我孫子でサブリース契約を検討中のオーナーへ|メリット・落とし穴・見極め方を地元の管理会社が解説

1. はじめに|「家賃保証」という言葉に飛びつく前に

「空室が続いても毎月一定の家賃が入ってくる」「管理の手間が一切かからない」——サブリース契約の営業トークは、賃貸オーナーにとって非常に魅力的に聞こえます。

実際、我孫子エリアでも「サブリースを勧められているが、どうすればいいか」というご相談が増えています。特に、相続で物件を引き継いだばかりの方や、初めて賃貸経営をする方が、こうした営業を受けやすい傾向があります。

サブリース契約には確かにメリットがあります。しかし同時に、契約内容をよく理解しないまま契約してしまい、後から「こんなはずではなかった」と後悔するオーナーが後を絶たないのも事実です。国土交通省や消費者庁が繰り返し注意喚起を行っているほど、トラブル事例が多い分野です。

この記事では、サブリース契約の仕組みを正確に解説した上で、メリット・デメリット・落とし穴・見極め方を、我孫子エリアの賃貸市場の実情を踏まえながらお伝えします。サブリースを検討している方はもちろん、「すでに契約しているが内容が不安」という方にも参考になる内容です。


2. サブリース契約の仕組み|「転貸」という構造を理解する

まず、サブリース契約の基本的な仕組みを正確に理解しておきましょう。

通常の賃貸管理との違い

通常の賃貸管理では、オーナーと入居者が直接賃貸借契約を結び、管理会社はその仲介・管理業務を行います。

一方、サブリース契約では構造が異なります。

通常の賃貸管理の構造

オーナー ⇔ 賃貸借契約 ⇔ 入居者 (管理会社は管理業務を代行)

サブリース契約の構造

オーナー ⇔ 賃貸借契約 ⇔ サブリース会社 ⇔ 転貸借契約 ⇔ 入居者

サブリース契約では、サブリース会社がオーナーから建物全体を借り上げ、それを入居者に転貸するという二重構造になっています。オーナーにとっての「テナント(借主)」はサブリース会社であり、実際の入居者ではありません。

この構造が、サブリースの特徴であるメリットとデメリットの両方を生み出しています。

サブリースの基本的な収支モデル

項目内容
入居者が払う家賃市場相場に基づく賃料(例:月7万円)
オーナーが受け取る家賃市場相場の80〜90%程度(例:月5.6〜6.3万円)
サブリース会社の収益差額(例:月0.7〜1.4万円)+管理手数料

オーナーは市場賃料より低い金額を受け取る代わりに、空室でも一定の家賃収入が保証されるという仕組みです。


3. サブリース契約の主なメリット

サブリース契約が多くのオーナーに選ばれる理由には、以下のようなメリットがあります。

① 空室リスクがなくなる(家賃保証)

サブリースの最大のメリットはここです。入居者が決まらない空室期間中でも、サブリース会社から一定の家賃が支払われます。特に空室が多い時期や、立地条件が難しい物件では、この安定性は大きな安心感につながります。

② 管理業務から完全に解放される

入居者の募集・審査・契約・クレーム対応・修繕手配・退去精算——これらすべてをサブリース会社が行います。オーナーは実質的に「毎月の振込を確認するだけ」という状態になれます。

③ 家賃収入が予測しやすく資金計画が立てやすい

毎月一定の収入が確保されるため、ローンの返済計画や税金対策など、長期的な資金計画が立てやすくなります。

④ 入居者トラブルに巻き込まれない

オーナーの契約相手はサブリース会社であるため、騒音・滞納・退去トラブルなどに直接関わる必要がありません。精神的な負担を大幅に軽減できます。

メリット効果
空室リスクゼロ(保証期間中)収入の安定
管理業務ゼロ時間・手間の解放
収入額が固定資金計画が立てやすい
トラブル対応不要精神的負担の軽減

4. サブリース契約の「落とし穴」|知らないと後悔する5つのリスク

メリットだけを見てサブリース契約を結ぶと、後から大きな後悔につながることがあります。国土交通省や消費者庁が注意喚起しているリスクを、具体的に解説します。

リスク① 家賃は「引き下げられる」ことがある

「家賃保証」という言葉から、「契約期間中はずっと同じ金額が保証される」と思っているオーナーが多いのですが、これは誤解です。

サブリース契約には一般的に「賃料改定条項」が含まれており、一定期間ごとにサブリース会社から家賃の引き下げを求められることがあります。周辺の賃料相場が下がった場合、サブリース会社は「市場に合わせて見直しが必要」として減額を要求してきます。

最初に提示された家賃が10年後も同じである保証はなく、むしろ契約当初より大幅に下がるケースが少なくありません

リスク② 解約したくても簡単にはできない

オーナーがサブリース契約を解除しようとする場合、借地借家法によってサブリース会社(借主)が強く保護されます

通常、オーナーからの解約申し入れには「正当事由」が必要とされており、「手数料が高い」「別の管理会社に変えたい」といった理由では解約が認められないケースがあります。解約できたとしても、6ヶ月〜1年前の申し入れが必要なケースがほとんどです。

