入居者に退去をお願いしたいとき|更新拒絶と立ち退き料の基本
柏市や千葉県我孫子市で貸家やアパートを持ち、建て替えや売却、家族の住まいとしての利用などを考え始めているオーナーの方へ。
「建物も古くなってきたし、そろそろ自分たちで使いたい。でも、今住んでいる方にどう切り出せばいいのか分からない」
入居者に退去をお願いしたい事情があっても、何から手をつければよいのか迷う方は少なくありません。結論から言うと、普通借家契約の入居者に退去してもらうには、法律で決められた期限までに通知をし、そのうえで「正当事由」が認められる必要があります。そして実務では、オーナーの事情を丁寧に説明し、立ち退き料や引っ越し先の相談なども含めて、入居者と話し合いで合意を目指す進め方が基本になります。
この記事では、入居者に退去をお願いしたいオーナーの方に向けて、借地借家法の更新拒絶と解約申入れの決まり、正当事由の考え方、立ち退き料の位置づけ、定期借家契約との違い、話し合いの進め方と合意書の作り方、そして話し合いがまとまらないときの流れまでを順番に整理します。入居者とのやり取りを含めて物件の運営を任せられる先を探している方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスもあわせてご覧ください。
オーナーから退去をお願いするのは簡単ではない
まず押さえておきたいのは、住まいとして貸している建物の場合、オーナーの都合だけで入居者に退去してもらうことは難しい、という点です。
借地借家法は、借りている人の住まいが突然失われないよう、入居者を手厚く守る仕組みになっています。期間の定めがある普通借家契約では、オーナーが何もしなければ契約は自動的に更新されますし、更新しないと伝えるにも期限と理由が求められます。さらに、借地借家法第30条では、こうした規定に反する特約で入居者に不利なものは無効とされています。「契約書に書いておけば退去してもらえる」という考え方は通用しにくいのです。
「お願い」から始まる手続きと考える
そのため、オーナーからの退去は、法律上の手続きであると同時に、入居者への「お願い」から始まるものと考えたほうが現実的です。入居者にとっては、住まいを変えることは生活の土台が揺らぐ大きな出来事です。仕事や通学、家族の事情など、さまざまな事情を抱えています。
法律の決まりを知っておくことは大切ですが、それを盾に押し切ろうとすると、話し合いがこじれて時間も費用もかさむおそれがあります。決まりを理解したうえで、相手の事情にも耳を傾ける姿勢が、結果的にスムーズな退去につながります。
退去をお願いしたくなる主な理由
オーナーが入居者に退去をお願いしたいと考える理由は、さまざまです。
| 主な理由 | 具体的な場面の例 |
|---|---|
| 建物の老朽化 | 耐震性や設備の傷みが進み、建て替えや大規模な改修を考えている |
| 自己使用・家族の使用 | 自分や子ども世帯が住むために、貸している家を使いたい |
| 売却 | 空き家の状態で売りたい、土地として売りたい |
| 相続・資産整理 | 相続した物件を整理し、分けやすい形にしたい |
| 入居者側の問題 | 家賃の滞納や、ルールに反する使い方が続いている |
このうち、家賃の滞納やルール違反が続いている場合は、契約違反を理由とした契約解除の問題になり、ここで扱う更新拒絶や解約申入れとは考え方が異なります。本記事では、入居者に大きな落ち度がないなかで、オーナー側の事情によって退去をお願いしたいケースを中心に整理します。
入居者の家賃滞納やトラブルへの対応については、『柏の賃貸経営、入居者トラブルにどう対応する?実例と解決策』で詳しく紹介しています。
借地借家法の基本|更新拒絶と解約申入れ
オーナーから契約を終わらせる方法は、契約に期間の定めがあるかどうかで分かれます。どちらにも共通するのは、期限を守ったうえで、正当事由が必要になるという点です。
期間の定めがある場合は「更新拒絶」
