柏市の空き家を相続した方へ|使える補助金・使えない補助金

週末に柏の実家へ通い、窓を開けて風を通す。帰りの電車でスマートフォンを開き、「柏市 空き家 補助金」と調べてみる。出てくるのは、ほかの町の解体補助の話ばかりで、柏市の答えがはっきりしません。「壊すにしても直すにしても、何か支援はないのだろうか」と、もどかしく思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

千葉県柏市の制度を、2026年10月に一つずつ確かめてみました。解体そのものへの補助はないものの、条件が合えば使える制度はいくつかあります。その中身を、千葉県我孫子市に本社を置く晃南土地の編集部が、「使える」「使えない」に分けて整理しました。1991年に設立した晃南土地は、売買から賃貸管理、買取り、リノベーションまでを一社で手がける総合不動産会社です。相続した家や土地のご相談も、多くお受けしています。

読み終えるころには、次の3つが見えてきます。

  • 相続した柏の空き家に使える補助と、使えない補助の見分け方。
  • 補助の条件が、売るときの税金の特例とぶつかる場面。
  • 補助がなくても、解体費を持ち出さずに済む売り方。

まだ壊すか直すかを決めていない段階でも、柏の実家と補助金のことを「晃南土地」に相談することができます。

柏市に、空き家の解体費の補助金はある?

この章の要点

  • 2026年10月時点で、建物の解体費そのものへの補助はない。
  • 市の空き家対策で用意されているのは、活用の補助や確認書の交付など。
  • 国の解体の支援も、市が制度をつくって初めて使える仕組み。

結論から言うと、柏市には、建物の解体費そのものへの補助はありません(2026年10月時点)。

市の公式サイトの「空き家対策」のページを見ると、そのことが分かります。並んでいるのは、空き家を活かすための補助、相談の制度、管理についての案内などです。売るときの税金の特例に使う確認書の交付も、ここに含まれます。解体の費用を補助する制度は、このページにはありません。

国にも、空き家の取り壊しを支える「空き家対策総合支援事業」があります。ただしこれは、市区町村が計画に沿って進める取り組みを、国が後押しする仕組みです。持ち主が解体する場合の負担の割合は、国と自治体が5分の2ずつ、持ち主が5分の1と示されています。つまり、市に解体の補助制度がなければ、持ち主が国へ直接申し込む形にはなっていません。

インターネットで「解体費の補助、最大○○万円」という記事を見かけることがあります。よく読むと、ほかの市や町の制度であることも少なくありません。補助は家のある市町村の制度で決まるため、柏の家には柏市の制度が当てはまります。なお、「助成金」と呼ばれることもありますが、この記事では「補助」という言葉にそろえてお伝えします。

「使える」「使えない」を一枚の表で

この章の要点

  • 柏市の補助は、目的と使える人がはっきり決まっている。
  • 相続した空き家のままで使いやすいのは、耐震とブロック塀の補助。
  • 住む・貸す・地域に使うのどれを選ぶかで、使える制度が変わる。

柏市と国の主な制度を、相続した空き家で使えるかどうかで分けると、次のようになります。金額や期限は、2026年10月に市と国の公式ページで確かめたものです。

制度主な中身相続した空き家では主な条件・期限
解体費の補助建物の取り壊し柏市に制度なしなし
危険コンクリートブロック塀等除却工事費補助金(柏市)道路に面した危ない塀の撤去使える(条件あり)上限10万円(通学路は20万円)。売るための撤去は対象外。受付は11月30日まで
木造住宅耐震診断費補助金(柏市)古い木造の家の耐震診断使える(条件あり)費用の5分の4・上限8万円。受付は12月25日まで
木造住宅耐震改修費補助金(柏市)耐震の補強工事2026年度は受付終了上限115万円。工事後5年間持ち続ける
先進的窓リノベ2026事業(国)窓の断熱住む・貸す予定なら候補1戸あたり上限100万円。着工は遅くとも12月31日まで
みらいエコ住宅2026事業(国)断熱など家全体の省エネ住む・貸すなら候補上限40万〜100万円。着工は遅くとも12月31日まで
ゼロカーボンシティ促進総合補助(柏市)窓の断熱・蓄電池など住まないなら使えない申し込む日に、その家に住んでいること
要介護高齢者等住宅改造費補助(柏市)手すり・段差の解消住まないなら使えない柏市に住み、要支援・要介護の認定がある
おうち活用事業補助金(柏市)住まい以外に活かす改修・家財の撤去地域に貸すなら候補上限150万円か300万円。申請は10月30日まで
空き家活用促進モデル事業補助金(柏市)地域の課題に取り組む事業自宅のためには使えない上限50万円。事業の計画が要る

