続けてかかる負担を、一定の範囲で調整する仕組み、と捉えると分かりやすいでしょう。
特例を使うための3つの要件
国税庁 No.3267(令和8年4月1日現在法令等・2026年9月27日確認)では、次の3つの要件がすべて必要とされています。
- 相続や遺贈により財産を取得した者であること
- その財産を取得した人に相続税が課税されていること
- その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること
2つ目の要件は見落とされやすいポイントです。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数。国税庁 No.4152)の範囲内に収まり、相続税がかからなかった場合、この特例は使えません。また、相続人の中でも、実際に相続税を負担した人が対象です。
期限「3年10か月」の数え方
取得費加算の特例の期限は、「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」です。申告期限が相続開始から10か月後なので、あわせて「3年10か月」と呼ばれることがあります。
具体的な日付で見てみましょう(期限が休日にあたる場合の扱いなど、実際の日付は税理士に確認してください)。
| 項目 | 日付の例 |
|---|---|
| 亡くなった日 | 2026年1月6日 |
| 相続税の申告・納付期限 | 2026年11月6日 |
| 取得費加算の特例が使える売却期限 | 2029年11月6日 |
売買では、契約日と引き渡し日が数週間から数か月離れることがあります。期限の直前に売却する場合は、どの日で判定されるかによって結果が変わる可能性があるため、税理士に確認したうえで、スケジュールに余裕を持たせることをおすすめします。
3年10か月は長いように感じますが、遺産分割がまとまらない、売り出してから反応が薄い、といった事情が重なると、あっという間に過ぎてしまいます。「特例の期限まで、あと何か月あるか」を相続人の間で共有しておくと、判断を先送りしにくくなります。
加算できる金額の計算式と、仮の数字で見る効果
取得費に加算できる金額は、国税庁 No.3267 で次の式で示されています。
取得費に加算する相続税額 = その者の相続税額 × その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の相続税評価額 ÷(その者の取得財産の価額+その者の相続時精算課税適用財産の価額+その者の純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産の価額)
ただし、この金額が、特例を使わずに計算した譲渡益(売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いた金額)を超える場合は、その譲渡益に相当する金額までとされています。また、計算は売った財産ごとに行います。
ここでは、仕組みをつかむために、ごく単純化した仮の数字で見てみます。実際の計算はこれより複雑になるため、あくまで考え方の例としてご覧ください。
| 項目 | 仮の数字 |
|---|---|
| ある相続人の相続税額 | 600万円 |
| その相続人が取得した財産の合計(分母にあたる金額) | 1億円 |
| 売却した実家の相続税評価額 | 3,000万円 |
| 取得費に加算できる金額 | 600万円 × 3,000万円 ÷ 1億円 = 180万円 |
この例では、取得費が180万円増えるため、譲渡所得も180万円小さくなります。税率をかける前の金額が小さくなるので、そのぶん所得税・住民税が軽くなる、という仕組みです。
「相続税評価額が大きい財産ほど、加算できる金額が大きくなる」という点も押さえておきましょう。相続財産の中で不動産の割合が大きいご家庭ほど、この特例の影響は大きくなりやすいと言えます。
なお、実際の申告では、取得費に加算される相続税の計算明細書を作成します。どの財産を売るか、複数の不動産のうちどれから売るかによって加算額が変わるため、売却の順番を決める前に、税理士に試算してもらうと判断がしやすくなります。
使えないケースと、見落としやすい注意点
取得費加算の特例には、使えない・使いにくいケースがあります。売却を決める前に、次の点を確認しておきましょう。
確定申告をしないと使えない
この特例は、自動的に適用されるものではありません。国税庁 No.3267 では、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要とされています。売却した年の翌年に、譲渡所得の確定申告の中で適用を受けます。
空き家の3,000万円特別控除とは、どちらかを選ぶ
