柏で旧耐震の中古戸建てを検討する方へ|耐震工事の費用と判断の手順
柏で中古の一戸建てを探していると、駅まで歩けて庭もあり、値段も手ごろな家に出会うことがあります。ところが資料に「昭和53年築」とあると、少し手が止まります。「この家、大きな地震が来たら大丈夫なのだろうか」。同じころに建った自宅に長く住み、同じことを考え始めた方もいらっしゃるでしょう。
千葉県柏市で古い家を買う方にも、住み続ける方にも役立つよう、耐震のことを晃南土地 編集部がまとめました。晃南土地は千葉県我孫子市に本社を置き、1991年の設立から地域の住まいに携わってきた不動産会社です。売買・賃貸・管理に加えて、買取りやリノベーションも一社で手がけています。
この記事で分かることは、次の3つです。
- 1981年と2000年、二つの年が「分かれ目」と言われる理由
- 耐震診断と耐震工事に、どのくらいのお金がかかるか
- 買う前・住み続ける前に確かめる順番と、税金やローンの決まり
「まだ物件を見始めたばかり」「自宅のことを少し考えたいだけ」という段階でも構いません。書類の見方から一緒に整理したい方は、旧耐震の家の買い方と直し方を「晃南土地」に相談するからお気軽にご連絡ください。
柏に、旧耐震の一戸建てはどのくらいある?
「古い家を候補に入れるのは、珍しいことなのかな」
柏市では、昭和の時代に建った一戸建てが、今も身近な存在です。市の耐震改修促進計画(2026年6月一部改定)に、その数字が載っています。
| 柏市の一戸建て | 戸数(推計) |
|---|---|
| 一戸建て全体 | 約11万2,500戸 |
| 1980年以前に建ち、耐震性がないとみられる家 | 約1万100戸 |
| 1980年以前に建ち、耐震性があるとみられる家(補強済みを含む) | 約7,700戸 |
| 1981年以降に建った家 | 約9万4,700戸 |
(令和5年住宅・土地統計調査をもとにした柏市の推計。統計の区切りの都合で、1980年と1981年で分けています)
耐震性がないとみられる家は、一戸建てのおよそ11軒に1軒にあたります。柏市は、住宅の耐震性の不足を、2035年度までにおおむね解消することを目標にしています。同じ計画には、市の直下で起きるマグニチュード7.3の地震などの想定も載っています。
見ておきたいのは、古い家がすべて弱いわけではない点です。1980年以前の一戸建てのうち、4割ほどは耐震性があると推計され、補強の工事を済ませた家もこの中に含まれます。
例えば、同じ通りに同じころ建った2軒でも、片方は補強を済ませ、もう片方は昔のまま、ということがあります。外から眺めただけではその違いが分からないため、築年を入り口に、一軒ずつ見ていくことになります。
1981年と2000年で、何が変わったの?
「旧耐震、新耐震とよく聞くけれど、何が違うのだろう」
木造の一戸建ての耐震の決まりは、1981年6月と2000年6月の2回、大きく変わりました。1981年5月までの基準で建った家を、一般に「旧耐震」と呼びます。
| 建てた時期の目安 | 呼び方 | 主な違い |
|---|---|---|
| 1981年5月まで | 旧耐震 | 地震に耐える壁の量の決まりが、今より少ない |
| 1981年6月〜2000年5月 | 新耐震 | 必要な壁の量が増えた。ただし柱と土台などのつなぎ目の決まりは、今ほど具体的でない |
| 2000年6月以降 | 今の基準 | つなぎ目の金物や、壁の配置のバランスの決まりが具体的になった |
国土交通省の資料によると、新耐震の基準では、地震の横揺れに踏ん張る壁の量が、旧耐震の約1.4倍確保されます。
この違いは、2016年の熊本地震の被害にも表れました。日本建築学会が益城町の中心部で調べた結果を、国の委員会が、建てた時期ごとに次のようにまとめています。
| 建てた時期 | 倒壊した割合 |
|---|---|
| 1981年5月まで | 28.2%(214棟) |
| 1981年6月〜2000年5月 | 8.7%(76棟) |
| 2000年6月以降 | 2.2%(7棟) |
(国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイントより)
新耐震の時期に倒れた家の多くは、つなぎ目が今の決まりの仕様になっていなかったと分析されています。そのため国は、2000年以前の木造住宅を中心に、リフォームの機会につなぎ目を確かめることを勧めるようになりました。
2026年7月28日に熊本県で震度7を観測した地震でも、同じような傾向が見えました。国の研究所などの速報(2026年8月31日)では、築45年超とみられる木造住宅などで、倒壊が多数確認されました。一方で、築年数の浅い建物の多くには、外から見て大きな被害はなかったとしています。
同じ速報によると、築45年を超えるとみられる家のなかにも、被害の少ないものがありました。築年は大切な目安ですが、それだけで強い・弱いは決まらないため、次の章から紹介する書類と診断で見極めていきます。
「築年」は、どの日付で見ればいい?
