2026.10.18

柏市の市街化調整区域で土地を探す方へ|家を建てられる条件と確認の手順

柏市の売地を不動産サイトで眺めていると、同じくらいの広さなのに、価格がぐっと低い土地に出会うことがあります。物件の概要を開くと、都市計画の欄に「市街化調整区域」の文字。「この価格なら、庭の広い家が建てられるかもしれない」「でも、調整区域には家が建たないと聞いたことがある」。期待と不安が入りまじったまま、画面を閉じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

千葉県柏市の市街化調整区域で、どんな土地なら家を建てられるのか。買う土地と、親から引き継いだ土地とでは、使える基準も変わります。その条件と確かめる順番を、晃南土地 編集部が柏市の基準をもとに整理しました。晃南土地は、千葉県我孫子市に本社を置く不動産会社です。1991年の設立以来、売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がけてきました。

この記事で分かるのは、次の3つです。

  • 柏市の調整区域で家を建てられる主なケースと、買った人・引き継いだ人が使える基準の違い
  • 「既存宅地」の売地や中古住宅の建て替え、資材置き場として使うときの決まり
  • 柏市の基準の調べ方と、契約の前に確かめる順番

建てられるかどうかは、最後は土地ごとの資料と市の判断で決まります。気になる売地の資料を手元に、個別の条件を一緒に確かめたい方は、お気軽にご連絡ください。柏市の調整区域の土地探しについて「晃南土地」に問い合わせる

柏市の市街化調整区域で、家は建てられる?

この章の要点

  • 原則は建てられないが、柏市の基準に当てはまれば、許可を受けて建てられる
  • 確かめるのは「どの土地か」「誰が建てるか」「何を建てるか」の3つ
  • 柏市では、都市計画区域の半分強が市街化調整区域にあたる

結論から言うと、柏市の市街化調整区域でも、家を建てられる土地はあります。ただし、それは法律と柏市の基準が認める例外に当てはまる場合に限られます。

市街化調整区域は、都市計画法で「市街化を抑制すべき区域」とされた区域です(第7条)。この区域では、建物を建てるための造成も、建物の建築そのものも、原則として制限されます。例外に当てはまるときに、開発許可(第29条)や建築の許可(第43条)を受けて建てる、という組み立てです。柏市は中核市のため、これらの許可は柏市長が出します。

柏市では、調整区域は特別な場所ではありません。市の資料による令和3年3月末時点の面積は次のとおりで、半分強を調整区域が占めています。

区分面積
市街化区域5,484ヘクタール
市街化調整区域6,006ヘクタール
合計(柏都市計画区域)11,490ヘクタール

駅から離れた集落や、田畑の広がる地域には、調整区域が広く残っています。区域を分けた日(いわゆる線引き)は、1970年(昭和45年)7月31日です。この日付が、あとで出てくる多くの基準で「線引き前から」を判断する基準日になります。

建てられるかどうかは、次の3つの問いで整理すると見通しが立ちます。

問い確かめる中身例
どの土地か線引き前から宅地か、建物の集まる集落の中か、農地か1970年7月31日より前から宅地の土地
誰が建てるか土地を買った人でもよいか、本家の親族などに限られるか分家住宅は本家の親族に限られる
何を建てるか自分が住む一戸の住宅か、貸家・店舗・倉庫か住宅の基準の多くは、自分が住む住宅に限る

売地の広告にも、建てられるかどうかの手がかりがあります。不動産の広告のルール(不動産の表示に関する公正競争規約の施行規則)に、調整区域の定めがあるためです。調整区域の土地は、区域名とあわせて「宅地の造成及び建物の建築はできません」と表示するのが原則です。開発許可を受けた土地など例外に当たるときは、住宅などを建てるための条件を表示します(同規則第7条第6号)。

たとえば、同じ集落の売地が2つ並んでいたとします。一方には「建築はできません」とあり、もう一方には建てられる人や建物の条件が書かれている。価格の差は、この表示の差から来ていることがあります。

柏市で家を建てられる主なケースを一覧で比べる

この章の要点

  • 柏市の基準は、主に市の条例(柏市開発行為等許可基準条例)と開発審査会の基準で決まる
  • 土地を買った人が使える基準と、親族などに限られる基準がある
  • 柏市には、条例で区域を決めて広く建築を認める仕組み(第34条第11号の区域)がない

