家賃滞納されたら大家がやること|督促から明け渡しまでの流れ
千葉県我孫子市や柏市でアパート・マンションの一室・戸建てを貸しているオーナーの方へ。
「今月の家賃がまだ入っていない。すぐに連絡していいのか、どこまで強く言っていいのか分からない」
家賃の入金がない月は、オーナーにとって落ち着かないものです。結論から言うと、家賃滞納への対応は「早く気づき、記録を残しながら、段階を踏んで進める」ことが基本です。多くの滞納は、早い段階の連絡で解消に向かうとされる一方で、長引いた場合には、契約解除や明け渡しの手続きまで視野に入れる必要が出てきます。そして、どれだけ困っていても、鍵を替える・荷物を運び出すといった自力での追い出しは避けなければなりません。
この記事では、家賃の滞納が起きた後にオーナーが取る手順を、初動の確認から、書面での督促、保証会社や連帯保証人への対応、内容証明郵便、契約解除、明け渡し請求の訴訟と強制執行までの流れに沿って整理します。あわせて、やってはいけない対応と、次の滞納を防ぐための仕組みづくりも紹介します。入居者対応から集金・督促までを任せられる先を探している方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスもあわせてご覧ください。
家賃滞納への対応は「時間との勝負」
家賃滞納は、放っておくほど回収が難しくなりやすいトラブルです。1か月分の未払いであれば、入居者にとっても支払いの目処を立てやすい金額ですが、2か月、3か月と積み重なると、まとめて払うことが現実的でなくなっていきます。
国土交通省が公表した「極度額に関する参考資料」(平成30年3月)には、賃貸住宅の管理会社を対象にした家賃滞納の調査結果が載っています。家賃滞納が1,000件発生したと仮定した場合、1か月経過した時点で全額を回収できたのは942.9件でした。つまり、滞納の多くは最初の1か月のうちに解消されていることになります。その一方で、解消しなかったケースでは、平均3.1か月経過した時点で合意解約の提案、平均4.0か月経過した時点で明け渡し訴訟の提起へと進んでいます。
この数字から読み取れるのは、「最初の1か月の動き方」がその後を大きく左右するということです。
感情ではなく、手順で動く
家賃の入金がないと、「約束を破られた」という気持ちが先に立つこともあるかもしれません。ただ、滞納の理由は、単純な引き落とし口座の残高不足から、失業や病気、家族の事情までさまざまです。最初から強い言葉で責めると、入居者が連絡を避けるようになり、かえって解決が遠のくことがあります。
大切なのは、事実を確かめ、記録を残し、決めた順番で対応を進めることです。手順が決まっていれば、オーナー自身の負担も軽くなります。
滞納に気づいたら、最初の数日でやること
入金の事実を確かめる
まずは、本当に入金がないのかを確認します。振込日のずれ、振込名義の違い、口座振替の処理日の関係などで、入金が遅れて見えているだけのこともあります。家賃保証会社の集金代行を利用している場合は、保証会社側の入金状況もあわせて確認しましょう。
入居者へ丁寧に連絡する
入金がないことを確かめたら、できるだけ早く入居者に連絡します。最初の連絡は、責める口調ではなく、「入金の確認が取れていないため、状況を教えてほしい」という確認の形にするのがおすすめです。うっかり忘れていた場合は、この連絡だけで解決することもあります。
連絡の手段は、電話やメール、SMSなど、契約時に取り決めた連絡先を使います。深夜や早朝の連絡、勤務先への繰り返しの電話、第三者に滞納の事実が伝わるような伝え方は避けましょう。入居者の生活やプライバシーを不必要に脅かす督促は、トラブルを大きくするもとになります。
やり取りはすべて記録に残す
いつ、誰が、どの手段で、どのような内容を伝え、相手がどう答えたのかを、日付とあわせて記録しておきます。支払いの約束があった場合は、約束した日付と金額も残します。後に書面での督促や訴訟に進んだとき、この記録が経緯を示す大切な資料になります。
督促は段階を踏んで進める
最初の連絡で支払いがなかった場合は、段階的に督促を強めていきます。一般的な進め方の目安を表にまとめました。実際の時期は、契約内容や滞納の理由、入居者との連絡の取れ具合によって変わります。
| 段階 | 主な対応 | ポイント |
|---|---|---|
| 滞納に気づいた直後 | 入金確認・電話やメールでの連絡 | 責めずに状況を確認する |
| 支払いの約束が守られない | 書面(督促状)の送付 | 金額・支払期限・振込先を明記する |
| 保証会社・連帯保証人 | 契約に沿って連絡・請求 | 保証会社は届出期限に注意 |
| 滞納が続く | 内容証明郵便での催告 | 期限までに支払いがなければ解除する旨を記す |