「登記には昭和56年とあるけれど、旧耐震なのか新耐震なのか分からない」
家の「建てた日」には、図面の審査を受けた日(建築確認の日)、工事を始めた日、完成して登記された日の3つがあります。決まりによって使う日付が違うため、表にまとめました。
| 決まり | 見る日付 | 境目 |
|---|---|---|
| 旧耐震か新耐震か | 建築確認を受けた日 | 1981年6月1日 |
| 【フラット35】の耐震の確認 | 建築確認を受けた日(分からないときは登記の新築の日) | 1981年6月1日(登記で見るときは1983年4月1日) |
| 契約前の重要事項説明で、耐震診断の内容が伝えられる家 | 工事を始めた日 | 1981年6月1日より前 |
| 柏市の木造住宅の耐震診断・耐震改修の補助 | 工事を始めた日 | 2000年5月31日以前 |
| 住宅ローン控除で、耐震の証明がいらない家 | 登記の建築の日 | 1982年1月1日以後 |
| 所得税の耐震工事の控除 | 建築の日(登記事項証明書などで示す) | 1981年5月31日以前 |
| 固定資産税の耐震工事の減額 | その家が建っていた時期 | 1982年1月1日以前から |
建築確認とは、家を建てる前に、図面が決まりに合っているかを審査してもらう手続きです。確認を受けてから完成までには、数か月の開きが出ることもあります。
そのため、1981年の夏に確認を受け、その年の12月に完成した家は、新耐震でも登記の日付は1981年です。この場合、住宅ローン控除を受けるには、耐震の証明が必要になります。反対に、1981年の春に確認を受けて、1982年に登記した家は、旧耐震でも控除の築年の条件には当てはまります。ただしこれは税の上での扱いで、建物の強さとは別の話です。
日付が分かる書類は、確認済証、検査済証(完成時の検査に合格した証明)、図面、登記事項証明書です。買う方は、まず売主に、これらを保管しているかを聞いてみます。
見当たらないときは、柏市が保存している建築計画概要書を閲覧できる場合があります。ただ、建てた当時の地番や建築主の名前など、手がかりが少ないと探せないこともあります。
柏市で耐震診断を受けるには?何を調べる?