2年契約のように期間の定めがある普通借家契約では、借地借家法第26条により、期間満了の1年前から6か月前までの間に、入居者に「更新をしない旨」の通知をしなかった場合、それまでと同じ条件で契約を更新したものとみなされます。これを「法定更新」と呼びます。
つまり、契約の満了日に合わせて退去をお願いしたい場合は、満了の1年前から6か月前までの間に、更新しない旨を伝える必要があります。この期間を過ぎてから「次は更新しません」と伝えても、満了日に契約を終わらせることは難しくなります。
期間の定めがない場合は「解約申入れ」
もともと期間を定めていない契約や、法定更新によって期間の定めがない状態になった契約では、オーナーは解約の申入れをすることになります。借地借家法第27条では、オーナーが解約の申入れをした場合、申入れの日から6か月を経過することで契約が終了するとされています。
見落としやすいのが、法定更新された後の契約です。第26条のただし書きにより、法定更新された契約は「期間の定めがないもの」として扱われます。長く住んでいる入居者との契約が、気づかないうちにこの状態になっていることもあります。
期限を守っても、それだけでは終わらない
ここで大切なのは、通知や申入れの期限を守れば退去してもらえる、というわけではない点です。借地借家法第28条により、更新拒絶の通知も解約の申入れも、「正当の事由」があると認められる場合でなければできないとされています。期限は入口の条件にすぎず、正当事由の有無が問われることになります。
| 契約の状態 | オーナーが行うこと | 期限・期間 | 正当事由 |
|---|---|---|---|
| 期間の定めがある | 更新しない旨の通知 | 満了の1年前から6か月前まで | 必要 |
| 期間の定めがない(法定更新後を含む) | 解約の申入れ | 申入れから6か月で終了 | 必要 |
正当事由とは何か
正当事由は、借地借家法第28条で、次のような事情を考慮して判断するものとされています。
- オーナーと入居者の双方が、その建物を使う必要性(建物の使用を必要とする事情)
- これまでの賃貸借の経過(契約の経緯、家賃の支払い状況、関係性など)
- 建物の利用状況と、建物の現況(老朽化の程度など)
- オーナーが明け渡しの条件として、または引き換えに、入居者へ財産上の給付をする申出(いわゆる立ち退き料)
中心になるのは「建物を使う必要性」の比べ合い
条文の書き方から、中心になるのはオーナーと入居者のどちらが、どの程度その建物を必要としているか、という点だと考えられています。オーナーが自分で住む必要が差し迫っているのか、入居者にとってほかに住まいを移すことがどのくらい難しいのか、といった事情を比べることになります。
そのほかの要素は、この必要性の比べ合いを補うものとして考慮されます。たとえば、建物の傷みが進んで安全面に不安がある場合は、建物の現況がオーナー側の事情を後押しする要素になりえます。
立ち退き料は「補う」要素
立ち退き料の申出は、正当事由を補う要素のひとつとして位置づけられています。立ち退き料を払えば正当事由が認められる、というものではなく、オーナー側の事情だけでは足りない部分を、財産上の給付によって補うという考え方です。
逆に言えば、オーナー側の必要性をうまく説明できない状態で、立ち退き料の金額だけで解決しようとしても、話し合いは進みにくいでしょう。まずは「なぜ退去をお願いしたいのか」を、具体的に説明できるようにしておくことが出発点です。
立ち退き料の基本的な考え方
「立ち退き料はいくら払えばいいのか」は、オーナーの方がもっとも気にする点のひとつです。
法律で金額が決まっているわけではない
まず知っておきたいのは、立ち退き料の金額は法律で決められていないということです。借地借家法第28条も「財産上の給付をする旨の申出」を考慮すると定めているだけで、金額の基準は示していません。インターネット上では「家賃の何か月分」といった目安が語られることもありますが、物件や入居者の事情によって大きく変わるため、ひとつの数字で判断するのは危険です。