表の「使える」は、空き家のままでも申し込める可能性がある、という意味です。実際に当てはまるかどうかは、家の建て方や工事の時期によって変わります。

たとえば、1975年に建った木造の実家で、道路沿いに古いブロック塀があるとします。この家なら、耐震診断とブロック塀の撤去の補助が、検討の入り口になります。次の章から、一つずつ見ていきましょう。

古い木造の家なら、耐震の診断と改修

この章の要点

  • 2000年5月31日以前に工事を始めた木造の家が対象。
  • 診断は費用の5分の4・上限8万円。2026年度の受付は12月25日まで。
  • 改修の補助は2026年度の受付を終えていて、工事後5年間持ち続ける条件もある。

相続した空き家で、まず検討しやすいのが「木造住宅耐震診断費補助金」です。耐震診断とは、家が地震にどれくらい耐えられるかを、専門家が調べることをいいます。

市の補助の決まり(要綱)では、申し込める人は、市内に木造住宅を持っている人とされています。そこに住んでいることは条件に入っていないので、離れて暮らす持ち主も対象になりえます。この補助を前に使っていないことも条件です。名義を兄弟などと共有している場合は、ほかの共有者の委任が要ります。診断は、市に登録された「柏市木造住宅耐震診断士」に頼む決まりです。

対象になる家は、次のすべてに当てはまるものです。

  • 2000年(平成12年)5月31日以前に工事を始めた(着工した)家。
  • 地上2階以下で、柱や梁を木で組む在来工法の家(ツーバイフォーなどは対象外)。
  • 一戸建て、または住まいの部分が床面積の半分を超える、店舗などとの兼用の家。

補助は診断費の5分の4で、上限は8万円です。2026年度の受付は5月7日から12月25日までで、件数は25件とされています。診断の契約より前に、補助を申し込む必要があります。

診断で、家の強さを表す点数(上部構造評点)が1.0未満だった家は、改修の補助の対象になります。1.0未満は、「倒壊する可能性がある」または「高い」と判定される点数です。改修の補助は、設計・工事監理・工事の費用の合計の5分の4で、上限は115万円です。ただし2026年度は、予定の件数に達したため、受付を終えています。

金額のイメージを、仮の数字で見てみましょう。

仮の数字耐震診断耐震改修
かかった費用10万円200万円
費用の5分の48万円160万円
補助の額(上限まで)8万円115万円
自分で払う額2万円85万円

計算の流れを見せるための仮の数字で、実際の補助の額は市の審査で決まります。

もう一つ大事なのが、改修の補助には、工事のあと5年間は家を持ち続ける条件があることです。売る予定のある方にとっては、ここが大きな分かれ目になります(第8章でくわしくお伝えします)。

診断だけでも、受けておく意味はあります。買う人や借りる人は、建てた年や耐震のことを気にするからです。結果が手元にあれば、売るにしても貸すにしても、相手に説明しやすくなります。

道路沿いの古いブロック塀は、撤去に補助がある

この章の要点

  • 高さが原則1.2mを超え、道路や通学路に面した危ない塀が対象。
  • 補助は「長さ1mあたり1万円」と工事費の低いほう。上限は10万円(通学路は20万円)。
  • 売る目的の撤去は対象外。受付は11月30日までで20件、先に市の現地の判定がある。

