貸主変更通知書の書き方|相続・売却でオーナーが替わったら

柏市や千葉県我孫子市で、親から貸家やアパートを相続した方、あるいは入居者がいる状態で賃貸物件を売ったり買ったりしたオーナーの方へ。

「父のアパートを相続したけれど、入居者の方にはどう知らせればいいのだろう。家賃の振込先も父の口座のままになっている」

オーナーが替わったとき、入居者への知らせ方に迷う方は少なくありません。結論から言うと、貸主が替わったことは、「貸主変更通知書」などの書面で入居者に知らせ、新しい振込先や連絡先をはっきり伝えるのが基本です。そして、売却と相続とでは、貸主が替わる仕組みや、家賃・敷金の扱いが少しずつ異なります。

この記事では、相続や売却で貸主が替わったオーナーの方に向けて、民法が定める「賃貸人の地位の移転」の考え方、敷金の引き継ぎ、相続の場合の家賃の扱い、貸主変更通知書に書く項目と文例、旧貸主と新貸主の連名が望ましい理由、そして振込先変更の詐欺と誤解されないための送り方までを整理します。貸主の変更に伴う入居者対応や家賃の管理を任せられる先を探している方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスもあわせてご覧ください。

貸主変更通知書とは何か

貸主変更通知書は、賃貸物件のオーナー(貸主)が替わったことを、入居者(借主)に知らせるための書面です。「賃貸人変更のお知らせ」「家賃振込先変更のお知らせ」「オーナー変更通知」などと呼ばれることもあります。決まった書式があるわけではありませんが、貸主が替わった事実と、今後の家賃の支払い先・連絡先を入居者に正確に伝えることが目的です。

なぜ書面で知らせるのか

入居者にとって、貸主が替わることは、家賃を誰に払えばよいのかに直結する大切な情報です。知らせがないまま、あるいは口頭だけで伝えた場合、次のような行き違いが起きるおそれがあります。

  • 入居者が、旧貸主の口座に家賃を振り込み続けてしまう
  • 修繕の依頼や退去の連絡を、誰にすればよいか分からなくなる
  • 突然「振込先が変わった」と連絡を受け、詐欺ではないかと不安に感じる
  • 敷金が誰に引き継がれたのか分からず、退去時の精算で揉める

書面で知らせることで、入居者が内容を確認し、手元に残しておくことができます。オーナーの側にとっても、いつ・何を知らせたのかの記録になります。

売却の場合|賃貸人の地位は新しいオーナーに移る

入居者がいる賃貸物件を売却した場合、貸主としての立場がどうなるかは、民法で定められています。

賃貸人の地位は自動的に移転する

民法第605条の2第1項では、賃貸借が対抗要件を備えている場合に、その不動産が譲渡されたときは、賃貸人たる地位は譲受人(買主)に移転するとされています。建物の賃貸借では、借地借家法第31条により、入居者が建物の引き渡しを受けていれば対抗要件を備えることになります。

つまり、入居者が住んでいる状態で物件を売却した場合、原則として、買主が新しい貸主の立場を引き継ぐことになります。入居者と新しく契約を結び直さなくても、これまでの賃貸借契約は、新しいオーナーとの間で続いていくと考えられます。

入居者の承諾は不要とされている

民法第605条の3では、不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人の合意によって譲受人に移転させることができるとされています。貸主の変更に、入居者の同意をもらう必要はないということです。

ただし、承諾が不要であることと、知らせなくてよいことは別の話です。入居者が新しい貸主を知らなければ、家賃の支払いや連絡に支障が出ます。だからこそ、貸主変更通知書で知らせることが大切になります。

登記をしないと入居者に主張できない

民法第605条の2第3項では、賃貸人たる地位の移転は、その不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができないとされています。新しいオーナーが入居者に家賃を請求するには、所有権の移転登記を済ませていることが前提になるということです。