柏市で調整区域に家を建てる道は、大きく8つに分けられます。下の表は、柏市の資料から住宅に関わるものを抜き出したものです。

ケース主な条件土地を買った人が使えるか主な規模
線引き前からの家・許可を得た家の建て替え同じ敷地・同じ用途使える(分家住宅などは除く)延床面積1.5倍以内は証明、原則2倍まで
線引き前から宅地だった土地既存集落の中にあること。旧沼南町の区域は市街化区域から1.1km以内使える(自分が住む専用住宅)敷地200㎡以上、建ぺい率50パーセント・容積率100パーセント
線引き前に造成された分譲地当時の区画のまま。給排水・電気が整っていること使える(自分が住む一戸建て)2階建て・高さ10m以内
分家住宅本家の親族、2年以上の同居、結婚などの理由使えない敷地500㎡以下
既存集落内の自己用住宅線引き前から本人か親族が所有(相続を含む)使えない敷地500㎡以下
特定既存集落(布瀬・手賀・片山)敷地の間が75m以内で、40以上の建物が連なる使える場合がある(申請者の条件は個別に確認)敷地300〜500㎡、建ぺい率30パーセント・容積率50パーセント
地区計画・優良田園住宅(手賀・狸穴地区など)地区計画などの内容に合うこと使える場合がある地区計画の例では敷地300㎡以上、建ぺい率30パーセント・容積率50パーセント
農家住宅10アール以上の農地を年60日以上耕作するなど農業を営む人に限る2階建て・高さ10m以下

※柏市の申請要件の資料と「柏市開発行為等審査基準」(令和8年4月改正)をもとに作成。

表で大切なのは3列目で、分家住宅や既存集落内の自己用住宅は、許可が「その人の事情」に対して出る仕組みです。そのため、土地だけを買っても、買った人はこの基準を使えません。土地を探す立場で現実的なのは、建て替え、線引き前からの宅地、線引き前の分譲地、手賀・布瀬・片山の基準などです。

一方、親から引き継いだ土地に自宅を建てたい方は、候補になる基準が増えます。親などが線引き前から持っていた土地を相続したなら、既存集落内の自己用住宅の基準が使えることがあります。本家が農家などの場合は、分家住宅の基準も候補です。どちらも、自分の家を持っていないことなど、本人の事情が条件になります。

法律の各号に当たらない計画でも、開発審査会の議を経て許可される道があります(第34条第14号)。柏市は審査会にかける基準を25項目に整理しています。その一部は、要件をすべて満たせば審査会の議を経たものとして扱う「包括承認」の対象です。

柏市の基準そのものは、市の公式ページで公開されている次の資料で確かめられます。

資料分かること
市街化調整区域内の開発・建築行為等について/柏市よくある申請要件のPDF(分家・既存集落・建て替え・既造成地など)
柏市開発行為等審査基準(令和8年4月1日一部改正)/柏市第34条の各号の運用と、条例の基準の細かな解釈
開発審査会の提案基準一覧(審査基準の中)審査会にかける25の基準と、包括承認の対象
都市計画図・柏市公開型GIS市街化区域と調整区域の境目、用途地域

よくある場面として、同じ集落の隣り合う土地で、成り立ちが違うことがあります。一方は線引き前から宅地で、もう一方は線引きのあとに畑から宅地にした土地、という具合です。見た目は同じ空き地でも、使える基準が変わり、建てられる人も変わってきます。

「既存宅地」の売地は、いまも家を建てられるのか

この章の要点

  • 都市計画法の「既存宅地」の確認制度は2000年の法改正で廃止され、5年の経過措置も終わった
  • 柏市には、線引き前から宅地だった土地に、自分が住む専用住宅を建てる基準がある
  • 決め手は、線引き前から宅地だったことを資料で示せるかどうか

売地の広告で「既存宅地」という言葉を見かけることがあります。かつては、線引き前から宅地で一定の条件を満たす土地を知事が確認し、許可なしで建てられる制度がありました。改正前の都市計画法第43条第1項第6号ロによる「既存宅地の確認」です。

この制度は、2000年の都市計画法の改正(平成12年法律第73号)で廃止されました。改正法は2001年5月に施行され、確認済みの土地も施行日から5年で経過措置が終わりました(同法附則第6条)。いまの広告では、「線引き前から宅地だった土地」という意味でこの言葉が使われることがあります。「既存宅地」とあるだけで、誰でも家を建てられると考えるのは早計です。