亡くなった方がひとりで住んでいた家を相続して売る場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、いわゆる空き家の3,000万円特別控除を検討できることがあります。
国税庁 No.3306(令和8年4月1日現在法令等・2026年9月27日確認)では、この特例の要件のひとつとして、売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例など他の特例の適用を受けていないことが挙げられています。つまり、同じ売却について両方を同時に使うことはできず、どちらかを選ぶことになります。
どちらが有利になるかは、相続税額・取得費・売却額によって変わります。空き家特例の要件(昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、売却代金が1億円以下であることなど)や期限は、『【2026年版】相続した柏の実家、売る・貸す・活かすで迷ったら|3000万円特別控除も解説』で詳しく解説しています。
相続税の申告より先に売った場合の更正の請求
相続税の申告期限より前に不動産を売り、その年の所得税の確定申告期限の時点では、まだ相続税の申告をしていない、というケースもあります。この場合、あとから相続税の期限内申告書を提出したことで取得費加算の特例を使えるようになったときは、相続税の期限内申告書を提出した日の翌日から2か月を経過する日までに、更正の請求をすることができるとされています(租税特別措置法第39条第4項)。
期間が短いので、相続税と所得税の申告をそれぞれ別の専門家に頼んでいる場合は、情報が途切れないよう注意が必要です。
相続税評価額と売却価格は別もの
特例の計算に使うのは、相続税の申告で使った「相続税評価額」です。実際に売れた価格ではありません。相続税評価額と実際の売却価格は一致しないのが通常で、その差によって、想定より譲渡益が大きく出ることもあります。売却の見通しを立てるときは、相続税評価額ではなく、査定や周辺の取引事例をもとに考えることが大切です。
期限内に売るか、期限後に売るか:スケジュール別の考え方
ここまでの内容を踏まえて、売却のタイミングごとに、納税と特例の関係を整理します。
| 売却のタイミング | 納税資金 | 取得費加算の特例 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 相続税の申告期限(10か月)までに売って決済 | 売却代金を納税に充てられる | 要件を満たせば使える | 相続人の合意が早く取れる、売れやすい物件 |
| 申告期限の後〜3年10か月以内に売る | 納税は別の方法で用意する(預貯金・延納など) | 要件を満たせば使える | 急いで安く売りたくない、売却に時間がかかりそうな物件 |
| 3年10か月を過ぎてから売る | 納税は別の方法で用意する | 使えない | 当面は住む・貸すなど、売る予定がない |
10か月以内に売ることにこだわりすぎると、価格の交渉で不利になる可能性があります。買主側から見ると、「急いで売りたい事情がある売主」と分かれば、価格の交渉が入りやすくなるからです。
一方で、期限後に売る場合は、納税資金をほかの方法で確保する必要があります。預貯金で足りるか、ほかの相続人と負担を調整できるか、延納を検討するかといった選択肢を、同時に考えることになります。
どちらが良いかは、相続税額、ほかの財産の状況、不動産の売れやすさによって変わります。「いつまでに、いくらで売れそうか」の見通しは、税の試算と並行して不動産会社の査定で確かめておくのが現実的です。
相続した不動産の査定や売り出し方を先に確認しておきたい方は、相続した柏の不動産の売却について「晃南土地」の売却サービスを見るからご覧いただけます。
売却以外の納税方法:延納と物納
不動産を売る以外にも、相続税の納め方にはいくつかの選択肢があります。売却の判断をする前に、国税庁の資料で制度の概要を確認しておきましょう。
延納:分割で納める
延納とは、相続税を一度に納めることが難しい場合に、分割して納める制度のことです。国税庁「No.4211 相続税の延納」(2026年9月27日確認)では、次の要件がすべて必要とされています。
- 相続税額が10万円を超えること
- 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること
- 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること(延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下である場合は担保は不要)