売買では、代金の支払いと同時に所有権の移転登記を行うのが通常の流れです。貸主変更通知書は、登記が済んだ後、あるいは決済の日に合わせて送る段取りにしておくと、入居者との間で行き違いが起きにくくなります。

敷金の返還義務も引き継がれる

民法第605条の2第4項では、賃貸人たる地位が譲受人に移転したときは、敷金の返還に係る債務(民法第622条の2第1項に規定するもの)や、入居者が支出した費用の償還に係る債務は、譲受人が承継するとされています。

つまり、入居者が退去するときに敷金を返す相手は、新しいオーナーになります。実務では、旧オーナーが預かっていた敷金の相当額を、売買代金の精算の中で新しいオーナーに引き継ぐ形がとられることがあります。貸主変更通知書でも、敷金が新しいオーナーに引き継がれたことを明記しておくと、入居者の安心につながります。

決済月の家賃や前払い家賃の扱いを決めておく

売却の場合、決済の日が月の途中になると、その月の家賃を旧オーナーと新オーナーのどちらが受け取るのかが問題になります。実務では、決済の日を境に、その月の家賃を日割りで精算する形がとられることがあります。

また、家賃を「翌月分を前月末までに払う」前払いの契約にしている場合は、決済の時点で、旧オーナーがすでに翌月分の家賃を受け取っていることもあります。こうした家賃の精算方法は、売買契約の段階で取り決めておき、入居者への通知では「〇月分から新しい口座へ」と、入居者から見て迷わない形で案内することが大切です。

相続の場合|相続人が貸主の立場を引き継ぐ

オーナーが亡くなった場合は、売却とは仕組みが異なります。

相続人が権利義務を承継する

民法第896条では、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するとされています。賃貸物件の貸主としての立場も、敷金を返す義務も、相続人に引き継がれます。入居者との契約は、オーナーが亡くなっても終わるわけではなく、相続人との間で続いていきます。

相続人が複数いるときは共有の状態になる

相続人が複数いる場合、民法第898条により、相続財産は遺産分割が終わるまで相続人の共有に属するとされています。誰がその物件を引き継ぐかが決まるまでの間は、相続人全員が共同で貸主の立場にある状態と考えられます。

遺産分割までの家賃は誰のものか

相続人が複数いる場合に悩ましいのが、相続が始まってから遺産分割がまとまるまでの家賃の扱いです。この点について、最高裁判所の平成17年9月8日の判決では、相続開始から遺産分割までの間に共同相続された不動産から生じる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、その帰属は後にされた遺産分割の影響を受けないと判断されています。

民法第909条では、遺産分割は相続開始の時にさかのぼって効力を生じるとされていますが、この判決により、遺産分割までの家賃は、分割の結果にかかわらず、相続分に応じて各相続人に帰属すると考えられています。実務では、相続人の間で話し合い、代表者の口座でいったん家賃を受け取って後で分けるといった形がとられることもあります。どう分けるかは相続人同士の合意が大切になるため、分け方に不安がある場合は、税理士や弁護士などの専門家に確認しながら進めることをおすすめします。相続した物件を兄弟で貸している場合の家賃の分け方は、『相続した物件を「兄弟で」貸している方へ|共有名義の家賃分配、曖昧なままにしていませんか?』で詳しく解説しています。

相続登記の申請も忘れずに

令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。法務省の案内では、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく申請をしなかった場合は10万円以下の過料の対象になるとされています。施行日より前に開始した相続も対象で、令和9年3月31日までに申請が必要とされています(取得を知った日が令和6年4月以降の場合は、その日から3年以内)。

貸主変更通知書を送るだけでなく、名義の整理も並行して進めておきましょう。相続した物件の名義整理の進め方は、『【2026年版】柏の相続した空き家、名義はそのまま?相続登記の義務化と「名義整理」の進め方』も参考になります。