「耐震診断って、壁をはがしたりするの?」
耐震診断は、建築士などが家の地震への強さを調べて、数字で示すものです。木造の一戸建てでは、主に次の2つの方法があります。
| 方法 | 調べ方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一般診断 | 図面と、現地での目視が中心。原則として壁や床ははがさない | 補強が必要かどうかを、まず知りたいとき |
| 精密診断 | 壁の中など、より詳しい情報をもとに調べる | 補強の計画を立てるとき |
国土交通省の案内では、診断はまず、建てたときや増改築のときの情報を整理するところから始まります。そのうえで現地で、基礎や屋根、壁、柱の状態や傷みを調べ、床下や天井裏まで見ていきます。図面や資料があれば、用意しておくと話が早く進みます。
結果は「上部構造評点」という数字で出ます。簡単に言うと、必要とされる強さを1.0として、その家がどのくらいの強さかを表す数字です。柏市は、評点の判定を次のように示しています。
| 上部構造評点 | 判定 |
|---|---|
| 1.5以上 | 倒壊しない |
| 1.0以上1.5未満 | 倒壊する可能性が低い |
| 0.7以上1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
| 0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
柏市の耐震改修の補助も、評点を1.0以上にする工事が対象です。まずは「1.0」が目標の目安だと覚えておくと、診断の結果を読みやすくなります。
診断の費用は、東京都の耐震ポータルサイトが、木造住宅の一般診断で1棟あたり10万〜20万円程度としています。建てた当時の図面がある場合の目安で、家の形や築年数によっても変わります。
柏市には、2000年5月31日以前に工事を始めた木造住宅の、耐震診断の費用の一部を補助する制度があります。2026年度の補助の額は、診断の費用の5分の4で、上限は8万円です。主な決まりは次のとおりです。
- 申し込めるのは家の持ち主で、診断を契約する前に申請する
- 診断は、柏市に登録された「柏市木造住宅耐震診断士」に頼む
- 在来工法の地上2階以下の家が対象で、ツーバイフォー工法や木質プレハブの家は対象外
- 2026年度の受付は12月25日までで、予定の件数は25件
受付の期間や件数は年度ごとに変わるため、最新の条件は柏市の木造住宅耐震診断費補助金のページでご確認ください。
中古の家を買うときによく使う建物状況調査(インスペクション)は、傷み具合を見る調査です。耐震の面では診断の報告書などの書類があるかを見るもので、地震への強さを数字で出すのは耐震診断のほうです。調査の進め方は『柏の中古戸建てを買う前に|建物状況調査(インスペクション)の基本』で詳しく紹介しています。
1981年6月1日より前に工事を始めた家で耐震診断を受けていれば、その内容は契約前の重要事項説明で伝えられます。記録がない家では、買う側で調べることになります。
もう一つ気をつけたいのが、「国の依頼で耐震診断をしている」と訪ねてくる業者です。国土交通省は、個別の家の耐震診断や耐震改修を直接は行っていないとして、注意を呼びかけています。その場では契約せず、ご家族と話してから決めましょう。
耐震工事の費用は、どのくらい見ておく?
「補強って、何百万円もかかるのでは?」
費用は、家の大きさや傷み具合、どこまで強くするかで大きく変わります。公的な資料で示されている目安は、次のとおりです。
| 出どころ | 目安 | 前提 |
|---|---|---|
| 国土交通省のモデルケース | 約224万円 | 築50年・2階建て・延べ面積約100㎡の木造住宅 |
| 東京都耐震ポータルサイト | 1棟あたり150万〜200万円 | 在来工法で、評点を0.5程度から1.0程度に上げる場合 |
| 同(工事監理) | 工事金額の5〜10%程度 | 設計どおりの工事かを、建築士がチェックする費用 |
数字を並べると、200万円前後が一つの目安になりそうです。ただ、どれも過去の事例をもとにした数字で、費用は時期によっても変わるため、見積もりがこれより高くなることもあります。
工事の中身については、国土交通省が次のような方法を挙げています。
| 工事 | 内容 |
|---|---|
| 屋根を軽くする | 重い屋根材を、軽いものに替える |
| 壁を強くする | 構造用合板などで、地震に強い壁を増やす |
| 柱やはりを補強する | 金物などで、柱やはりとそのつなぎ目を固める |
| 基礎を見直す | ひび割れを補修する。弱い基礎は、鉄筋コンクリートを増し打ちして強くする |
どの工事が必要かは診断の結果で決まり、評点が低いほど、また工事の範囲が広いほど、費用は上がっていきます。
見積もりを受け取ったら、金額だけでなく中身も見比べます。東京都の耐震ポータルサイトは、契約の前に見積書や設計図で内容を確かめ、複数の会社から見積もりを取るよう勧めています。
- 設計と工事監理の費用が、見積もりに入っているか
- 補強したあとの評点が、いくつになる計画か
- どの壁や柱を補強するのか、図面で示されているか
柏市の計画では、耐震工事は内装の工事を伴うことが多いとされます。そのうえで、リフォームや省エネ、バリアフリーの工事と一緒に行うことは、経済的にも有効な方法だとしています。
例えば、古い家を買って床や壁を新しくするなら、そのとき壁を開けたついでに補強も済ませる、という考え方です。別々に工事をするより、壁や床を開け閉めする手間を一度で済ませやすくなります。
柏市の改修の補助を使うなら、対象は耐震の部分だけなので、リフォームとは費用を分けて見積もってもらいます。省エネなどのリフォームにも、国や市の補助があります。ほかの補助は、『柏のリフォーム補助金ガイド2026|対象工事・金額・申請の流れを地元がやさしく解説』にまとめています。
ただし床や壁を大きく直すリノベでは、2025年4月から、木造2階建てなら工事の前に建築確認がいるようになりました。大きく直すとは、柱・はり・壁・床・屋根・階段のどれかを、半分を超えて直すことです。屋根や壁の表面の材料だけを替える工事は、これに当たりません。工事の計画を立てる段階で、施工会社に確かめておくと安心です。
買って直すなら、総額はいくらになる?