| 催告しても支払いがない | 契約解除・明け渡しの話し合い | 合意できれば合意書を交わす |
| 話し合いがまとまらない | 明け渡し請求の訴訟 | 専門家と連携して進める |
| 判決後も退去しない | 強制執行の申立て | 執行官による手続き |
書面の督促状で伝えること
電話やメールで支払いがない場合は、書面の督促状を送ります。書面には、滞納している月と金額、支払期限、振込先、連絡先を記載します。書面で伝えると、入居者にとっても「きちんと対応しなければならない」という認識が生まれやすくなります。
督促状は、感情的な表現を避け、事実と依頼を淡々と書くのが基本です。支払いが難しい事情がある場合は連絡してほしい旨を添えておくと、分割払いなどの話し合いにつながることもあります。
家賃保証会社を利用している場合の対応
入居時に家賃保証会社と契約している場合は、保証会社への連絡が対応の中心になります。保証会社は、入居者が家賃を払わないときに、オーナーへ家賃を立て替えて支払い、その後に入居者へ請求する役割を担います。
保証会社の「届出期限」を確認する
保証会社の契約には、滞納が発生したときにオーナー(または管理会社)が保証会社へ届け出る期限が定められていることが一般的とされています。期限を過ぎると保証の対象外となるおそれもあるため、契約書で届出の方法と期限を確認しておきましょう。滞納に気づいたら、入居者への連絡と並行して、早めに保証会社へ連絡するのが安心です。
保証会社にも「やってはいけないこと」がある
2022年12月12日、最高裁判所は、ある家賃保証会社の契約書にあった条項のうち、一定の条件を満たすと賃貸物件の明け渡しがあったものとみなす条項などについて、消費者契約法に反して無効とする判断を示しました。保証会社を利用していても、入居者の生活の基盤である住まいを、法的な手続きを経ずに取り上げるような対応は認められないという考え方です。
保証会社が立て替えてくれるからといって、明け渡しまで保証会社が自由に進めてよいわけではありません。オーナーとしても、保証会社の対応方針を確認しておくことが大切です。保証会社の仕組みや選び方は、『家賃保証会社の仕組みと選び方|我孫子の賃貸オーナーが滞納リスクを減らすために知っておくべきこと』で詳しく解説しています。
連帯保証人がいる場合の対応と民法改正のポイント
保証会社ではなく、個人の連帯保証人を立てている契約もあります。この場合は、滞納が続いたときに連帯保証人へ支払いを請求することができます。ただし、2020年4月1日に施行された改正民法によって、個人の保証に関するルールが大きく変わっています。
極度額の定めがない個人の保証は無効
民法第465条の2では、個人が保証人になる根保証契約について、保証人が責任を負う上限額である「極度額」を定めなければ、その効力を生じないと定めています。賃貸借契約から生じる入居者の債務を保証する連帯保証人も、この根保証契約に当たります。法務省は、極度額は「○○円」などと明瞭に定め、書面に記載しておく必要があると説明しています。
原則として、2020年4月1日より前に結ばれた保証契約には改正前の民法が、それ以降に結ばれた保証契約には改正後の民法が適用されます。更新の扱いによって適用が変わる場合もあるため、今の契約書に極度額の記載があるか、保証契約をいつ結んだのかを確認しておきましょう。
連帯保証人から求められたら、支払状況を伝える
民法第458条の2では、入居者から頼まれて保証人になった人から請求があったときは、貸主は遅滞なく、滞納の有無や残額などの情報を提供しなければならないと定めています。また、国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」の解説では、請求がない場合でも、保証人へ積極的に情報提供することが望ましいとしています。滞納を長く放置し、連帯保証人の負担が膨らんでから一度に請求すると、話し合いがこじれやすくなります。
入居者が亡くなった場合の注意点
民法第465条の4では、入居者(主たる債務者)や保証人が死亡したときに、個人根保証の元本が確定すると定めています。国土交通省の標準契約書の解説では、借主の死亡後に生じた家賃は、基本的に保証の範囲に含まれないと考えられるとしつつ、具体的な範囲は事案や解釈によって異なり得るとしています。高齢の入居者が多い物件では、こうした点も含めて契約内容を見直しておくと安心です。
なお、国土交通省の同資料では、裁判所の判決で連帯保証人の負担として確定した額が、平均で家賃の約13.2か月分だったという調査結果も紹介されています。滞納が長引くほど、保証人を含めた関係者の負担が大きくなることが分かります。
内容証明郵便で「催告」する