売却と相続の違いを整理する

ここまでの内容を、売却と相続で比べて整理しておきます。

比べる点売却の場合相続の場合
貸主が替わる根拠民法第605条の2・第605条の3民法第896条
入居者の承諾不要とされている不要(相続により承継)
敷金の返還義務新しいオーナーが承継相続人が承継
家賃の請求所有権の移転登記が前提遺産分割までは相続分に応じて各相続人に帰属
通知書の差出人旧貸主と新貸主の連名が望ましい相続人(代表者)の名義、分かれば新しい所有者
変更日の目安決済・所有権移転の日相続開始の日、または遺産分割が確定した日

貸主変更通知書に書く項目

貸主変更通知書に決まった書式はありませんが、入居者が迷わずに済むよう、次の項目を入れておくと安心です。

□ 物件名・部屋番号(どの物件の、どの部屋の契約の話かが分かるように)
□ 旧貸主の氏名(または名称)と、新貸主の氏名(または名称)・住所
□ 貸主が替わる日(変更日)と、変更の理由(売却・相続など)
□ 新しい家賃の振込先(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義)
□ 新しい振込先で支払いを始める月(何月分の家賃から切り替えるか)
□ 管理会社の有無と、管理会社の名称・連絡先(変わる場合は変更後のもの)
□ 敷金が新しい貸主に引き継がれたこと
□ 契約内容(家賃・共益費・契約期間など)はこれまでと変わらないこと
□ 問い合わせ先(新貸主、または管理会社の連絡先)

「契約内容は変わらない」と明記する理由

貸主が替わると、入居者は「家賃が上がるのでは」「契約をやり直さなければいけないのでは」と不安に感じることがあります。売却や相続によって貸主が替わっても、これまでの契約の内容はそのまま引き継がれるのが原則です。そのことを通知書に一文入れておくだけで、入居者の不安をやわらげることができます。

切り替えの時期をはっきり書く

家賃の振込先を切り替える時期があいまいだと、入居者がどちらの口座に振り込めばよいか迷ってしまいます。「〇年〇月分(〇月〇日お支払い分)の家賃から、下記口座にお振り込みください」のように、具体的な月と日付で書いておきましょう。

貸主変更通知書の文例(売却の場合)

売却によって貸主が替わる場合の文例です。名前・日付・口座などはすべて「〇〇」表記にしているので、実際の内容に置き換えてお使いください。

〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇アパート 〇〇号室 〇〇 〇〇 様

旧貸主 〇〇 〇〇

新貸主 〇〇 〇〇(住所:〇〇)

貸主変更のお知らせ

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素より〇〇アパートをご利用いただき、誠にありがとうございます。

さて、このたび、〇〇年〇〇月〇〇日付で、〇〇アパートの所有者が旧貸主 〇〇 〇〇から新貸主 〇〇 〇〇に変更となりました。これに伴い、貴殿との賃貸借契約における貸主の地位は、新貸主に引き継がれました。お預かりしている敷金も、新貸主に引き継いでおります。

なお、賃料・共益費・契約期間などの契約内容に変更はございません。

つきましては、〇〇年〇〇月分(〇〇月〇〇日お支払い分)の賃料より、下記口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。

敬具

記

1. 新しい振込先 〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇〇〇〇 口座名義 〇〇 〇〇
2. 切り替え時期 〇〇年〇〇月分の賃料から
3. 管理会社 〇〇(連絡先:〇〇)
4. お問い合わせ先 〇〇(連絡先:〇〇)

以上

貸主変更通知書の文例(相続の場合)

相続によって貸主が替わる場合の文例です。遺産分割が済み、物件を引き継ぐ相続人が決まった後の例として示します。

〇〇年〇〇月〇〇日

〇〇アパート 〇〇号室 〇〇 〇〇 様

新貸主 〇〇 〇〇(住所:〇〇)

貸主変更および賃料振込先変更のお知らせ

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素より〇〇アパートをご利用いただき、誠にありがとうございます。