一般に考慮される要素
実務では、入居者が引っ越すことで生じる負担を、どのくらい補うかという観点から考えることが多いとされています。一般に考慮される要素には、次のようなものがあります。
- 引っ越し業者に支払う費用
- 新しい住まいを借りるための初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 新しい住まいの家賃が今より高くなる場合の差額
- 退去までの期間の家賃の扱い(一定期間を免除するなど)
- 入居者の年齢や健康状態、家族の事情による負担の大きさ
- 店舗や事務所として使っている場合は、営業上の損失
どの要素をどの程度考慮するかは、正当事由の強さや、入居者の事情によって変わります。オーナー側の必要性が高く、建物の老朽化も進んでいるような場合と、そうでない場合とでは、必要とされる立ち退き料の水準も異なると考えられます。
金額だけでなく「条件」で調整する
立ち退き料は、現金だけでなく、条件で調整できる部分もあります。たとえば、退去日を入居者の都合に合わせて余裕を持たせる、退去までの家賃を免除する、敷金を全額返還する、引っ越し先の紹介を手伝う、といった対応です。入居者にとって何がいちばんの負担なのかを聞き取り、それに合った形で補うことで、金額以上に納得を得られることもあります。
定期借家契約との違い
退去の話を考えるうえで、定期借家契約(定期建物賃貸借)との違いも押さえておきましょう。
定期借家は期間満了で終わる契約
借地借家法第38条の定期借家契約は、公正証書による等書面によって契約し、更新がないことをあらかじめ書面で説明するなどの要件を満たせば、期間の満了によって契約が終了する仕組みです。普通借家契約のように、更新拒絶に正当事由が求められることはありません。
ただし、期間が1年以上の定期借家契約では、期間満了の1年前から6か月前までの間に、期間の満了で契約が終わる旨を入居者に通知しなければ、終了を入居者に対抗できないとされています(同条第6項)。定期借家であっても、通知を忘れると予定どおりに終わらない可能性があります。
今の契約を定期借家に切り替えられるとは限らない
「今の入居者との契約を定期借家に切り替えれば、退去をお願いしやすくなるのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、国土交通省の定期建物賃貸借Q&Aでは、定期借家制度が始まる前(平成12年3月1日より前)に結ばれた居住用の建物の賃貸借については、当事者が合意しても、当分の間は定期借家契約に切り替えることはできないと説明されています。それ以降の契約であっても、切り替えは入居者に不利益な変更になるため、十分な説明と納得が欠かせません。
| 比べる点 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
|---|---|---|
| 契約の更新 | 原則として更新される | 更新がない |
| オーナーからの終了 | 期限内の通知と正当事由が必要 | 期間満了で終了(1年以上なら通知が必要) |
| 契約の方法 | 口頭でも成立する | 書面での契約と事前の書面説明が必要 |
これから新しく貸す物件で、数年後に自分で使う予定がある場合などは、最初から定期借家で貸すことを検討する余地があります。詳しくは国土交通省の定期建物賃貸借/国土交通省もご確認ください。
退去をお願いする前に確認しておきたいこと
入居者に話を切り出す前に、オーナーの側で整理しておきたいことがあります。準備が不十分なまま話を始めると、説明がぶれて信頼を失いかねません。
□ 契約書を確認し、契約期間・満了日・更新の履歴を把握している
□ 法定更新によって期間の定めがない状態になっていないか確認している
□ 退去をお願いしたい理由を、具体的に説明できるように整理している
□ 建て替えや売却の計画、時期の見通しをある程度固めている
□ 入居者の家族構成や入居年数など、配慮が必要な事情を把握している