電話や書面での督促に応じてもらえない場合は、内容証明郵便での催告を検討します。内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰あてに差し出したかを、日本郵便が証明する郵便サービスです。配達証明を付けると、相手に届いた日も証明できます。
催告書に記載する主な内容
□ 滞納している期間と金額の合計
□ 支払いを求める期限(相当の期間を定める)
□ 振込先
□ 期限までに支払いがない場合は、賃貸借契約を解除する旨
□ 差出人と受取人の住所・氏名
民法第541条では、相手が債務を履行しない場合に、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、契約を解除できると定めています。内容証明郵便での催告は、この「催告をした」ことを後から示すための手段として使われます。
ただし、文面の書き方や、解除の意思表示を同じ書面に含めるかどうかは、滞納の状況や契約内容によって判断が分かれるところです。訴訟まで見据える場合は、提携の弁護士などの専門家と連携して文面を整えることをおすすめします。
契約解除のルールと「信頼関係破壊の法理」
家賃を1か月滞納されたら、すぐに契約を解除できるのでしょうか。実務上は、そう簡単ではないとされています。
滞納の程度と経緯が問われる
建物の賃貸借は、入居者の生活の基盤に関わる長期の契約です。そのため、判例では、賃料の不払いがあっても、当事者の間の信頼関係が壊れたといえるほどの事情がなければ、解除は認められにくいという考え方がとられてきました。これが一般に「信頼関係破壊の法理」と呼ばれるものです。
国土交通省の標準契約書の解説でも、賃料の長期不払いなど、賃借人の義務違反の程度が甚だしく、契約の継続を著しく困難にするような背信行為がある場合には、催告なしでの解除も認められてきたことが紹介されています。裏を返せば、短期間の滞納や、支払いの意思を示している場合には、解除が認められない可能性もあるということです。
契約書の解除条項だけで判断しない
契約書に「1か月でも滞納したら解除できる」と書いてあっても、その条項どおりの解除が認められるとは限りません。何か月分の滞納で、どのような督促をしてきたのか、入居者がどう対応してきたのかといった経緯全体が見られます。督促の記録を残しておくことが大切なのは、このためです。
解除できるかどうかの具体的な判断は、提携の弁護士などの専門家と連携してサポートいたします。
話し合いで解決する選択肢
滞納が続いても、すぐに訴訟に進むとは限りません。話し合いで解決できれば、時間と費用の負担を抑えられます。
分割払いの合意
入居者に支払う意思があり、一時的な事情で払えなくなっている場合は、未払い分を分割で払ってもらう方法があります。この場合は、毎月いくらを、いつまでに払うのか、今後の家賃とあわせてどう支払うのかを書面にまとめ、双方が署名しておきましょう。分割の約束が守られなかった場合の取り決めも入れておくと、次の対応に移りやすくなります。
合意解約と退去日の取り決め
支払いの見込みが立たない場合は、入居者と話し合い、契約を合意で終わらせて退去してもらう方法もあります。前述の国土交通省の調査でも、訴訟に進む前の段階で合意解約を提案し、明け渡しに至るケースが一定数あることが示されています。
合意解約では、退去日、未払い家賃の扱い、室内に残った物の扱い、原状回復の範囲などを書面で取り決めます。退去を急ぐあまり口約束で済ませると、後から「そんな約束はしていない」という行き違いが起きかねません。
ここまで読んで、「今まさに入金がない部屋がある。どこから手を付ければいいか相談したい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。滞納の状況や契約内容を伺いながら、進める順番から整理したい方は、家賃滞納の対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。督促から入居者対応までを任せる場合の内容は、「晃南土地」の賃貸管理サービスで紹介しています。
明け渡し請求の訴訟から強制執行までの流れ
話し合いで解決できない場合は、裁判所の手続きで明け渡しを求めることになります。大まかな流れは次のとおりです。
1. 内容証明郵便などで催告し、契約を解除する
2. 建物明け渡しと未払い家賃の支払いを求めて訴訟を起こす
3. 口頭弁論などを経て、判決や和解に至る
4. 判決に従って退去しない場合は、強制執行を申し立てる
5. 執行官が明け渡しの催告を行い、期限を過ぎても退去しなければ明け渡しが実行される
強制執行の「明渡しの催告」
民事執行法第168条の2では、執行官が明け渡しの強制執行の申立てを受けたとき、引渡し期限を定めて「明渡しの催告」ができると定めています。引渡し期限は、原則として催告があった日から1か月を経過する日とされています。
期間と費用の目安