建物の解体には補助がなくても、危ないブロック塀の撤去には補助があります。正式な名前は「危険コンクリートブロック塀等除却工事費補助金」です。簡単に言うと、地震のときに塀が倒れるのを防ぐため、撤去の費用を一部出してくれる制度です。

対象になる塀と、申し込める人の主な条件は、次のとおりです。

項目主な条件
塀の種類コンクリートブロックや石、レンガなどを積んだ塀と、その基礎
高さ道路や敷地から、原則として1.2mを超える
面している場所建築基準法の道路など、または通学路
申し込める人塀の持ち主(共有なら、共有者の委任が要る)
そのほか市税の滞納がない。この補助を前に使っていない。土地や建物を売るための撤去ではない

補助の額は、「塀の長さ1mあたり1万円」と「撤去の工事費」の、低いほうです。上限は、道路に面する塀で10万円、通学路に面する塀で20万円です。仮に、道路に面した長さ8mの塀を、15万円で撤去するとします。8万円と15万円の低いほうなので、補助は8万円、自分で払うのは7万円です。

申し込みの前には、市の職員が現地に来て、対象になる塀かどうかを判定する事前相談が必要です。工事の契約は、補助の交付が決まってからにします。先に契約すると、補助を受けられなくなります。

相続した家で気をつけたいのが、売ることとの関係です。市の要綱では、土地や建物を売る目的で塀を撤去する人は、補助の対象にならないとされています。売る準備として撤去するなら、この補助は使えないと考えておくのが無難です。倒れる心配から撤去して、しばらく持ち続けるといった場合は、事前相談のときに事情を伝えて確かめてください。2026年度の受付は11月30日まで、件数は20件です。

住むか貸すなら、国の省エネ改修の補助も候補に

この章の要点

  • 窓の断熱は「先進的窓リノベ2026事業」、家全体の省エネは「みらいエコ住宅2026事業」。
  • どちらも着工は遅くとも2026年12月31日まで。予算に達すれば早く終わる。
  • 柏市の窓の補助(エコ窓)は、その家に住んでいる人だけが対象。

実家に戻って住むことにした、あるいは人に貸すことにした。そんなときは、国の省エネ改修の補助が候補になります。

「先進的窓リノベ2026事業」は、窓の断熱の改修に絞った国の補助です(環境省)。内窓をつける、窓やガラスを替えるといった工事が対象で、1戸あたりの上限は100万円です。補助の対象になる人には、住宅を持つ個人やその家族、貸している持ち主などが挙がっています。補助の額が5万円以上になることも条件です。

「みらいエコ住宅2026事業」は、家全体の省エネを高めるリフォームの補助です(国土交通省)。2016年(平成28年)以前に建った家が対象で、上限は建った時期と工事の中身で40万〜100万円です。対象になる人として挙がっているのは、住んでいる持ち主とその家族、貸している持ち主、借りている人などです。空いたままの家を直すだけなら、当てはまらない可能性があります。

どちらも、事務局に登録された工事会社と契約し、その会社が手続きを代わりに行う仕組みです。着工は遅くとも2026年12月31日までで、予算に達すると、その時点で受付が終わります。2026年10月17日時点で、予算に対する申請額は、窓リノベが約30%、みらいエコ住宅のリフォームが約10%でした。

どちらの補助にも、直した窓や設備を一定の期間、承認なく処分できない決まりがあります。たとえば窓リノベでは、工事のあと10年の間に家を取り壊すとき、前もって事務局の承認が要ります。住宅のまま売ったり貸したりする場合は、この制限から外れます。

柏市にも、窓の断熱の改修に、費用の4分の1・上限8万円を補助する制度があります。ただし、申し込む日にその家に住み、柏市に住民登録していることが条件なので、空き家のままでは使えません。