柏市では、線引き前から宅地だった土地について、市の条例に次の基準があります(柏市開発行為等許可基準条例第5条第8号)。

線引き前から宅地だった土地に住宅を建てる基準(柏市)

  • 線引きの日(1970年7月31日)より前から宅地であること
  • 旧柏市の区域は、調整区域の全域が対象(当分の間)
  • 旧沼南町の区域は、土地の全部が市街化区域(工業専用地域などを除く)から1.1km以内にあること
  • 建物が連なる既存集落の中にあること(半径150m以内に40以上の建物など)
  • 土砂災害警戒区域、想定浸水深3m以上の区域、農用地区域(市の計画で農地として守る区域)などを原則として含まない
  • 建てられるのは、自分が住む専用住宅だけ(建売住宅は不可)
  • 敷地は200㎡以上(分けずに使う場合は除く)
  • 2階建て以下、建ぺい率50パーセント・容積率100パーセント、高さ10m以内

旧柏市・旧沼南町は、2005年3月の合併の前の区域を指します。旧沼南町の1.1kmの範囲は、市が備える「指定地域図」で示されています。

このほか、柏市の開発審査会の基準にも、線引き前から宅地だった土地の基準があります(提案基準17)。給排水や電気が整っていること、自分が住む一戸の専用住宅であることが条件で、この基準も包括承認の対象とされています。

どちらの基準でも、要になるのは「線引き前から宅地だった」ことの証明です。柏市の審査基準では、次のいずれかで確かめるとしています。

証明のしかた確かめる中身
土地の登記事項証明書(全部事項証明書)線引きの日の時点で、地目がすでに宅地だったか。原因日ではなく「登記の日付」で判断する
固定資産課税台帳の記載事項証明など線引き前からの建物がいまもある(またはあった)ことと、いまも宅地として課税されていることの両方
住民票線引き前から今まで、その土地に住み続けているか。線引き時点の航空写真や住宅地図でも確かめる

仮の数字で、線引き前から宅地だった420㎡の土地を、2区画に分けて売り出す場合を考えます。1区画210㎡なら200㎡以上を満たしますが、3区画140㎡ずつでは満たしません。分けて買う場合は、区画の面積が下限を割っていないかを見ます。

よくある場面として、地目は宅地なのに、登記の日付が線引きの日よりあと、というケースがあります。この場合は登記だけでは証明にならず、課税台帳や航空写真など、ほかの資料で確かめることになります。

中古住宅を買って建て替えられるか

この章の要点

  • 線引き前からある家か、許可を得て建てた家なら、同じ敷地・同じ用途で建て替えられる
  • 延床面積が今の1.5倍以内なら許可は要らず、市の証明で足りる(上限は原則2倍まで)
  • 証明や許可を受ける前に、今の家を取り壊さない

調整区域の中古住宅を買うとき、価格と同じくらい大事なのが「将来、建て替えられるか」です。柏市の資料では、建て替えの対象を「既存適法建築物」としています。線引き前からある建物か、線引きのあとに都市計画法などの許可を得て建てた建物のことで、違反建築物は含まれません。

建て替えの手続きは、計画の中身によって3つに分かれます。

計画手続き費用
同じ敷地で、延床面積が今の1.5倍以内都市計画法施行規則第60条にもとづく証明(許可は不要)証明は無料
専用住宅で、延床面積が今の1.5倍を超える第43条の許可申請手数料がかかる
上の2つに当たらないもの開発審査会に諮る許可申請手数料がかかる

手続きの種類にかかわらず、建て替えには次の条件がかかります。

  • 敷地:従前の建物の敷地の範囲で行い、今の敷地を広げることは原則としてできない
  • 用途:従前と同じ用途に限られ、別の用途の建物にするには別の許可が要る
  • 規模:従前と比べて過大でないことが条件で、延床面積は原則として2倍まで
  • 現地確認:申請のあと市の担当者が現地を確かめるため、証明や許可の前に今の家を取り壊さない

仮の数字で計算すると、今の家の延床面積が90㎡なら、1.5倍の135㎡までは証明で建て替えられます。135㎡を超える計画は許可の対象になり、上限は原則として2倍の180㎡です。建ぺい率や容積率などほかの制限もかかるため、実際の面積はもっと小さくなることもあります。