「物件の値段は手ごろでも、直すお金まで入れたらどうなるの?」
用意するお金は、「物件価格+診断・工事の費用+諸費用+予備費」で考えます。ここからは仮の数字で、1978年に建った木造2階建て(約100㎡)を1,500万円で買うとして、流れを見てみます。
| お金の区分 | 仮の金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 物件価格 | 1,500万円 | 土地と建物の代金 |
| 耐震診断 | 15万円 | 買う前の一般診断(補助は使えない前提) |
| 耐震工事 | 250万円 | 設計と工事監理を含めた仮の額 |
| 内装・水回りの工事 | 400万円 | 床や壁の張り替え、浴室、キッチンなど |
| 予備費 | 65万円 | 開けてから分かる傷みへの備え(工事費の1割) |
| 仲介手数料 | 56.1万円 | 法律で決まった上限で計算(税込) |
| そのほかの諸費用 | 物件ごとに変わる | 登記の費用、税金、火災保険など |
この例では、物件価格は1,500万円でも、必要なお金は2,280万円を超えます。耐震と内装の工事を一緒に見積もると、総額の見通しが立てやすくなります。
買ったあとの耐震工事は、持ち主として柏市の改修の補助を申し込める場合があります。ただ、2026年度は受付を止めているため、この例では使わない前提にしています。諸費用の内訳は、『柏で家を買うときの諸費用・初期費用ガイド|物件価格以外にいくらかかる?』で一覧にしています。
「古い家でも、住宅ローンは借りられるの?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。借りられる場合はありますが、建物の古さをどう評価するかは、金融機関や商品によって違います。物件を決める前に、事前審査を受けておくと安心です。
【フラット35】で中古の家を買う場合は、建築確認の日に注意します。1981年5月31日以前の家では、住宅金融支援機構の耐震評価基準などに合うことが求められます。物件と工事のお金をまとめて借りる方法は、『リノベ前提で柏の中古を買う|物件選びで見る10のポイント』で紹介しています。
住宅ローン控除は、旧耐震の家でも使える?