たとえば、親の家に戻って暮らすなら、窓の断熱は冬の寒さや結露の対策にもなります。補助の組み合わせ方や工事の中身は、別の記事でくわしく紹介しています。『柏のリフォーム補助金ガイド2026|対象工事・金額・申請の流れを地元がやさしく解説』をご覧ください。

地域のために貸すなら「おうち活用事業補助金」

この章の要点

  • 空き家を、住まい以外の地域の場所に活かす改修や、家財の撤去が対象。
  • 費用の2分の1で、上限は150万円か300万円。2026年度の申請は10月30日まで。
  • 3年か5年は事業を続ける条件があり、貸すと売るときの特例は使えなくなる。

柏市の空き家向けの補助で、金額がいちばん大きいのがこの制度です。ただし、持ち主が自分の暮らしのために使う制度ではありません。

空き家を、集会所や子ども食堂、ミニ図書館、コワーキングスペースなど、住まい以外の用途に活かす事業が対象です。持ち主のほか、家を借りて使う個人や団体も申し込めます。主な条件は、次のとおりです。

項目中身
対象の家原則として市街化区域(市街地として整備を進める区域)にある戸建てで、1年以上空いている
使い道住まい以外(住むための改修は対象外)。夜だけの営業も対象外
補助の額改修や設備、残った家財の撤去などの費用の2分の1
上限集会所や子育て支援、文化施設などは300万円。店舗やコワーキングなどは150万円
続ける期間上限300万円の区分は5年以上、150万円の区分は3年以上
申し込み工事に取りかかる前。近所の方への説明の結果も報告する
期限2026年度は10月30日まで。予算に達すると、早く受付を終えることもある

残った家財の撤去費まで対象になるのは、相続した家にとってありがたい点です。一方で、貸すということは、決めた期間、家を相手に預けることでもあります。

たとえば、地域の団体から「子ども食堂を開く場所を探している」と声がかかったとします。改修費の半分が補助されるなら、団体にとっては心強い話です。持ち主としては、5年ほど貸し続ける気持ちが固まっているかを考えることになります。

もう一つ知っておきたいのが、売るときの税金の特例との関係です。親が一人で住んでいた家を売るときの3,000万円の特例は、相続のあとに貸したことがあると使えません。国税庁の通達では、お金を受け取らずに貸した場合も含まれるとされています。

地域に貸す仕組み「カシニワ・おうち」の使い方は、別の記事で紹介しています。『柏市の空き家バンクはどう使う?|カシニワ・おうちと仲介・買取の違い』をご覧ください。

名前が似ていても、自宅のためには使えない制度

この章の要点

  • 「空き家活用促進モデル事業補助金」は、地域の課題に取り組む事業の補助。
  • 窓のエコ改修や、介護のための住宅改造の補助は、その家に住む人向け。
  • ほかの市の解体補助は、柏市の家には使えない。

名前に「空き家」と付いていても、自分の家を直したり壊したりする費用には使えない補助があります。代表的なのが、「空き家活用促進モデル事業補助金」です。

これは、空き家を地域の資源として活かす、先進的な取り組みを支える補助です。対象は、地域の課題を探るワークショップや、空き家のDIY講習などです。持ち主向けの相談会や、地域が望む施設を試しに運営する事業も含まれます。補助の対象になる費用は、謝礼や事務費、チラシの印刷費、委託費などです。補助はその2分の1までで、上限は50万円です。

申し込むには、事業の目的や中身、効果の測り方を書いた計画が要ります。個人も申し込めますが、相続した家を自分で使ったり、売るために直したりする費用に充てる制度ではありません。

住む人向けの補助も、空き家のままでは使えません。

  • 柏市のエコ窓や蓄電池などの補助は、申し込む日にその家に住み、柏市に住民登録していることが条件。
  • 手すりや段差の工事を補助する「要介護高齢者等住宅改造費補助制度」も、住む人向け。柏市に住み、要支援・要介護の認定を受けた方が、住んでいる家を直すための制度です。