建て替えの可否は、「その家が適法に建った経緯」を書類で示せるかにかかっています。柏市の資料では、次のような書類で確かめるとしています。

□ 建築確認通知書(建築計画概要書の写しや建築確認証明書でも可)
□ 建物と土地の登記事項証明書と、閉鎖登記簿(いまは使われていない古い登記の記録)の写し
□ 固定資産課税台帳の記載事項証明書(建物がいつから課税されているか)
□ 線引きの日より前に撮られた航空写真
□ 許可を得て建てた家なら、その許可書と検査済証などの書類

よくある場面は、築年数の古い家で、建築確認通知書が見つからないケースです。その場合も、閉鎖登記簿や課税台帳、航空写真で線引き前からあったと示せれば、道が開けることがあります。買う前に売主から書類を受け取り、どの資料がそろうかを確かめておくと安心です。

分家住宅などを買うときに確かめること

この章の要点

  • 分家住宅などは、許可が「建てた人の事情」に結びついている
  • 買った人が建て替えることは原則できず、住むにも用途を変える許可が要る
  • 柏市の基準では、用途変更は建築後10年以上などが条件で、事情や居住の実態も確かめられる

調整区域の中古住宅には、分家住宅のように、特定の人の事情で許可された家があります。許可がその人の事情に結びついている性質を、属人性と呼びます。柏市の分家住宅の要件には「第三者による建替え等はできません」と明記され、既存集落内の自己用住宅も同じ扱いです。

建て替えの基準でも、属人性のある家の建て替えは、新築した本人か、後を継ぐ相続人が住む場合に限られます。では、買った人がその家に住むことはできるのでしょうか。柏市の開発審査会の基準には、用途の変更を伴う場合の基準があります(提案基準6)。

項目柏市の基準の内容
対象の建物分家住宅・自己用住宅・農家住宅などで、建築後10年以上たったもの(死亡・破産など、やむを得ない事情なら10年未満も可)
予定の建物一戸の自己居住用の専用住宅
申請する人その家に住んでいる人か、これから自分が住もうとする人
敷地原則として今の敷地のまま
確かめられること10年以上たっていても、住み続けられない合理的な理由と、居住の実態

この基準も包括承認の対象ですが、売主側の事情や居住の実態まで確かめられるため、結果は個別の審査によります。契約の前に、許可の見込みを確かめておくことが欠かせません。

属人性があるかどうかは、建物の許可書に書かれた根拠の条文と、建物の名称(分家住宅・自己用住宅など)で見分けます。許可書が手元にない場合は、登記や課税台帳の記載から経緯をたどることになります。

よくある場面として、手ごろな中古住宅の許可書を取り寄せると、建物の名称が「分家住宅」となっていることがあります。この場合は、建て替えより先に、買って住めるかどうかから確かめることになります。

一方、親が農家などで、子が実家の近くに家を建てたい場合は、分家住宅の基準が使えることがあります。柏市の分家住宅の要件のうち、主なものは次のとおりです。

  • 本家は、農業を営む世帯か、線引き前から調整区域に住み続けている世帯に限られる
  • 本家と2年以上同居していた親族(原則として直系の血族)であること
  • 結婚による分家など、分家する合理的な理由があること
  • 申請する人が自分の住宅を持たず、本家も市街化区域に建てられる土地を持っていないこと
  • 土地は線引き前から本家が所有していたもので、既存の集落かその周辺にあること
  • 敷地は500㎡以下で、建物は2階建て・高さ10m以下であること

属人性のある家は、書類の読み解き方で結論が大きく変わります。許可書や登記の写しを見ながら、買ってよいかを一緒に整理したい方はご相談ください。柏市の調整区域の中古住宅について「晃南土地」に相談する

手賀・布瀬・片山の決まりと、調整区域の地区計画

この章の要点

  • 布瀬・手賀・片山の3つの大字には、集落を保つための専用の基準がある
  • 敷地300〜500㎡、建ぺい率30パーセント・容積率50パーセントなど、ゆとりを前提にした数字
  • 調整区域の地区計画のうち、住宅を目的にした型は優良田園住宅を生かす型

柏市の東部、手賀沼に近い布瀬・手賀・片山には、ほかの地域とは別の基準があります。集落の維持のために市長が指定した「特定既存集落」です(柏市開発行為等許可基準条例第5条第6号)。