□ 立ち退き料や条件について、出せる範囲をあらかじめ考えている
□ 通知や申入れの期限から逆算したスケジュールを立てている
スケジュールは「1年以上前」から考える
更新拒絶の通知は満了の1年前から6か月前まで、解約申入れも申入れから6か月が必要です。さらに、入居者が新しい住まいを探し、引っ越すまでの時間も考えると、退去を希望する時期の1年以上前から準備を始めるのが現実的です。
たとえば、秋の今の時期に「再来年の春までに建て替えに着手したい」と考えているなら、今のうちから契約内容を確認し、入居者への説明の準備を進めておくと、無理のないスケジュールを組みやすくなります。入居者にとっても、1月から3月の引っ越しの繁忙期を避けて動けるかどうかは、負担の大きさに関わります。
契約の更新時期を機に、契約内容や条件を見直す考え方は、『柏の賃貸、契約更新のタイミングで見直すこと|更新料・条件変更・管理体制』も参考にしてください。
「自分の契約の場合、いつまでに何を伝えればいいのか、まず確認してほしい」という方は、入居者への退去のお願いについて「晃南土地」に相談するからご連絡ください。契約内容の確認から入居者とのやり取りまでを任せる場合の内容は、「晃南土地」の賃貸管理サービスで紹介しています。
入居者への伝え方と話し合いの進め方
準備が整ったら、入居者への説明に進みます。ここでの進め方が、その後の話し合いの流れを大きく左右します。
早めに、直接、理由とともに伝える
退去のお願いは、できるだけ早い段階で伝えるほうが、入居者も次の住まいを考える時間を取れます。いきなり書面だけを送るのではなく、まずは面談などで直接事情を説明し、そのうえで書面を渡す形のほうが、受け止めてもらいやすい傾向があります。
伝えるときは、「なぜ退去をお願いしたいのか」を具体的に話しましょう。建物の老朽化が理由であれば、どこがどのように傷んでいるのか、家族の使用が理由であれば、どのような事情で必要になったのかを説明します。理由があいまいなままでは、入居者は「本当は家賃を上げたいだけでは」と疑念を抱きかねません。
相手の事情を聞く時間をとる
説明と同じくらい大切なのが、入居者の事情を聞くことです。子どもの学校、仕事の場所、高齢の家族の通院など、引っ越しにあたっての心配ごとは人によって異なります。事情を聞いたうえで、退去の時期や条件を一緒に考える姿勢を示すと、話し合いが前向きに進みやすくなります。
代わりの住まい探しを手伝う
入居者にとって大きな不安のひとつが、「次の住まいが見つかるか」です。オーナー側で、条件の近い物件の情報を提供したり、不動産会社を紹介したりできると、入居者の負担を減らせます。同じエリアに所有している別の物件があれば、そちらへの住み替えを提案できる場合もあります。
書面で通知し、記録を残す
更新拒絶の通知や解約の申入れは、口頭でも法律上は成立しうるとされていますが、後から「聞いていない」「期限を過ぎていた」という争いになるのを防ぐため、書面で行い、送った日付が分かる形で記録を残しておくことが大切です。内容証明郵便を使う方法もありますが、いきなり内容証明が届くと入居者が身構えることもあるため、まずは面談で説明してから書面を送る、という順番を意識するとよいでしょう。
合意できたら「合意書」を作る
話し合いがまとまったら、合意した内容を書面に残します。口約束のままでは、退去日や立ち退き料の支払い時期をめぐって、後から食い違いが生じるおそれがあるためです。
合意書に記載する主な項目
- 契約を合意によって終了する日(契約終了日)
- 明け渡しの期日と、明け渡しの方法(鍵の返却など)
- 立ち退き料の金額、支払い方法、支払いの時期
- 退去までの家賃の扱い(支払うのか、免除するのか)
- 敷金の返還の扱い、原状回復の範囲
- 期日までに明け渡しがされなかった場合の取り扱い
- 残置物(残された家具など)の扱い
立ち退き料の支払いは、明け渡しと引き換えにする、あるいは一部を先に払い残りを明け渡し時に払う、といった形で、予定どおりに明け渡しが進む仕組みを考えておくと安心です。