ほかの市や町には、古い空き家の解体費を補助する制度を設けているところもあります。ただ、第1章でお伝えしたとおり、柏の家に当てはまるのは柏市の制度です。

検索で「空き家 補助金」と調べると、全国の制度が混ざって表示されます。見つけた記事が、どこの市の、何年度の話かを確かめるだけでも、思い違いを防げます。

補助を使う前に、売るときの特例を確かめる

この章の要点

  • 親が一人で住んでいた家を売るとき、もうけから最高3,000万円を差し引ける特例がある。
  • 相続から売るまで、貸したり住んだりしていないことが条件の一つ。
  • 補助の「貸す」「5年持ち続ける」条件と、時期がぶつかることがある。

相続した空き家を売るなら、補助より先に確かめておきたいのが、税金の特例です。正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。簡単に言うと、売ったときのもうけ(譲渡所得)から、最高3,000万円を差し引ける仕組みです。主な条件を、表にまとめました。

主な条件中身
家1981年5月31日以前に建った家。マンションのような区分所有の建物は対象外
住んでいた人亡くなる直前まで、親が一人で住んでいた(老人ホームに入っていた場合も、条件しだいで対象)
相続のあと売るまで、貸したり、住んだり、事業に使ったりしていない
売り方耐震の基準を満たして売るか、取り壊して土地を売る。2024年以降は、売った翌年2月15日までに改修か取り壊しがされる形も対象
売る時期相続から3年たつ日が属する年の12月31日まで(2024年に相続したなら2027年12月31日まで)
売る金額1億円以下
買う人親子や夫婦など、特別の関係がある人ではない
相続人の数3人以上なら、一人あたりの上限は2,000万円(2024年以降の売却)
制度の期限いまのところ、2027年12月31日までの売却が対象
手続き売った翌年に確定申告をする。柏市が出す確認書などを添える

補助の条件とぶつかりやすいのは、次の2つの場面です。

1. 地域に貸す補助を使う場合:おうち活用事業補助金で家を貸すと、「相続のあと、貸したことがない」という条件から外れます。
2. 耐震改修の補助を使う場合:工事のあと5年間持ち続ける条件があります。特例は相続から3年たつ年の年末までに売ることが条件なので、同じ家で両方を狙うと、時期が合いにくくなります。

特例が使えるかどうかで、手元に残るお金はどれくらい変わるでしょうか。仮に、売ったもうけが1,500万円だったとします。

仮の数字特例が使える場合特例が使えない場合
もうけ1,500万円1,500万円
差し引ける額最高3,000万円なし
税金の目安かからない計算およそ300万円

税金の目安は、親が買ってから5年を超えて持っていた場合の計算です(所得税と住民税などで約20%)。補助の上限は数万円から数百万円ですが、特例の有無は、それを上回る差になることもあります。

特例の手続きには、柏市が出す「被相続人居住用家屋等確認書」が要ります。交付までは1週間ほどかかり、確定申告の時期は混み合うと市は案内しています。相続人が何人かいる場合は、一人ずつ申請書を作ります。

晃南土地では、特例が使えるかどうかを、税理士などの専門家と連携して確かめながら、売り方の段取りを組みます。特例のくわしい話は、別の記事にまとめています。『【2026年版】相続した柏の実家、売る・貸す・活かすで迷ったら|3000万円特別控除も解説』をご覧ください。

補助がないとき、解体費はどう考える?