項目特定既存集落の基準
区域大字 布瀬・手賀・片山で、敷地の間が75m以内で40以上の建物が連なる地域
建てられる建物専用住宅
敷地面積300㎡以上500㎡以下
建ぺい率・容積率30パーセント・50パーセント(角地の緩和は使えない)
高さ・階数10m以内・2階建てまで
外壁の後退道路境界線から2m以上、隣地境界線から1m以上
そのほか垣・柵は原則生垣、敷地の緑化20パーセント以上、景観計画の色彩に合わせる
含まない区域手賀沼に面する斜面林、土砂災害警戒区域、想定浸水深3m以上の区域、農用地区域など

仮の数字で計算すると、敷地が300㎡なら、建築面積は90㎡、延床面積は150㎡までです。2階建てなら、1階90㎡・2階60㎡のような組み合わせになります。敷地500㎡なら建築面積は150㎡まで広がり、平屋で150㎡の住まいも計画に入ります。広い敷地に、ゆったりした低い建物を建てる前提の数字だと考えると分かりやすいでしょう。

この3地区では、優良田園住宅(自然の豊かな地域に、ゆとりある敷地で建てる一戸建て)も許可の対象です。優良田園住宅の建設の促進に関する法律にもとづき、市の認定を受けた計画であることが条件です。

調整区域でも、地区計画の内容に合う開発は許可の対象になります(都市計画法第34条第10号)。地区計画は、地区ごとに建物の用途や敷地の広さなどを決める都市計画です。柏市は2024年3月に「市街化調整区域における地区計画運用基準」を定め、次の5つの類型を示しました。

類型位置・規模の条件主な用途
優良田園住宅制度活用型布瀬・手賀・片山。おおむね2ha以上一戸建ての住宅、集会所
工場跡地開発誘導型工場跡地。5ha以上文教・業務・レクリエーション
既存工業団地開発誘導型既存の工業団地。1ha以上製造業・加工業
柏インターチェンジ周辺開発誘導型柏インターチェンジ周辺。原則20ha以上産業系
幹線道路沿線産業振興型国道16号沿線。原則20ha以上産業系

すでに定められた住宅向けの地区計画に、「手賀・狸穴地区地区計画」(2016年3月15日告示、約2.2ha)があります。容積率50パーセント・建ぺい率30パーセント、敷地300㎡以上が主な数字です。高さは10m、軒の高さは7mまでで、2階建てまで、緑化率は25パーセント以上とされています。この地区で建てたり土地を分けたりするときは、着手の30日前までに市への届出が要ります(同法第58条の2)。

沼南エリアの土地の広さと価格の目安は、『高柳・大津ヶ丘で家を買う|沼南エリアの土地の広さと価格』で紹介しています。

建ぺい率・容積率は「2つの数字」を見比べる

この章の要点

  • 柏市は、調整区域の建ぺい率・容積率を、全域で60パーセント・200パーセントなどと定めている
  • ただし、許可の基準に別の上限があれば、厳しいほうに合わせる
  • 利根川・手賀沼の河畔の地区は、建ぺい率40パーセント・容積率80パーセントとさらに低い

「250㎡もある土地なら、かなり大きな家が建つはず」。調整区域では、この見込みが外れることがあります。建てられる大きさの上限が、2段構えで決まっているためです。

建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延床面積の割合です。調整区域には用途地域がないため、柏市が建築基準法にもとづいて数字を指定しています(形態規制値)。2004年5月1日から適用されている値は、次のとおりです。

区域容積率建ぺい率道路斜線隣地斜線
調整区域の全域(沼南の区域を含む。下記を除く)200パーセント60パーセント1.520m+1.25
利根川河畔地区80パーセント40パーセント1.2520m+1.25
大堀川河畔地区100パーセント50パーセント1.520m+1.25
手賀沼河畔地区80パーセント40パーセント1.2520m+1.25

間違えやすいのは、この表の数字がそのまま使えるとは限らない点です。許可の基準や地区計画に別の上限があれば、厳しいほうに合わせます。

建てる道許可の基準などの上限
線引き前から宅地だった土地(条例第5条第8号)建ぺい率50パーセント・容積率100パーセント、2階建て・高さ10m以内
特定既存集落(布瀬・手賀・片山)建ぺい率30パーセント・容積率50パーセント、2階建て・高さ10m以内
手賀・狸穴地区地区計画建ぺい率30パーセント・容積率50パーセント、2階建て・高さ10m
線引き前の分譲地、既存集落、分家住宅2階建て・高さ10m以内(敷地の条件は各基準)