国土交通省の「極度額に関する参考資料」では、家賃滞納の発生から、判決が確定して強制執行が完了するまでの期間が平均9.1か月、その時点での未納家賃が平均9.7か月分、強制執行のために特別に支出する経費が平均50.7万円という調査結果が示されています。これは平成29年から30年にかけての調査で、あくまで平均値です。物件の規模や残された荷物の量、手続きの進み方によって、期間も費用も大きく変わります。
訴訟から強制執行まで進むと、未払い家賃に加えて、手続きの費用や空室期間の損失も重なります。「最初の1か月の動き方が大切」というのは、このためでもあります。訴訟や強制執行の手続きは、提携の弁護士などの専門家と連携して進めることをおすすめします。
やってはいけない「自力救済」
家賃を払わない入居者がいると、「自分の物件なのだから、自分で追い出してもいいのでは」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、法的な手続きを経ずに、オーナーが自分の力で明け渡しを実現しようとする「自力救済」は、原則として認められていません。
避けたい行為の例
□ 無断で部屋の鍵を交換する、鍵穴をふさぐ
□ 入居者の不在中に部屋へ入る
□ 室内の荷物を運び出す、処分する
□ 電気・ガス・水道を止めるよう手配する
□ 玄関ドアや共用部に滞納の事実を貼り出す
□ 深夜や早朝に何度も訪問・電話をする
こうした行為をすると、オーナーのほうが損害賠償を求められたり、場合によっては刑事上の責任を問われたりするおそれがあります。滞納している入居者に非があるとしても、対応を誤るとオーナーが不利な立場になりかねません。
連絡が取れず、部屋も使われていない様子のとき
「連絡がつかないまま、部屋に人の気配もない」というケースもあります。この場合も、オーナーの判断だけで室内の荷物を処分することは避けたほうがよいでしょう。前述の最高裁判決でも、一定の条件で明け渡しがあったものとみなす条項が無効と判断されています。緊急連絡先や連帯保証人への確認を重ねたうえで、法的な手続きを専門家と相談しながら進めることが大切です。
なお、火災や漏水など、緊急の必要がある場合の立ち入りは、契約書の定めに沿って対応します。滞納とは分けて考えましょう。
滞納の対応を続けながら、オーナーが整えておくこと
滞納が起きている間も、物件の運営は続いています。対応を進めながら、次の点も整えておきましょう。
記録と書類をひとまとめにする
賃貸借契約書、保証契約書、重要事項説明書、入居申込書、督促の記録、送付した書面の控え、内容証明郵便の控えと配達証明などを、ひとつのファイルにまとめておきます。専門家に相談するときや、訴訟に進むときに、経緯をすぐに説明できるようになります。
ほかの入居者への配慮
滞納の事実を、ほかの入居者や近隣に話すことは避けましょう。個人の支払い状況は、本人にとって知られたくない情報です。共用部の掲示や、近所での立ち話がきっかけでトラブルが広がることもあります。
お金の流れを見直す
家賃の入金が止まると、ローンの返済や修繕の積み立てなど、オーナー側の支払い計画にも影響が出ます。滞納が長引きそうな場合は、手元の資金で何か月分の支出をまかなえるかを確認しておくと、落ち着いて対応を進めやすくなります。空室になった場合の募集や原状回復の費用も見込んでおくと、明け渡しの後に慌てずに済みます。未払い家賃の税務上の扱いについては、顧問の税理士などの専門家に確認しておきましょう。
次の滞納を防ぐ仕組みづくり
滞納への対応が落ち着いたら、同じことが起きにくい仕組みを整えておきましょう。
家賃保証会社の利用を検討する
家賃保証会社を利用すると、滞納が起きたときに家賃の立て替えを受けられるため、オーナーの収入が途切れにくくなります。保証の範囲(家賃のみか、原状回復費用や訴訟費用も含むか)や、届出の手続きは会社によって異なるため、内容を比べて選ぶことが大切です。
入居審査で支払い能力を確かめる
入居審査では、収入と家賃のバランス、勤務状況、これまでの住まいの状況などを確認します。審査を厳しくしすぎると空室が長引くこともあるため、保証会社の審査とあわせてバランスを取ることが大切です。審査の考え方は、『柏の賃貸入居審査、何を見て判断する?|オーナーが知る基準』も参考にしてください。
支払い方法を口座振替にする
振込での支払いは、入居者がうっかり忘れることもあります。口座振替にすると、毎月決まった日に自動で引き落とされるため、支払い忘れを減らしやすくなります。
管理会社に集金と督促を任せる
入金の確認から督促、保証会社への届出までを、オーナーが一人で続けるのは負担が大きいものです。管理会社に集金業務を任せると、入金の遅れに早く気づき、決まった手順で対応してもらえます。会社員として働きながら物件を持っている方や、遠方に住んでいる方にとっては、とくに負担の差が大きい部分です。