この章の要点

  • 柏市で解体するなら、費用は自分で持つ前提で考える。
  • 建物を壊すと、土地の固定資産税の軽減が外れることがある。
  • 古家付きのまま売る、買取にするなど、解体費を持ち出さない方法もある。

解体の補助がない以上、自分で壊すなら、費用は自分で用意することになります。そこで考えたいのが、そもそも自分で壊す必要があるのか、という点です。

まず税金の面では、家が建っている土地は、固定資産税(毎年かかる土地と建物の税金)が軽くなる特例の対象です。住まい1戸あたり200平方メートルまでの部分は、税金の計算のもとになる額が6分の1になります。それを超える部分は3分の1です。家を壊して更地にすると、この特例が外れ、土地の固定資産税が上がることがあります。

解体せずに手放す方法も含めて、3つの売り方を並べてみます。

売り方解体費売れるまでの固定資産税3,000万円の特例
自分で解体して、更地で売る自分で払う特例が外れて上がることがある条件が合えば使える
古家付きのまま売る買う人が壊す前提にできる家があるので軽いまま売った翌年2月15日までに取り壊される形なら対象になりうる
不動産会社の買取買取の値段の中で考える引き渡しまでは軽いまま条件が合えば使える

どれが合うかは、家と土地の状態や、売れるまでの見込みによって変わります。たとえば、建物は古くても土地の形や前の道がよければ、古家付きのままでも買う人が見込めることがあります。反対に、荷物がたくさん残り、片付けの手間が大きい家なら、買取で早めに区切りをつけるのも一つの考え方です。

解体するかどうかの判断の順番は、別の記事でくわしく整理しました。『【2026年版】柏の空き家、解体すべき?費用・固定資産税の落とし穴と「更地にしない」選択肢』が参考になります。早めに手放したい方には、『相続した家を早く現金にしたい|柏で買取を選ぶときの考え方』もおすすめです。

仲介と買取の両方を扱う晃南土地なら、同じ家で、売り出した場合と買い取る場合の見通しを並べてお伝えできます。解体するか、そのまま売るかを手取りで比べたい方は、解体せずに売る方法も扱う「晃南土地」の売却サービスをご覧ください。

今日からできること3つ

この章の要点

  • 名義と、家が建った年を確かめる。
  • 期限のある制度を、カレンダーに書き出す。
  • 直す・貸す・売るの見通しを、並べて聞いてみる。

補助を使うにしても使わないにしても、次の3つから始めると、迷いが整理しやすくなります。

1. 名義と、家が建った年を確かめる:固定資産税の通知書や、登記事項証明書を用意します。登記事項証明書は、土地と建物の持ち主などが書かれた公的な記録です。補助の申し込みでは、持ち主であることを書類で示すのが基本です。建った年が1981年5月以前か、2000年5月以前かで、使える制度も変わります。
2. 期限のある制度を書き出す:補助にも特例にも、締め切りがあります。下の表を、ご家族のカレンダーに写しておくと安心です。
3. 直す・貸す・売るの見通しを並べて聞く:補助の額だけで決めず、特例の有無と手取りまで含めて比べます。

期限を一覧にすると、次のとおりです。

期限中身
2026年10月30日おうち活用事業補助金・モデル事業補助金の申請(2026年度)
2026年11月30日ブロック塀の撤去の補助の受付
2026年12月25日耐震診断の補助の受付
2026年12月31日国の窓・省エネの補助の着工(予算に達すれば早まる)
2027年3月31日2024年4月より前の相続の、相続登記の申請
相続から3年たつ日が属する年の12月31日3,000万円の特例を使う売却
2027年12月31日3,000万円の特例の、いまの制度の期限

名義が親のままなら、相続登記(名義を相続した人に変える手続き)から始めます。相続登記は2024年4月から義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が求められます。2024年4月より前の相続でも、まだなら2027年3月31日までの申請が必要です。進め方は『【2026年版】柏の相続した空き家、名義はそのまま?相続登記の義務化と「名義整理」の進め方』で紹介しています。

決めるまでの間も、家の手入れは続きます。手入れの続け方は、『柏市の空き家管理、遠くからどうする?|通う費用と管理サービスの中身を比べる』が役立ちます。

文字で送るほうが気楽な方は、晃南土地のLINEで売買部に相談することもできます。お子さまに代わりに送ってもらう使い方でも構いません。

よくある質問

Q. 柏市で実家を解体すると、補助金はもらえますか?

A. いいえ、2026年10月時点で、建物の解体費そのものへの補助はありません。道路や通学路に面した危ないブロック塀の撤去には、上限10万円(通学路は20万円)の補助があります。ただし、売る目的の撤去は対象になりません。解体するなら費用は自分で持つ前提で、古家付きのまま売るなど、持ち出さない方法とも比べてみてください。