開発許可のときに、建ぺい率や高さの制限を個別に定めることもあります(都市計画法第41条)。過去に開発許可を受けた土地では、その許可の内容も見ておきます。

仮の数字で、線引き前から宅地だった250㎡の土地に住宅を建てる場合を考えます。形態規制値だけなら建築面積150㎡・延床面積500㎡ですが、許可の基準では125㎡・250㎡が上限です。2階建てまでなので、1階・2階とも125㎡にすると、延床250㎡が計算上の上限になります。

資材置き場・駐車場として使うときの決まり

この章の要点

  • 建物を建てずに資材を置くだけなら、開発許可の対象にならない場合がある
  • ただし、農地の転用、盛土や土石の堆積、土砂の持ち込みには、別の許可や届出がかかる
  • 管理用の小屋を建てるなら、延べ30㎡以下・原則平屋などの基準がある

調整区域の売地には、「資材置き場向き」として出ている土地もあります。住宅以外の使い方を考えるときは、まず「建物を建てるかどうか」で分けて考えます。

都市計画法の開発行為は、建物などを建てる目的で、土地の区画や形・質を変えることです(第4条第12項)。柏市の審査基準では、高さ50cmを超える切土・盛土や、宅地以外の土地を宅地にすることなどを挙げています。建物を建てずに資材を置くだけなら、開発許可の対象にならない場合があります。ただし、ほかの法律や条例が次のようにかかります。

決まりかかる場面主な内容
農地法(転用の許可)田・畑を資材置き場や駐車場にする調整区域は千葉県知事の許可。申請は原則毎月20日締切、事前の相談は締切の10日以上前。農用地区域と第1種農地(10ha以上のまとまった農地など)は原則として転用できない
宅地造成及び特定盛土等規制法盛土・切土、土石の一時的な堆積柏市は全域が規制区域(2025年5月26日から)。高さ2m超の盛土や、高さ30cm超かつ500㎡超の盛土・切土などは許可の対象。土石の堆積は、高さ2m超かつ300㎡超、または高さ30cm超かつ500㎡超で許可の対象
柏市土砂等埋立て等規制条例外から土砂を運び込んで埋め立てる区域の外から運び込む土砂で、埋め立てる面積が300㎡以上の事業が対象
開発審査会の提案基準管理用の小屋を建てる防犯管理棟として延べ30㎡以下、原則平屋、高さは原則5m以下。原則として既存の駐車場・資材置き場が対象

住宅以外の建物は、近くに住む人のための日用品の店舗(第34条第1号)など、法律が挙げる用途に限られます。倉庫や事務所を建てる前提の土地探しは、計画の段階で許可の見込みを確かめておきます。

資材置き場の売地を買うときは、次の点を確かめます。

□ 地目と現況を確かめ、田・畑なら転用の許可を受けた土地かを見る
□ 転用の許可を受けているなら、許可の目的が資材置き場なのか、ほかの用途なのか
□ 資材・土砂・廃棄物が残っていないか、撤去が引き渡しの条件に入っているか
□ 前面の道路の幅は足りるか、大型の車両が出入りできるか
□ 将来、倉庫や事務所を建てたいか(調整区域では原則として建てられない)

柏市は、土地の持ち主に向けて注意を呼びかけています。「使っていない土地を資材置場として貸してほしい」と持ちかけられ、産業廃棄物を積まれる事例があるためです。不適正な堆積と知りながら貸すと、土地の持ち主も措置命令の対象になるとされています。買った土地を人に貸す場合も、借り手の使い方まで確かめておくことが大切です。

住宅ローンは組める? 借りる前に確かめること

この章の要点

  • フラット35は、適合証明書が出て第1順位の抵当権を設定できれば、調整区域でも対象になる
  • 民間の住宅ローンの扱いは、金融機関ごとに異なる
  • 許可が下りなかったときの扱いを、売買契約で決めておく