- 延納しようとする相続税の納期限または納付すべき日までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること
延納の期間中は利子税がかかります。延納期間や利子税の割合は、相続財産に占める不動産等の割合などによって変わるため、最新の割合は国税庁のページでご確認ください。
延納で時間を確保し、そのあいだに不動産を相場に近い価格で売って納税に充てる、という組み立て方も考えられます。
物納:財産そのもので納める
物納とは、延納によっても金銭で納付することが難しい場合に、一定の相続財産で相続税を納める制度のことです。国税庁「No.4214 相続税の物納」(令和8年4月1日現在法令等・2026年9月27日確認)では、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があること、物納できる財産であること(管理処分不適格財産でないこと等)、期限までに申請書を提出することなどが要件とされています。
物納できる財産には順位があり、不動産は第1順位に含まれます。物納に充てる財産の価額(収納価額)は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額、つまり相続税評価額によるとされています。
ここは売却との比較で大切なポイントです。相続税評価額と市場で売れる価格は一致しないため、市場で売ったほうが手元に残る現金が大きくなる物件もあれば、物納のほうが有利に働く物件もあり得ます。また、国税庁の同じページでは、境界が明らかでない土地などは物納に不適格な財産(管理処分不適格財産)とされています。物納を考える場合も、売却した場合の手取りとの比較が欠かせません。
相続人が複数いるときの売り方:換価分割という考え方
相続人が複数いて、不動産を売って納税資金や相続分に充てたい場合は、「換価分割」という分け方がよく検討されます。換価分割とは、相続した不動産を売却し、その売却代金を相続人で分ける方法のことです。
換価分割を選ぶ場合、遺産分割協議書に「不動産を売却し、売却代金から諸費用を差し引いた残りを、誰がどの割合で取得するか」を明記しておくことが大切です。書き方によっては、売却代金の分配が贈与と見なされるおそれもあるため、協議書の作成は司法書士や税理士に確認しながら進めるのが安全です。
また、売却して譲渡所得が出れば、売却代金を受け取った相続人それぞれが確定申告をすることになります。取得費加算の特例も、相続人ごとに、その人の相続税額をもとに計算します。つまり、同じ家を売っても、相続人によって加算できる金額が異なることがあります。
相続人の間で「売るかどうか」「いくらなら売るか」の意見が分かれることもあります。話し合いの進め方は、『きょうだいと疎遠なまま実家を相続|揉めない分け方の考え方』もあわせてご覧ください。
柏で相続した不動産を売って納税するときの段取りチェックリスト
ここまでの内容を、実際の段取りに落とし込みます。柏市内の実家や土地を相続し、売却代金を納税に充てることを考えている方は、次の順番で確認していくと抜け漏れを防げます。
- □ 相続人を戸籍で確定し、全員の連絡先を把握した
- □ 不動産・預貯金・有価証券など、相続財産の一覧を作った
- □ 税理士に相続税の概算を出してもらい、納税が必要かどうかを確認した
- □ 不動産会社に査定を依頼し、「いくらで、どのくらいの期間で売れそうか」の見通しを得た
- □ 預貯金など、不動産以外で納税に充てられる金額を把握した
- □ 10か月以内に売るか、延納などで時間を確保して売るかの方針を決めた
- □ 相続人全員で、売却すること・代金の分け方を合意した(遺産分割協議書)
- □ 相続登記を済ませ、売主となる名義を整えた
- □ 取得費加算の特例と空き家特例のどちらを使うか、税理士と試算した
- □ 取得費加算の特例の期限(3年10か月)の日付を相続人の間で共有した
- □ 売却した年の翌年の確定申告のスケジュールを押さえた
柏市内の不動産は、駅までの距離や周辺環境、土地の広さや形によって、売れるまでの期間に差が出ます。たとえば、建物が古い戸建てでも、リノベーションを前提に探している買主や、建て替え用地として土地を探している買主など、見る人によって価値の捉え方が変わることがあります。「どの買主に向けて売るか」を早めに整理しておくと、売却期間の見通しが立てやすくなります。
また、今すぐ売らずに一定期間は貸す、という選択肢を考える方もいます。ただし、賃貸に出すと、空き家の3,000万円特別控除の要件を満たさなくなる場合があるなど、税の面で影響が出ることもあります。売る・貸すの比較は、税理士の試算とあわせて検討しましょう。
相続の手続き全体の流れを先に確認したい方は、『相続、何から始めれば?|実家がある家庭の手続きロードマップ』もご覧ください。