さて、〇〇アパートの所有者であった〇〇 〇〇は、〇〇年〇〇月〇〇日に永眠いたしました。生前のご厚誼に深く感謝申し上げます。

このたび、相続により、〇〇アパートは〇〇 〇〇が引き継ぐこととなりました。貴殿との賃貸借契約における貸主の地位およびお預かりしている敷金は、新貸主に引き継がれております。賃料・共益費・契約期間などの契約内容に変更はございません。

つきましては、〇〇年〇〇月分(〇〇月〇〇日お支払い分)の賃料より、下記口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。

敬具

記

1. 新しい振込先 〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇〇〇〇 口座名義 〇〇 〇〇
2. 切り替え時期 〇〇年〇〇月分の賃料から
3. 管理会社 〇〇(連絡先:〇〇)
4. お問い合わせ先 〇〇(連絡先:〇〇)

以上

遺産分割がまだ済んでいない段階で振込先を変える場合は、相続人の間で合意した代表者の名義で、「遺産分割が済むまでの間、下記口座にお振り込みください」と期間を区切って知らせる方法もあります。

旧貸主と新貸主の連名が望ましい理由

売却の場合は、旧貸主と新貸主の連名で通知書を出すことが望ましいとされています。

入居者が安心して振込先を変えられる

入居者の立場からすると、会ったこともない人から「今後はこちらに家賃を振り込んでください」と書面が届いても、本当に信じてよいのか判断しにくいものです。これまでの貸主の名前が並んでいれば、「今の貸主も了承している変更だ」と受け止めてもらいやすくなります。

二重払いや行き違いを防げる

旧貸主だけ、あるいは新貸主だけの名前で通知を出すと、入居者が確認のために双方へ連絡し、話が食い違う、といった混乱が起きることがあります。連名にしておけば、旧貸主と新貸主の間で内容をすり合わせたうえでの通知であることが伝わり、行き違いを防ぎやすくなります。

相続の場合は、亡くなったオーナーとの連名はできないため、新しく物件を引き継いだ相続人の名義で出すことになります。相続人が複数いて遺産分割が済んでいない場合は、相続人全員の了承を得たうえで、代表者の名義で出すとよいでしょう。管理会社がある場合は、管理会社からの案内を添えることも、入居者の安心につながります。

「相続したばかりで、入居者への知らせ方も、家賃の受け取り方もまだ決められていない」という方は、相続した賃貸物件の引き継ぎについて「晃南土地」に相談するからご連絡ください。入居者対応や家賃の管理まで任せる場合の内容は、「晃南土地」の賃貸管理サービスで紹介しています。

通知書の送り方とタイミング

通知書は、内容と同じくらい、送り方とタイミングも大切です。

家賃の支払日から逆算して送る

振込先の切り替えは、入居者が次の家賃を振り込む前に知らせる必要があります。家賃の支払日が毎月末であれば、その月の中旬までには届くように送るなど、支払日から逆算して余裕を持たせましょう。入居者の中には、口座振替や自動送金の設定をしている方もいるため、手続きを変える時間も考えておく必要があります。

送り方の選択肢

送り方には、郵送、手渡し、管理会社を通じた案内などがあります。郵送の場合は、届いたことが分かる方法を選ぶと、後で「届いていない」という行き違いを防げます。手渡しの場合は、あわせて口頭で事情を説明できるため、入居者の不安をその場でやわらげることができます。

どの方法でも、送った日付と内容を控えとして残しておきましょう。

家賃保証会社や口座振替の手続きも確認する

家賃保証会社を利用している場合や、保証会社を通じて家賃を収納している場合は、入居者への通知とは別に、保証会社側での名義変更や振込先変更の手続きが必要になることがあります。口座振替で家賃を受け取っている場合も同様です。こうした手続きが遅れると、入居者は通知どおりに払っているのに、オーナー側に入金されないといった事態にもなりかねません。