「いつでも辞められる」と思っていたオーナーが、実際には解約できずに困るケースが多発しています。

リスク③ 免責期間・免責条項が設けられている

「空室でも家賃が保証される」といっても、契約書をよく読むと「免責期間」が設けられていることがあります。たとえば「退去後2ヶ月間は保証対象外」といった条項です。

入退去が頻繁に発生する物件では、この免責期間の積み重ねによって、実質的な収入が大きく目減りすることがあります。

リスク④ 修繕費用はオーナー負担

サブリース契約では、建物の修繕・リフォーム費用はオーナー負担が原則です。サブリース会社から「入居率を上げるためにリフォームが必要」と提案されることもありますが、その費用はオーナーが出さなければなりません。

修繕費用を含めて収支を計算すると、サブリース契約の実質的なメリットが想定より小さかった、というケースも少なくありません。

リスク⑤ 物件の老朽化とともに契約を打ち切られる可能性がある

物件が古くなり入居者が決まりにくくなると、サブリース会社から契約の打ち切りや大幅な賃料引き下げを求められることがあります。サブリース会社にとって、空室リスクが高い物件を抱え続けることは採算が合わなくなるためです。

オーナーが最も困るタイミングで、最も頼りにしていた保証が失われる——これがサブリース契約の最大の落とし穴といえます。

リスク内容注意すべきポイント
家賃の引き下げ賃料改定条項による減額契約書の改定条件を確認
解約の困難さ借地借家法による借主保護解約条件・申し入れ期間を確認
免責期間退去後一定期間は保証なし免責期間の長さと条件を確認
修繕費用オーナー負担が原則修繕の判断権がどちらにあるか確認
契約打ち切り物件老朽化で解約される可能性契約打ち切り条件を確認

5. サブリース新法(賃貸住宅管理業法)で何が変わったか

2021年6月に施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)」により、サブリース契約に関するルールが強化されました。

主な改正のポイント

① 勧誘時の禁止行為が明確化された

  • 将来の家賃収入について断定的な説明をすること(「絶対に家賃が下がりません」など)の禁止
  • 不利な事項(家賃引き下げの可能性・免責期間など)を意図的に告げないことの禁止

② 契約前の重要事項説明が義務化された

契約締結前に、以下の内容を書面で説明することが義務付けられました。

説明義務がある主な事項
家賃改定のルール(条件・頻度)
免責期間の有無と内容
解約条件と申し入れ期間
維持保全の内容と費用負担

③ 登録制度の導入

管理戸数200戸以上の管理業者には、国土交通省への登録が義務化されました。登録業者かどうかを確認することが、信頼できる会社を選ぶ最低限の目安になります。

ただし、新法施行後もトラブルは続いています。法律で規制されたとはいえ、契約書の中身は依然として複雑であり、オーナー自身がリテラシーを持って内容を確認することが不可欠です。


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6. サブリース契約書で必ず確認すべき7つのチェックポイント

サブリース契約を検討する際には、契約書の以下の項目を必ず確認してください。営業担当者の説明だけを信じず、書面で内容を確かめることが重要です。

① 保証賃料の金額と改定条件

現在の保証賃料がいくらか、そして何年ごとにどのような条件で改定されるかを確認します。「2年ごとに見直し」という記載があれば、2年後には引き下げを求められる可能性があります。改定の上限・下限が定められているかも確認しましょう。

② 免責期間の有無と長さ

退去後・入居前の空室期間中に保証が適用されない「免責期間」が何ヶ月設定されているかを確認します。免責期間が長いほど、実質的な保証の価値は下がります。

③ 契約期間と自動更新条件

契約期間が何年か、自動更新があるか、更新時の条件変更はあるかを確認します。長期契約ほどオーナーの拘束期間が長くなり、途中解約が難しくなります。

④ 解約条件とオーナーからの解約申し入れ期間

オーナーからの解約申し入れに必要な期間(何ヶ月前か)と、解約できる条件を確認します。「正当事由がなければ解約できない」という条項があれば、事実上の解約困難を意味します。

⑤ 修繕・リフォームの費用負担と決定権

修繕・リフォームの費用がオーナー負担かサブリース会社負担か、またその判断(発注の決定権)がどちらにあるかを確認します。サブリース会社が修繕を自由に発注し、費用をオーナーに請求できる構造になっていないかに注意が必要です。

⑥ 原状回復費用の負担

退去時の原状回復費用がオーナー・入居者・サブリース会社のどこに帰属するかを確認します。サブリース会社が入居者から回収した原状回復費用をオーナーに還元する仕組みになっているかも重要です。

⑦ 契約打ち切り条件

サブリース会社からの解約・契約打ち切りがどのような条件で可能かを確認します。「空室が〇ヶ月続いた場合」「収益性が低下した場合」などの条項がある場合、物件が老朽化した際に一方的に解約される可能性があります。

チェック項目確認のポイント
保証賃料・改定条件改定頻度・上限・下限
免責期間何ヶ月か・適用条件
契約期間・自動更新拘束期間・更新時の条件変更
解約条件申し入れ期間・正当事由の有無
修繕費用の負担・決定権発注の決定権がどちらにあるか
原状回復費用回収した費用の帰属
契約打ち切り条件どのような場合に打ち切られるか