Q. 補助金は、工事が終わってから申し込めばいいのですか?

A. いいえ、多くの制度は、工事の契約や着手の前に申し込む決まりです。柏市の耐震とブロック塀の補助は、契約の前の申請が条件です。おうち活用事業補助金も、工事に取りかかる前に申し込みます。先に契約してしまうと、補助を受けられなくなることがあります。

Q. 東京に住んでいて、柏の実家に通えません。手続きはできますか?

A. はい、離れて暮らしていても進められる手続きはあります。柏市の耐震診断やブロック塀の補助は、柏市に住んでいることを条件にしていません。売るときの特例に要る柏市の確認書も、郵送で申請できます。交付までは1週間ほどかかるため、確定申告の前に余裕を持って準備します。晃南土地へは、お問い合わせフォームから、来店しなくても相談を始められます。

Q. 兄弟3人で相続しました。気をつけることはありますか?

A. はい、売るときの特例の上限が変わります。2024年以降の売却で、相続した人が3人以上なら、一人あたりの上限は2,000万円です。柏市の確認書は、相続した人が一人ずつ申請書を作ります。耐震やブロック塀の補助も、名義を共有しているなら、ほかの共有者の委任が要ります。

Q. 補助金で直してから売るのと、そのまま売るのは、どちらが得ですか?

A. 家によって答えが変わるため、両方の手取りを並べて比べるのがおすすめです。耐震改修の補助には、工事のあと5年間持ち続ける条件があります。売る予定があるなら、まず特例が使えるかと、そのまま売った場合の値段を確かめると、判断しやすくなります。

まとめ

帰りの電車で探していた答えは、「解体の補助はない。けれど、使える制度はある」でした。この記事のポイントを振り返ります。

  • 柏市には、建物の解体費そのものへの補助はない(2026年10月時点)。
  • 相続した空き家で使いやすいのは、耐震診断と、危ないブロック塀の撤去の補助(塀は、売るための撤去を除く)。
  • 窓の断熱などの省エネの補助は、住む人や貸す人向け。柏市の窓の補助は、住む人だけ。
  • 地域に貸すなら、おうち活用事業補助金。ただし、貸すと売るときの3,000万円の特例は使えなくなる。
  • 売る予定があるなら、補助より先に、特例の期限と手取りを確かめる。

「うちの実家なら、どの制度が使えて、売るといくら残るのか」。そう思われた方は、ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。

何から考えればよいか相談したい方は、柏の空き家の補助金と売り方について「晃南土地」に問い合わせるからどうぞ。

書類を持って、顔を合わせて話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。

売るときの流れを先に知りたい方は、「晃南土地」の不動産売却サービスをご覧ください。

メッセージで気軽に送りたい方は、晃南土地のLINEで売買部に問い合わせることもできます。

晃南土地は、2026年12月に柏駅から徒歩6分の柏市中央町に、柏支店を開業する予定です。開業までの来店のご相談は、我孫子店でお受けしています。くわしくは「晃南土地」柏支店のページをご覧ください。

「補助のことだけ聞きたい」と一言添えていただければ、売却を前提とせず、状況の整理からお手伝いします。

企画構成・文/晃南土地 編集部

千葉県我孫子市を拠点に、1991年から地域の不動産に携わる晃南土地株式会社の編集部です。売買・賃貸・賃貸管理・買取り・リノベーションを一社で手がける立場から、柏・我孫子エリアの住まいと不動産の情報を、分かりやすくお届けします。

参考にした公的データ・情報

関連記事はこちら

お電話でお問い合わせ

*04-7182-6662

営業時間:10:00〜18:00

晃南土地へお問い合わせ*