晃南土地にご相談いただけること
相続税の納税を見据えた不動産の売却は、税理士・司法書士・不動産会社の仕事が重なる場面です。税額の計算や特例の選択は税理士、相続登記は司法書士、売却の見通しと実際の販売は不動産会社、というように役割が分かれます。
晃南土地では、相続した不動産の売却についてのご相談を窓口としてお受けし、提携の税理士・司法書士などの専門家と連携しながら、売却までの段取りをサポートしています。税の具体的な判断は専門家が行い、私たちは「いつまでに、いくらくらいで売れそうか」という売却の見通しと、実際の販売をお手伝いします。
「期限まで時間がないけれど、何から手をつければいいか分からない」「まず売れる価格の目安だけ知りたい」という段階でも、状況を整理するところからお手伝いできます。売買の担当者に気軽に聞いてみたい方のために、LINEでのご相談窓口も用意しています。晃南土地のLINEで売買部に相談する
よくある質問
相続税の申告期限までに不動産が売れなかったら、取得費加算の特例は使えませんか?
使える可能性があります。取得費加算の特例の売却期限は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです(国税庁 No.3267)。ただし、相続税の納付期限は申告期限と同じ10か月なので、売却代金が間に合わない場合は、預貯金や延納など別の方法で納税資金を用意する必要があります。
相続税がかからなかった場合も、取得費加算の特例は使えますか?
使えません。国税庁 No.3267 では、その財産を取得した人に相続税が課税されていることが要件とされています。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内で相続税がかからなかった場合は、対象になりません。
空き家の3,000万円特別控除と一緒に使えますか?
同じ売却について両方を同時に使うことはできません。国税庁 No.3306 では、空き家の特例の要件として、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例など他の特例の適用を受けていないことが挙げられています。どちらが有利かは、相続税額や売却額によって変わるため、税理士に試算してもらうと判断しやすくなります。
取得費加算の特例を受けるには、どんな手続きが必要ですか?
売却した年の翌年に、所得税の確定申告をする必要があります。国税庁 No.3267 では、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要とされており、取得費に加算される相続税の計算明細書などを作成します。
相続した家を売るとき、取得費は相続税評価額になりますか?
なりません。相続した不動産の取得費は、亡くなった方が購入したときの代金や購入手数料などを引き継ぎます(国税庁 No.3270)。分からない場合は、売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます(国税庁 No.3258)。取得費加算の特例は、この取得費に相続税の一部を上乗せする制度です。
まとめ
相続税を払うために不動産を売るときは、「10か月の納付期限」と「3年10か月の取得費加算の特例の期限」という2つの期限を分けて考えることが出発点です。10か月以内に売れなくても特例は使える可能性がある一方、納税資金はほかの方法で用意する必要があります。
取得費加算の特例は、相続税を負担した人が、期限内に相続財産を売った場合に使える制度で、確定申告が必要です。空き家の3,000万円特別控除とはどちらかを選ぶことになり、延納・物納も含めて、手元に残るお金で比べることが大切です。どの制度を使うかの判断は税理士と、売却の見通しは不動産会社と、並行して進めていきましょう。
ここまで読んで、「自分の場合はいつまでに、いくらで売れそうか」を具体的に知りたいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。
売却の進め方や対応内容を先に確認したい方は、「晃南土地」の不動産売却サービスを詳しく見るをご覧ください。
状況だけ伝えて、何から進めるか相談したい方は、柏の相続不動産の売却について「晃南土地」に問い合わせるからご連絡いただけます。
対面でじっくり話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約からご予約ください。
文字で気軽に聞いてみたい方は、晃南土地のLINEで売買部に相談するをご利用ください。
「まだ検討段階」と添えていただければ、売却を急がせることなく、状況の整理からお手伝いします。