「調整区域の土地は、住宅ローンが通りにくい」と耳にすることがあります。実際には、どのローンを使うかと、建てる根拠を資料で示せるかで見通しが変わります。

住宅金融支援機構は、調整区域の敷地について、条件付きで借入れの対象になると答えています。条件は、適合証明書が発行され、機構のために第1順位の抵当権を設定できることです。適合証明書は、機構の技術基準に合うことを、検査機関などが証明する書類です。

民間の住宅ローンは、調整区域の土地の扱いが金融機関ごとに異なります。審査では、許可の見込みや、建物が適法に建つことを示す資料が判断の材料になることがあります。調整区域の土地は取引が少なく、担保としての評価が控えめに見られることもあります。

借りる前に、次の点を金融機関に伝えておくと、話が早く進みます。

  • 土地が市街化調整区域にあることと、その土地の地目
  • 建てる根拠になる基準(建て替えの証明か、線引き前からの宅地の許可かなど)
  • 許可がまだなら、申請の予定と、許可が出る見込みの時期

許可が要る土地では、許可が下りる前に売買契約を結ぶ場面があります。そのときは、許可が得られなかった場合に契約をどう扱うかを、契約書で決めておきます。期限までに許可が得られなければ契約を白紙に戻せる特約は、一つの方法です。住宅ローンが承認されなかったときの扱い(ローン特約)とあわせて、確かめておきましょう。登記や税金の判断が要る場面は、税理士などの専門家と連携してお手伝いします。

借入れの全体の考え方は、『柏で住宅ローンを組むなら|金利比較・審査のポイントと相談先の選び方』で整理しています。

「この土地でローンが組めそうか、まず感触だけ知りたい」という段階でも構いません。スマートフォンから気軽にやり取りしたい方のために、売買部とつながるLINEを用意しています。土地の所在地と気になる点を、晃南土地のLINEで売買部に相談するからお送りください。

土地を買う前の確認の手順とチェックリスト

この章の要点

  • 区域、土地の経緯、建てる人と建物、許可の見込み、ローンと契約の順に確かめる
  • 許可の前の確認には、案内図・公図・登記事項証明書・建築確認通知書などをそろえておく
  • 開発許可を受けた土地は、許可の内容を窓口で閲覧して確かめる

調整区域の土地は確かめる順番を間違えると、契約のあとで「建てられない」と分かることもあるため、次の順に進めます。

1. 区域を確かめる:柏市公開型GISや都市計画図で市街化区域か調整区域かを見て、境目にかかる土地は図面だけで決めない
2. 広告の表示を読む:「建築はできません」の表示なのか、建てるための条件が書かれているのかを見る
3. 土地の経緯を集める:登記事項証明書(閉鎖登記簿を含む)、公図、固定資産の証明、線引き前の航空写真をそろえる
4. 建物の経緯を集める:建築確認通知書・許可書・検査済証を確かめ、分家住宅などの名称がないかを見る
5. 開発許可の有無を見る:許可を受けた区域なら、許可の内容を記した開発登録簿(都市計画法第47条)で建物の用途を見る
6. 外れる区域を見る:土砂災害警戒区域、想定浸水深3m以上の区域、農用地区域にかからないかを確かめる
7. 許可の見込みを確かめる:資料をそろえて市で確認し、許可と証明のどちらの手続きになるかも確かめる
8. ローンと契約を組み立てる:金融機関に区域と根拠を伝え、許可やローンが得られないときの特約を決める

柏市の公式ページでは、確認の際に案内図や公図の写し、登記事項証明書、建築確認通知書などがあると円滑だとしています。個人の財産に関わる内容が多いため、原則として窓口で確かめる形をとっています。開発許可を受けた土地の調べものも、閲覧の規則により窓口で行う決まりです。

水害の想定は『柏で家を買う前に見ておきたいこと|水害リスクを物件ごとに確かめる手順』で紹介しています。購入全体の流れは、『柏で土地を買って注文住宅を建てる|土地探しから引渡しまでの流れ』をご覧ください。

契約の前に、次の5つを確かめておくと安心です。

□ どの基準で建てるのかを、根拠の資料とともに言葉で説明できる
□ その基準を、土地を買った自分が使えることを確かめた
□ 敷地面積・建ぺい率・容積率・階数の上限の中に、希望の家が収まる
□ 許可が得られなかったときに、契約をどう扱うかを決めた
□ 金融機関に、土地の区域と許可の見込みを伝えてある