「旧耐震の家だと、住宅ローン控除は受けられないのでは?」
受けられる場合がありますが、引き渡しの前に段取りが必要で、ここが旧耐震の家を買うときにいちばん気をつけたいところです。
住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。簡単に言うと、年末のローン残高に応じて、所得税などが戻ってくる制度です。中古の家には耐震の条件があり、登記の建築の日が1982年1月1日以後なら、それで条件を満たします。それより前の家は、次のどれかが必要です。
| 方法 | 必要なもの | 期限 |
|---|---|---|
| 耐震基準に合うと証明してもらう | 耐震基準適合証明書(建築士などが発行) | 取得の日より前の2年以内に、証明のための調査を終えたもの |
| 住宅性能評価を受ける | 建設住宅性能評価書(耐震等級1以上) | 取得の日より前の2年以内に評価されたもの |
| 既存住宅売買瑕疵保険に入る | 保険の付保証明書 | 取得の日より前の2年以内に契約したもの |
| 買ったあとに耐震工事をする | 耐震基準適合証明申請書などの申請と、工事後の証明書 | 申請は取得の日まで。工事と証明は住み始める日まで |
取得の日とは、おおむね引き渡しを受ける日のことです。表の上の3つは、買う前の時点で、家が基準に合っていることを示す方法です。証明のための調査で、売主が住んでいる家に入ることもあるため、了解と日程の調整が欠かせません。
ただ、補強をしていない旧耐震の家では、基準に合わないことも珍しくありません。その場合の道が、4つ目の「要耐震改修住宅」と呼ばれる方法です。簡単に言うと、買った家を直して、住み始めるまでに基準に合わせる方法で、次の3つに気をつけます。
1. 申請は、引き渡しの日までに済ませる。引き渡しのあとでは間に合わない
2. 工事を終えて証明を受けてから、取得から6か月以内に住み始める
3. 住宅ローン控除と、所得税の耐震工事の控除は、どちらか一方を選ぶことになる
引き渡しのあとで気づいても、証明も申請もしていなければ、家を買ったときのローンでは控除を受けられないことになります。例えば、昭和53年築の家を買い、引き渡しのあとで耐震工事をして住む予定なら、4つ目の方法が候補になります。その場合は、引き渡しの日までに申請を済ませられるよう、建築士への依頼を早めに進めます。
この方法で受ける控除は「その他の住宅」の扱いで、期間は10年間、毎年の控除は年末残高の0.7%(上限14万円)です。
同じ耐震基準適合証明書は、登記にかかる税金や不動産取得税の軽減でも使われる場面があります。どの方法で、どの制度を使うのが合うかは、晃南土地が税理士などの専門家と連携して、一緒に整理します。制度の全体像は『住宅ローン控除で柏の住まいはどれだけ戻る?|2026年の制度と使い方』にまとめています。
買う前に、どんな順番で確かめる?
「気に入った家が見つかったら、何から動けばいいの?」
旧耐震の家を買うときは、「調べる時間」を先に確保することが大切です。次の順番で進めると、慌てずに済みます。
1. 資料で、建築確認の日と登記の建築の日を確かめる
2. 申し込みの段階で、「建物を調べてから決めたい」と伝える
3. 売主の了解を得て、建物状況調査と耐震診断で、傷みと強さを知る
4. 補強と内装の工事をまとめて見積もり、総額を出す
5. 住宅ローンの事前審査を受け、控除をどの方法で受けるかを決める
6. 売買契約を結び、要耐震改修住宅の方法なら、引き渡しの日までに耐震改修の申請を済ませる
7. 工事を終えて証明を受け、取得から6か月以内に住み始める
人気のある物件では、申し込みから契約までの期間が短いこともあります。診断や証明の段取りには日数がかかるため、最初に希望を伝えておくことが、何よりの備えになります。
物件を決めるまでに、次の項目を確かめておくと安心です。
□ 建築確認の日と、登記の建築の日を書類で見た
□ 確認済証・検査済証・図面があるか、売主に聞いた
□ 過去の耐震診断や補強工事の記録があるか聞いた
□ 増築の有無と、建ぺい率(敷地に建てられる建物の割合)を超えていないかを調べた
□ 前の道路の幅と、敷地が道路に接する長さを確認した
□ 屋根の材料が重い瓦か、軽い屋根材かを見た
□ 浸水や地盤のことを、ハザードマップで調べた
□ 耐震工事と内装の工事を、一緒に見積もってもらった
□ 住宅ローン控除を受けるための証明や申請の段取りを、引き渡しの前に決めた
増築や建ぺい率の項目は、柏市の耐震改修の補助を使えるかにも関わります。補助は、建ぺい率や道路に接する長さなどの決まりに違反していない家が対象だからです。道路の条件は、将来建て替えられるかどうかにも影響します。
立地のことは、『柏のハザードマップと地盤2026|液状化・浸水リスクと安全なエリアの見極め方』が参考になります。
「まずは資料だけ見てほしい」という方は、物件の資料をスマホで撮って送っていただくだけでも構いません。離れて暮らすお子さまに代わりに連絡してもらう形でも、晃南土地のLINEで売買部に相談するからお気軽にどうぞ。
住み続けるなら、直す・建て替える・住み替えるをどう比べる?