柏・千葉県我孫子市で賃貸を持つオーナーが備えておきたいこと
柏市や我孫子市は、JR常磐線沿いに住宅地が広がり、単身の会社員や学生、ファミリー、高齢の方まで、幅広い入居者が暮らすエリアです。入居者の層が幅広いということは、滞納の理由もさまざまだということです。転職や勤務先の事情による一時的な収入の減少もあれば、高齢の入居者が入院して支払いが止まるといったケースも考えられます。
そのため、滞納が起きてから慌てるのではなく、入居時点で緊急連絡先を確かめ、保証会社や連帯保証人の契約内容を把握しておくことが、最初の備えになります。
また、秋から年末にかけては、翌年春の繁忙期に向けて募集条件を見直すオーナーの方も増える時期です。このタイミングで、保証会社の利用を入居条件にするか、口座振替を標準にするかなど、滞納を防ぐ条件もあわせて整理しておくとよいでしょう。入居者トラブル全般への備えは、『柏の賃貸経営、入居者トラブルにどう対応する?実例と解決策』もあわせてご覧ください。
よくある質問
家賃滞納は何か月で契約を解除できますか?
何か月の滞納で解除できると法律で一律に決まっているわけではありません。滞納の期間や金額、督促への対応、支払いの意思の有無などを踏まえて、当事者の信頼関係が壊れたといえるかどうかが問われます。3か月程度の滞納がひとつの目安として語られることもありますが、個別の事情によって判断が分かれるため、提携の専門家と連携して検討することをおすすめします。
連帯保証人に請求するタイミングはいつがよいですか?
契約内容によりますが、滞納が続いている事実は、早めに連帯保証人へ伝えておくのがおすすめです。滞納が長く積み重なってから一度に請求すると、連帯保証人の負担が大きくなり、話し合いがこじれやすくなります。なお、2020年4月1日以降に結ばれた個人の保証契約では、極度額の範囲でしか請求できない点にも注意が必要です。
滞納している入居者の部屋の鍵を替えてもいいですか?
法的な手続きを経ずに鍵を替えることは、自力救済にあたるおそれがあり、避けるべき行為です。入居者から損害賠償を求められるなど、かえってオーナーが不利な立場になりかねません。退去してもらいたい場合は、話し合いによる合意解約か、訴訟と強制執行という法的な手続きで進めます。
家賃保証会社に入っていれば、オーナーは何もしなくていいですか?
保証会社を利用していても、滞納の届出など、オーナーや管理会社が行う手続きがあります。届出の期限を過ぎると保証の対象外になるおそれもあるため、契約書で手続きの流れを確認しておきましょう。また、保証会社が明け渡しを自由に進められるわけではない点にも注意が必要です。
滞納への対応を管理会社に任せることはできますか?
管理会社に集金業務を委託している場合は、入金の確認、入居者への連絡、督促、保証会社への届出などを任せられるケースが多いとされています。訴訟などの法的な手続きは、管理会社が弁護士などの専門家と連携して進める形になります。委託できる範囲は管理会社ごとに異なるため、契約前に確認しておきましょう。
まとめ
家賃滞納への対応は、早く気づき、記録を残しながら、段階を踏んで進めることが基本です。入金を確かめたら、責めずに状況を確認する連絡から始め、支払いがなければ書面、保証会社や連帯保証人への対応、内容証明郵便での催告へと進みます。それでも解決しない場合は、合意解約の話し合いや、明け渡し請求の訴訟、強制執行といった法的な手続きを検討します。
一方で、鍵の交換や荷物の撤去といった自力救済は避けなければなりません。2020年の民法改正で変わった連帯保証のルール(極度額・情報提供・元本の確定)も押さえたうえで、対応が落ち着いたら、保証会社の利用や入居審査、口座振替など、次の滞納を防ぐ仕組みを整えておきましょう。
ここまで読んで、「自分の物件の場合、どの段階で何をすればいいのか、一緒に整理してほしい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。
滞納の状況だけ伝えて、対応の順番から相談したい方は、家賃滞納の対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。
対面で契約書を見ながら話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。
集金や督促、入居者対応まで任せる場合の内容を先に知りたい方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスを詳しく見るをご覧ください。
「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく状況整理のサポートとして対応いたします。