区画整理地と比べるなら、『柏で分譲地・区画整理地を探す方へ|保留地・仮換地・建築条件の基本』も参考になります。調整区域の土地を売る側の方は、『相続した土地が市街化調整区域だったら|柏での売り方と使い方』をご覧ください。

よくある質問

Q. 調整区域の売地は、何から確かめればいいですか?

A. まず、その土地が「どの基準で家を建てられるのか」を確かめます。広告に「建築はできません」とあるか、建てるための条件が書かれているかが最初の手がかりです。そのうえで、線引きの日(1970年7月31日)より前から宅地だったかを、登記などでたどります。建物があれば、許可を得て建った経緯も許可書で確かめます。

Q. 「既存宅地」と書いてあれば、誰でも家を建てられますか?

A. いいえ、「既存宅地」という言葉だけでは、家を建てられるかは判断できません。都市計画法の既存宅地の確認制度は、2000年の法改正で廃止されています。柏市には、線引き前から宅地だった土地に自分が住む専用住宅を建てる基準があります。ただし、既存集落の中にあることや、敷地200㎡以上などの条件もあります。

Q. 調整区域の中古住宅を買って、将来建て替えられますか?

A. はい、線引き前からある家や、許可を得て建てた家なら、同じ敷地・同じ用途で建て替えることができます。延床面積が今の1.5倍以内なら許可は要らず、市の証明で足ります。ただし、分家住宅など特定の人に許可された家は、買った人による建て替えが原則として認められていません。

Q. 調整区域の土地でも、住宅ローンは組めますか?

A. 組める場合があります。フラット35は、適合証明書が発行され、第1順位の抵当権を設定できれば、調整区域でも借入れの対象です。民間の住宅ローンは、金融機関ごとに扱いが異なります。どの基準で建てるのかと許可の見込みを伝え、早めに確かめておくと安心です。

Q. 資材置き場として使うだけなら、許可はいりませんか?

A. 建物を建てないなら、開発許可の対象にならない場合があります。ただし、田や畑なら農地法の転用の許可が、土石を高く広く積むなら盛土規制法の許可が要ります。柏市は全域が規制区域で、高さ2m超かつ300㎡超などの堆積が許可の対象です。

まとめ

柏市の市街化調整区域で家を建てる条件と、確かめる順番を整理しました。

  • 調整区域は原則として建てられないが、柏市の条例と開発審査会の基準に当てはまれば、許可を受けて建てられる
  • 土地を買った人が使えるのは、建て替え、線引き前からの宅地、線引き前の分譲地、手賀・布瀬・片山の基準など
  • 親から引き継いだ土地なら、既存集落内の自己用住宅や分家住宅の基準も候補になる
  • 分家住宅などは属人性があり、買った人の建て替えは原則できず、住むにも用途を変える許可が要る
  • 「既存宅地」の確認制度はすでに廃止され、線引き前から宅地だったことの証明が決め手になる
  • 建ぺい率・容積率は、市の形態規制値と許可の基準の上限のうち、厳しいほうに合わせる
  • 資材置き場は、農地の転用・盛土規制法・土砂の条例をあわせて確かめる
  • ローンは金融機関ごとに扱いが違うため、許可とローンが得られないときの特約を契約で決めておく

最初の一歩は、気になる土地が「どの基準で、誰が、何を建てられるか」を言葉にしてみることです。そこで「自分のケースに当てはめて確かめたい」と感じた方は、ご都合に合わせて次のいずれかからお進みください。

資料を見ながら相談したい方は、柏市の調整区域の土地購入について「晃南土地」に問い合わせるからご連絡ください。

図面を広げて対面で話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用いただけます。

まずは一言だけ聞いてみたい方は、晃南土地のLINEで売買部に相談するからメッセージをお送りください。

なお、晃南土地は2026年12月に、柏駅から徒歩6分の柏市中央町に柏支店を開業する予定です。開業までの来店でのご相談は我孫子店で承っており、柏支店の所在地は「晃南土地」柏支店のページでご覧いただけます。

「まだ土地を探し始めたばかり」と一言添えていただければ、購入を前提にせず、条件の整理からお手伝いします。

企画構成・文/晃南土地 編集部

千葉県我孫子市を拠点に、1991年から地域の不動産に携わる晃南土地株式会社の編集部です。売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がける立場から、柏・我孫子エリアの住まいと不動産の情報を、分かりやすくお届けします。

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