原状回復の扱いも決めておく
退去のお願いをする立場では、原状回復の費用を入居者にどこまで求めるかも調整の対象になります。通常の使用による傷みは、もともと入居者の負担にはならないとされていますが、それ以外の部分についても、今回は求めない、と合意するケースもあります。原状回復の考え方は、『柏で賃貸経営をする大家さんへ|退去トラブルを防ぐ原状回復の考え方』で解説しています。
合意書の文言は、後の争いを防ぐうえで重要です。内容に不安がある場合は、弁護士などの専門家に確認してもらうことをおすすめします。
話し合いがまとまらないとき
丁寧に説明しても、入居者が退去に応じない場合もあります。その場合の流れも知っておきましょう。
条件を見直して、話し合いを続ける
まずは、なぜ応じてもらえないのかを確認し、条件を見直す余地がないかを考えます。退去の時期をもう少し延ばせないか、引っ越し先探しの手伝いを増やせないか、立ち退き料の額や支払い方を変えられないか、といった検討です。入居者の本当の心配ごとが分かれば、解決の糸口が見えることもあります。
調停という選択肢
当事者同士の話し合いでまとまらない場合、簡易裁判所の民事調停を利用する方法があります。調停は、裁判官と調停委員が間に入り、双方の話を聞きながら、話し合いによる解決を目指す手続きです。訴訟に比べて手続きが簡単で、非公開で進められるといった特徴があります。調停の仕組みは民事調停/裁判所でご確認ください。
最終的には訴訟で判断される
調停でもまとまらない場合は、建物の明け渡しを求める訴訟で、正当事由があるかどうかが判断されることになります。訴訟では、第28条の各要素に沿って双方の事情が検討され、立ち退き料の支払いを条件に明け渡しを認める、といった判断がされることもあります。ただし、訴訟は時間も費用もかかり、入居者との関係もより難しくなります。
調停や訴訟といった法的な手続きに進むかどうかの判断や、その後の対応は、弁護士などの専門家と連携して進める形になります。晃南土地では、状況の整理や入居者への説明の準備、住み替え先の情報提供などをお手伝いし、法的な判断や交渉が必要な場面では提携の弁護士などの専門家と連携してサポートします。
やってはいけない対応
退去をお願いする過程で、オーナーの側が避けるべき対応もあります。こうした対応は、トラブルを大きくするだけでなく、オーナー側が責任を問われるおそれもあります。
入居者の生活を妨げる行為
鍵を勝手に交換する、入居者の荷物を運び出す、電気や水道を止めるといった行為は、自力で退去を迫る行為として、法的な責任を問われるおそれがあります。たとえ契約が終わっていると考えている場合でも、明け渡しは話し合いや法的な手続きを通じて進めるのが原則です。
強い言葉や頻繁な訪問で圧力をかける
「出ていってもらわないと困る」と繰り返し迫る、夜間や早朝に何度も訪問するといった対応も、入居者との関係を悪化させます。話し合いが感情的な対立になると、合意はさらに遠のきます。
事実と異なる理由を伝える
「建て替えるので」と伝えておきながら、退去後にすぐ別の人に貸すなど、実際の事情と異なる説明をすることも避けましょう。入居者の信頼を失うだけでなく、後から争いになったときに、オーナーの説明の信用性が問われることになります。
退去が決まってからの流れ
合意ができ、退去日が決まったら、明け渡しに向けた準備を進めます。
退去日が近づいたら、立ち会いの日程を調整し、部屋の状態を一緒に確認します。鍵の返却、残置物の有無、メーターの確認などを行い、合意書どおりに明け渡しが完了したことを書面で確認しておくと安心です。そのうえで、合意した立ち退き料の残金や、敷金の返還を期日どおりに行います。
退去後の建物をどうするかによって、次の手続きも変わります。建て替えの場合は解体や設計の準備、売却の場合は査定や売り出しの準備、家族が住む場合はリフォームの検討などです。退去の受け付けから明け渡しまでにオーナーがやることは、『柏で退去予告を受けたら|オーナーがやることチェックリスト』も参考になります。