7. サブリースが「向いている物件・向いていない物件」

サブリース契約は、すべての物件・すべてのオーナーに適しているわけではありません。物件の状況とオーナーの状況によって、向き・不向きがあります。

サブリースが向いているケース

物件の観点から

  • 立地条件が弱く、自力での募集では空室が長引きやすい物件
  • 築年数が古く、空室リスクが高い物件
  • 地方・郊外エリアで賃貸需要が限定的な物件

オーナーの観点から

  • 相続で物件を引き継いだが、管理の知識・時間がない
  • 遠方に居住しており、現地での対応が困難
  • 収入の安定性を最優先にしたい
  • 賃貸経営に関わる手間をすべて排除したい

サブリースが向いていないケース

物件の観点から

  • 駅近・人気エリアなど、空室リスクが低い物件
  • 築浅・設備が整っており、自力での募集力が高い物件
  • 通常管理でも十分な入居率が期待できる物件

オーナーの観点から

  • 収益の最大化を優先したい
  • 管理に関わる知識・時間がある
  • 将来的に売却・建て替えを検討している
  • 管理会社をいつでも変更できる自由度を持ちたい

空室リスクが低い物件でサブリースを選ぶと、市場賃料との差額(15〜20%程度)を毎月損し続けることになります。我孫子エリアの駅近物件や人気エリアの物件であれば、通常の管理委託の方が収益性が高くなるケースが多いです。


8. サブリースと通常の管理委託を収支で比較する

我孫子市内に2LDK・想定市場賃料8万円のアパート1室を所有するオーナーを例に、サブリースと通常の管理委託の収支を比較します。

前提条件

  • 想定市場賃料:月8万円
  • サブリース保証賃料:市場賃料の85%=月6万8,000円
  • 通常委託の管理手数料:賃料の5%=月4,000円
  • 年間空室期間:サブリース0ヶ月、通常委託1ヶ月(想定)
項目サブリース通常の管理委託
年間賃料収入(満室想定)816,000円960,000円
空室損失0円▲80,000円
管理手数料0円(保証賃料に含む)▲48,000円
修繕費用(年間想定)▲50,000円▲40,000円
年間実質収入(概算)766,000円792,000円

この試算では、年間空室が1ヶ月程度であれば通常委託の方が収益が高くなります。一方、年間2ヶ月以上空室が発生する場合はサブリースの方が安定した収益が得られます。

つまり、サブリースの経済的メリットは「空室リスクをどれだけ高く見るか」によって変わります。我孫子エリアの物件であれば、立地・築年数・設備水準を踏まえた上で、地元に精通した管理会社に相談して判断することをおすすめします。


9. 信頼できるサブリース会社・管理会社の見極め方

サブリース契約を検討する場合でも、通常の管理委託を選ぶ場合でも、信頼できる会社を選ぶことが最も重要です。以下のポイントを参考に、慎重に選んでください。

国土交通省への登録を確認する

賃貸住宅管理業法により、管理戸数200戸以上の業者は国土交通省への登録が義務化されています。国土交通省の「賃貸住宅管理業者登録制度」のサイトで登録番号を確認できます。

勧誘時の説明が誠実かどうか

メリットだけを強調し、家賃引き下げの可能性・免責期間・解約の困難さなどのデメリットを説明しない会社は要注意です。誠実な会社は、デメリットも含めて丁寧に説明します。

地域に根ざした実績があるか

全国展開の大手だからといって、必ずしも地域の実情に合った提案ができるとは限りません。我孫子エリアの賃貸市場を熟知した、地域密着型の管理会社に相談することで、より実態に合ったアドバイスを受けられます。

複数の選択肢を比較する

1社だけの話を聞いて即決するのは危険です。最低でも2〜3社に相談し、サブリースと通常管理委託の両方の提案を受けた上で比較検討することをおすすめします。

確認事項良い会社の目安
国土交通省への登録登録番号を公開している
デメリットの説明家賃引き下げ・免責期間・解約条件を明示する
地域実績我孫子エリアの管理実績が豊富
提案の透明性収支シミュレーションを書面で提示する
契約書の説明重要事項を丁寧に説明し、質問に答える

10. まとめ|サブリースは「仕組みを理解してから判断する」

この記事では、サブリース契約の仕組み・メリット・落とし穴・新法の内容・契約書のチェックポイント・向いている物件の条件・収支比較・会社の見極め方まで、幅広く解説してきました。

サブリースは、条件さえ合えば有効な選択肢の一つです。しかし、仕組みを理解せずに「家賃保証」という言葉だけに引かれて契約することは非常に危険です。

判断の前に、以下の5点を必ず確認してください。

  • 保証賃料の改定条件と免責期間を書面で確認したか
  • 解約条件とオーナーからの申し入れ期間を確認したか
  • 修繕費用の負担と決定権がどちらにあるかを確認したか
  • 自分の物件の空室リスクを客観的に評価したか
  • 通常の管理委託との収支比較を行ったか

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