管理会社が変わる場合は二つの知らせを一度に

オーナーが替わるのに合わせて、管理会社も変える場合があります。そのときは、貸主の変更と管理会社の変更を別々に知らせるよりも、ひとつの通知の中でまとめて伝えるほうが、入居者は混乱しにくくなります。「どの日から、誰に家賃を払い、困ったときは誰に連絡するのか」が一目で分かるように、変更前と変更後を並べて書いておくと親切です。

振込先変更の詐欺と誤解されないための工夫

振込先の変更を装って、別の口座にお金を振り込ませようとする詐欺もあるため、入居者が突然の振込先変更の通知を警戒するのは自然なことです。誤解されないための工夫をしておきましょう。

誤解を防ぐための工夫

  • 旧貸主と新貸主の連名にする(売却の場合)
  • 管理会社がある場合は、管理会社からの案内として出す、または添え書きをつける
  • 入居者がすでに知っている連絡先(これまでの管理会社や、旧貸主の連絡先)でも内容を確認できるようにする
  • 口座名義を新しい貸主本人の名義にし、第三者名義の口座を使わない
  • メールやSMSだけで振込先の変更を伝えず、書面を送る
  • 「確認のうえ、ご不明な点があれば下記までお問い合わせください」と一文を添える

入居者から確認の連絡が来たら

入居者から「この通知は本物ですか」と連絡があったら、丁寧に対応しましょう。確認の連絡は、入居者が慎重に行動している証拠でもあります。面倒がらずに説明することで、新しい貸主との信頼関係の第一歩になります。

旧口座に家賃が振り込まれたときの対応

通知を送っても、入居者が自動送金の設定を変え忘れるなどして、旧貸主の口座に家賃が振り込まれることがあります。

売却の場合は旧貸主と精算する

売却の場合は、旧貸主の口座に振り込まれた家賃を、旧貸主から新貸主に引き渡してもらう形で精算します。売買契約の段階で、決済後に旧口座へ入金があった場合の扱いを取り決めておくと、スムーズです。入居者には、次回からの振込先を改めて案内しましょう。

相続の場合は口座の凍結に注意

相続の場合、亡くなったオーナーの口座は、金融機関が死亡を把握すると取引が制限されることがあります。その口座に家賃が振り込まれると、引き出しに手間がかかる場合があるため、相続が始まったら早めに入居者へ連絡し、振込先の変更を知らせることが大切です。

なお、民法第494条では、弁済者が債権者を確知できないときは、弁済の目的物を供託できるとされています。誰に家賃を払えばよいか分からない状態が続くと、入居者が家賃を供託するといった対応をとる可能性もあります。そうならないよう、早めに知らせることを心がけましょう。

通知とあわせて進めたい引き継ぎ

貸主変更通知書を送るのと並行して、物件の運営に必要な情報も引き継いでおきましょう。

引き継ぐもの確認したいこと
賃貸借契約書・重要事項説明書各部屋の家賃・共益費・契約期間・特約
敷金の預かり状況部屋ごとの預かり額、精算の方法
家賃の入金状況滞納の有無、前払いの有無
家賃保証会社の契約保証会社名、名義変更の手続き
管理委託契約管理会社の有無、委託内容、契約の引き継ぎ
鍵の管理各部屋・共用部の鍵の本数と保管場所
修繕の履歴設備の交換時期、入居者からの修繕依頼の状況
火災保険契約者・補償内容の見直し、名義の変更

入居者がいる物件を購入した場合の管理の引き継ぎについては、『柏で「オーナーチェンジ物件」を買ったら|管理引き継ぎで確認すべきこと』で詳しく解説しています。相続した場合にまずやることは、『柏で「大家さん」になった方へ|相続直後にまずやるべき5つの手続き』もあわせてご覧ください。