「この家にずっと住むつもりだけど、直すお金をかけてもいいのかな」
長く住んできた旧耐震の自宅には、主に3つの道があります。どれが正解ということはなく、これからの暮らし方とお金のバランスで選びます。
| 道 | 良いところ | 気になるところ |
|---|---|---|
| 耐震工事をして住み続ける | 建て替えより工期が短く、費用も少なく済みやすい。住みながら工事できることもある | 断熱や水回りなど、ほかの古さは別に残る |
| 建て替える | 間取りも性能も、今の基準で新しくできる | 解体と仮住まいがいる。道路の条件によっては建て替えられない土地もある |
| 売って住み替える | 平屋やマンションなど、これからの暮らしに合う家を選べる | 古い家は、建物にほとんど値段がつかないこともある |
耐震工事を選ぶ場合は、税などの優遇も知っておくと役立ちます。
- 所得税:正式には「住宅耐震改修特別控除」といいます。1981年5月31日以前に建った自宅を、2028年12月31日までに今の耐震基準に合うよう直すと受けられます。耐震工事の標準的な費用の10%(250万円分まで)を、所得税から差し引けます。一緒に行うほかのリフォームの分も加えると、控除は最大62.5万円です。補助金を受けた分は、費用から除いて計算します
- 固定資産税:1982年1月1日以前から建っている家で、50万円を超える耐震工事をした場合です。翌年度の固定資産税が、120㎡分まで半分になります(都市計画税は対象外)。工事を終えてから3か月以内に、市への申告が必要です。バリアフリーや省エネの工事の減額とは、重ねて受けられません
- 地震保険:診断や工事で、1981年6月からの耐震基準を満たすと分かった家は、「耐震診断割引」の対象です。保険料が10%割り引かれます
工事のお金の借り方では、住宅金融支援機構の「リフォーム融資【高齢者向け返済特例】」もあります。満60歳以上の方が耐震工事を含むリフォームをするとき、毎月の返済を利息だけにできる借り方です。元金は、借りた方が全員亡くなったときに、相続人が家と土地の売却や手元の資金などで、まとめて返します。総返済額は通常の返し方より多くなるため、ご家族とよく話してから考えたい方法です。
例えば、子どもたちが独立して、2階はほとんど使っていないとします。それなら、1階で暮らしが完結する間取りに見直し、あわせて補強をする考え方もあります。反対に、車を手放す予定があるなら、駅に近い家への住み替えも候補になります。
どの道を選ぶにしても、将来この家を受け継ぐかもしれないお子さまにも、早めに話に入ってもらうと安心です。直す・売るの考えが、あとで食い違いにくくなります。
住み替えの段取りは『子の独立後、柏で老後の住み替え・実家じまいの段取り』で紹介しています。今の家の値段を知ったうえで比べたい方は、晃南土地の不動産売却・買取りのサービスを見るからご覧いただけます。階段のない平屋に移る道は、『柏で中古の平屋を探す方へ|買ってリノベする費用と注意点』が参考になります。
今日からできる3つのこと
旧耐震の家のことは、一度に全部を決めようとしなくて構いません。調べる順番を知っておくと迷わずに済むので、今日からできることを3つにまとめました。
1. 家の書類を一か所に集める:確認済証、検査済証、図面、登記事項証明書です。買う方は、売主に「あるかどうか」を聞いてみてください
2. 自分でできる耐震チェックをしてみる:日本建築防災協会の「誰でもできる わが家の耐震診断」は、国土交通省住宅局の監修です。家の弱いところの見当をつけられます。あわせて、寝室の家具の固定も見直しておきたいところです
3. 家族で「どこまで直すか」を話しておく:予算の上限と、あと何年住むつもりかを決めておくと、診断のあとの判断が早くなります
晃南土地は、2026年12月に柏駅から徒歩6分の柏市中央町に柏支店を開業する予定です。開業までは、我孫子店で来店のご相談をお受けしています。書類を広げて、顔を合わせて話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約からご予約ください。柏支店の場所は、晃南土地 柏支店のページでご覧いただけます。