柏・千葉県我孫子市で退去をお願いするときの視点
柏市や我孫子市には、JR常磐線沿線を中心に、長い年月をかけて住宅地として広がってきた地域があります。親の代から貸している貸家やアパートを相続し、建物の老朽化をきっかけに、退去のお願いや建て替え、売却を考えるオーナーの方もいらっしゃいます。
長く住んでいる入居者の中には、地域に根ざして生活し、近くに通院先や仕事がある方もいます。同じエリアや近隣で住み替え先を探せるかどうかは、入居者の納得に大きく関わります。地元の賃貸市場を知る不動産会社が間に入ることで、住み替え先の情報提供や、条件の調整を進めやすくなる場合があります。
また、柏駅周辺のように利便性の高いエリアと、駅から離れた住宅地とでは、入居者が次の住まいを見つけるまでにかかる時間や、家賃の差額も変わってきます。立ち退き料や退去時期を考えるときは、そのエリアで同じような条件の住まいを借りる場合にどうなるかを具体的に想定しておくと、話し合いの材料になります。
よくある質問
契約の満了が近いのに、更新拒絶の通知をしていませんでした。もう退去はお願いできませんか?
満了の6か月前までに更新しない旨の通知をしていない場合、契約は法定更新され、期間の定めがない契約として扱われます。その後は、正当事由があれば解約の申入れをすることができ、申入れから6か月を経過すると契約が終了するとされています。退去のお願いができなくなるわけではありませんが、スケジュールは後ろにずれることになります。
立ち退き料は、払わなければいけないものですか?
法律上、立ち退き料の支払いが義務として定められているわけではありません。立ち退き料の申出は、正当事由を補う要素として考慮されるものです。ただし、オーナー側の事情だけでは正当事由が十分とはいえない場合も多く、実務では立ち退き料や条件を示して話し合うケースが多いとされています。
自分が住むためという理由なら、退去してもらえますか?
自分や家族が住む必要があることは、正当事由を判断するうえで考慮される事情のひとつです。ただし、入居者がその建物を使う必要性や、これまでの経過、立ち退き料の申出なども含めて総合的に判断されるため、それだけで退去が認められるとは限りません。
管理会社に、退去のお願いや交渉を任せることはできますか?
管理を委託している場合は、契約内容の確認や入居者への説明の窓口、住み替え先の情報提供などを管理会社に任せられることがあります。任せられる範囲は管理会社や委託の内容によって異なります。なお、報酬を得て立ち退きの交渉を代わりに行うことは、弁護士法との関係で弁護士でなければできない場合があるため、法的な交渉が必要な段階では弁護士などの専門家と連携して進めることになります。
まとめ
入居者に退去をお願いしたいときは、まず契約の状態を確認し、期間の定めがあれば満了の1年前から6か月前までに更新しない旨を通知し、期間の定めがなければ解約を申し入れて6か月を待つ、という法律上の流れを押さえることが出発点です。そのうえで、借地借家法第28条の正当事由が認められる必要があり、立ち退き料はその正当事由を補う要素として位置づけられています。
実務では、法律の決まりを盾にするのではなく、早めに、直接、理由とともに伝え、入居者の事情を聞きながら、退去の時期や立ち退き料、住み替え先の相談などを含めて合意を目指すことが大切です。合意できたら合意書を作り、まとまらない場合は調停や訴訟という道もありますが、その判断は弁護士などの専門家と一緒に考えることになります。
ここまで読んで、「自分の物件の場合、どう進めるのがいいのか一度相談したい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。
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「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく状況整理のサポートとして対応いたします。