柏・千葉県我孫子市で貸主が替わるときの視点

柏市や我孫子市には、親の代から続く貸家やアパートが残る住宅地があり、相続をきっかけに貸主が替わるケースもあります。相続した方が遠方に住んでいて、物件の近くに頻繁に来られないという場合もあるでしょう。

そうした場合、入居者からの修繕の依頼や問い合わせに、すぐに対応するのが難しくなります。貸主変更通知書に、連絡先として地元の管理会社を明記しておくと、入居者は困ったときの相談先がはっきりし、オーナーも遠方から対応に追われずに済みます。

また、秋から年末にかけては、相続した物件の今後を、家族で話し合う機会が増える時期でもあります。売却するのか、貸し続けるのか、方針が決まる前でも、入居者への振込先の案内だけは先に済ませておくと、家賃の行き違いを防げます。

よくある質問

貸主変更通知書は、法律で送ることが決められていますか?

民法で通知書の形式や送付が義務として定められているわけではありません。ただし、入居者が新しい貸主を知らなければ、家賃の支払いや連絡に支障が出るため、書面で知らせることが実務上の基本とされています。

貸主が替わったら、入居者と契約を結び直す必要がありますか?

売却の場合は民法第605条の2により、相続の場合は民法第896条により、貸主の立場は新しい貸主に引き継がれるため、原則として契約を結び直さなくても、これまでの契約が続きます。契約書の名義を整えるために、覚書などを取り交わす場合もあります。

相続人が複数いて、遺産分割がまだ決まっていません。家賃はどうすればいいですか?

最高裁判所の判決では、遺産分割までの家賃は、各相続人が相続分に応じて取得するとされています。実務では、相続人の間で合意したうえで、代表者の口座でいったん受け取り、後で分ける方法などがとられています。分け方は相続人全員の合意が大切なため、不安がある場合は専門家に確認しながら進めましょう。

売却を考えている段階で、入居者に知らせておくべきですか?

売却の検討段階で入居者に知らせることは、法律で求められているわけではありません。ただし、買主の候補が物件を見に来る場合や、室内の確認が必要になる場合は、入居者の協力をお願いすることになるため、その都度、事情を説明して了承を得ておくと安心です。売却が決まり、決済日が固まった段階で、改めて貸主変更通知書を送る流れにしておくと、入居者も予定を立てやすくなります。

管理会社に、貸主変更の通知を任せることはできますか?

管理を委託している場合は、通知書の作成や入居者への案内、家賃の振込先の切り替えなどを管理会社に任せられることがあります。任せられる範囲は管理会社や委託の内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

売却や相続で貸主が替わったときは、これまでの契約は新しい貸主に引き継がれ、入居者の承諾は必要ないとされています。売却の場合は民法第605条の2・第605条の3により買主が貸主の立場を引き継ぎ、所有権の移転登記をすることで入居者に主張できるようになります。相続の場合は民法第896条により相続人が引き継ぎ、遺産分割までの家賃は、相続分に応じて各相続人に帰属するとされています。敷金の返還義務も、新しい貸主に引き継がれます。

入居者への通知は、物件名、旧貸主と新貸主、変更日、新しい振込先と切り替え時期、管理会社、敷金の引き継ぎ、契約内容に変更がないこと、問い合わせ先を書面で伝えるのが基本です。売却の場合は旧貸主と新貸主の連名にし、確認の方法も添えておくと、振込先変更の詐欺と誤解されにくくなります。

ここまで読んで、「自分の場合、通知書をどう作って、いつ送ればいいのか相談したい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。

相続や売却の状況だけ伝えて、入居者への知らせ方から相談したい方は、相続した賃貸物件の引き継ぎについて「晃南土地」に相談するからご連絡ください。

対面で契約書や入居者の一覧を見ながら話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。

入居者への案内から家賃の管理まで任せる場合の内容を先に知りたい方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスを詳しく見るをご覧ください。

「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく状況整理のサポートとして対応いたします。

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