よくある質問
Q. 何から始めればいいですか?
A. まずは家の書類で、建築確認の日と登記の建築の日を調べるところから始めます。日付が分かると、旧耐震かどうか、どの制度が関わるかが見えてきます。書類が見当たらないときは、売主やご家族に保管場所を聞くところからで大丈夫です。
Q. 耐震診断は、買う前でも受けられますか?
A. はい、売主の了解と日程の調整ができれば、受けられることがあります。ただし柏市の診断の補助は、持ち主が申し込む制度です。そのため、買う側が買う前に頼む診断は、費用を自分で払うことになります。
Q. 耐震工事は、住みながらでもできますか?
A. はい、工事の内容によっては住みながら進められます。国土交通省も、家の外側から壁や基礎を補強するなど、住みながら一部ずつ進められるケースがあると案内しています。ただ、床や壁を大きく開ける工事では、一時的に部屋を移ったり、仮住まいをしたりすることもあります。
Q. 子どもに「古い家はやめたら」と言われました。どう考えればいいですか?
A. まずは耐震診断の結果を、ご家族と一緒に見ることから始めるのがおすすめです。築年だけで話し合うと、どうしても気持ちの話になりがちです。評点や工事の見積もりという同じ数字を前にすると、直すか、別の家にするかを落ち着いて比べられます。離れて暮らしていても、結果の写しを共有すれば、同じ情報をもとに話し合えます。
Q. 柏市の耐震の補助金は、いくらもらえますか?
A. 2026年度の耐震診断の補助は、診断の費用の5分の4で、上限は8万円です。耐震改修の補助は、設計・工事監理・工事の費用の合計の5分の4で、上限は115万円です。ただし改修の補助は予定の件数に達し、2026年10月18日時点で受付を止めていました。金額や受付は年度ごとに変わるため、申し込む前に柏市の公式ページで最新の内容をご確認ください。
まとめ
柏で旧耐震の一戸建てを考えるときのポイントを、もう一度まとめます。
- 柏市の推計では、1980年以前の一戸建ての4割ほどに耐震性があり、築年だけでは決められない
- 分かれ目は1981年6月と2000年6月で、日付は建築確認・着工・登記の3つを見分ける
- 公的な資料の目安は、耐震診断が10万〜20万円程度、耐震工事が200万円前後
- 旧耐震の家で住宅ローン控除を受けるには、引き渡しの前に証明や申請の段取りがいる
- 住み続けるなら、所得税・固定資産税・地震保険の優遇もあわせて調べる
古い家には、駅に近い立地や広い庭など、今では手に入りにくい良さを持つものもあります。強さを知って必要なところを直せば、その良さを長く生かせるので、焦らず一つずつ進めていきましょう。
「自分の家の場合はどうなるだろう」と思ったら、次のどれかから気軽にどうぞ。
物件や自宅の状況を文章で伝えたい方は、柏の旧耐震の一戸建てについて「晃南土地」に問い合わせるからご連絡ください。
書類を見ながら、顔を合わせて話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約からご予約いただけます。
お子さまと一緒にスマホでやり取りしたい方は、晃南土地のLINEで売買部に相談するから、お気軽にどうぞ。
「まだ考え始めたところ」と添えていただければ、営業ではなく、書類と進め方の整理のお手伝いとして対応します。
企画構成・文/晃南土地 編集部
千葉県我孫子市を拠点に、1991年から地域の不動産に携わる晃南土地株式会社の編集部です。売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がける立場から、柏・我孫子エリアの住まいと不動産の情報を、分かりやすくお届けします。
参考にした公的データ・情報
「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント/国土交通省
新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表について/国土交通省
令和8年熊本地震による木造建築物の被害調査報告(速報)/国土技術政策総合研究所・建築研究所
建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し/国土交通省
No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)/国税庁
No.1211-5 要耐震改修住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)/国税庁
No.1222 耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)/国税庁