家賃の減額を求められたら|大家が確かめる法律と交渉の軸

千葉県我孫子市や柏市でアパートやマンションの一室を貸していて、入居者から家賃の相談を受けたオーナーの方へ。

「入居者から『家賃を下げてほしい』と言われた。応じないといけないのだろうか。断ったら出ていかれてしまうのでは」

家賃の減額を求められると、突然のことで戸惑うかもしれません。結論から言うと、減額の求めには、法律に基づくものと、入居者の希望や事情によるものがあり、どちらなのかで対応が変わります。まずは理由を聞き、契約書と周辺の相場を確かめたうえで、家賃そのものを下げるのか、期間を区切るのか、家賃以外の方法で応えるのかを考えることが大切です。

この記事では、入居者から家賃の減額を求められたオーナーの方に向けて、減額の根拠になる2つの法律(借地借家法第32条と民法第611条)の違い、減額を求められたときに確認すること、家賃以外の代替案を含む交渉の軸、減額に応じるかどうかの判断の考え方、そして合意できないときの調停と訴訟の流れまでを整理します。入居者とのやり取りを含めて相談できる先を探している方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスもあわせてご覧ください。

減額を求められたら、まず「理由」を聞く

入居者から家賃を下げてほしいと言われたとき、最初にすべきことは、その理由を丁寧に聞くことです。理由によって、オーナーが検討すべきことがまったく変わるためです。

減額の求めには、たとえば次のような理由が考えられます。

  • 周辺の似た物件の家賃が、今の家賃より安くなっている
  • 給湯器やエアコンなどの設備が故障し、使えない期間がある
  • 雨漏りや漏水で、部屋の一部が使えなくなっている
  • 収入が減り、今の家賃の支払いが苦しくなった
  • 長く住んでいるので、更新のタイミングで条件を見直してほしい

設備の故障で部屋の一部が使えないという理由であれば、法律上、家賃が減額される場面にあたる可能性があります。一方で、収入の減少のような入居者側の事情であれば、応じるかどうかはオーナーの判断に委ねられる部分が大きくなります。

その場で答えを出さない

減額の相談を受けたその場で、「分かりました」「無理です」と即答しなくてもかまいません。「内容を確認して、あらためてお返事します」と伝え、理由や希望の金額、いつからの減額を求めているのかを聞き取っておきましょう。聞き取った内容は、日付とあわせて記録に残しておきます。減額の相談は、入居者にとっても切り出しにくい話です。まずは話してくれたことを受け止め、検討する姿勢を示すだけでも、その後の話し合いが穏やかに進みやすくなります。

家賃の減額に関わる2つの法律

家賃の減額に関係する法律の定めは、主に次の2つです。

項目借地借家法第32条(借賃増減請求)民法第611条(一部滅失等による減額)
どんなときか税負担の増減、経済事情の変動、周辺の家賃との比較で家賃が不相当になったとき部屋の一部が滅失その他の事由で使えなくなったとき
減額の仕組み当事者が減額を「請求」する使えなくなった部分の割合に応じて「減額される」
入居者に原因がある場合―入居者の責めに帰する事由によるときは対象外
主な例周辺相場の下落、長年の据え置きによる相場とのずれ設備の故障、雨漏り、漏水などで使えない部分がある

どちらの定めにあたるのかによって、オーナーが確認すべきことも、交渉の進め方も変わります。順番に見ていきましょう。

借地借家法第32条の減額請求とは

借地借家法第32条は、家賃の値上げだけでなく、値下げについても定めています。建物の家賃が、税金その他の負担の増減、土地や建物の価格の変動その他の経済事情の変動、または近くにある同じような建物の家賃との比較によって「不相当」となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって家賃の増減を請求できるとされています。

つまり、入居者の側からも、周辺の相場と比べて今の家賃が高すぎるといった理由で、減額を求めることができるということです。

協議がまとまらないときの家賃

借地借家法第32条第3項では、家賃の減額について当事者の協議が調わないときは、減額の請求を受けた側(オーナー)は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、自分が相当と認める額の家賃の支払いを請求できると定めています。多くの場合、オーナーはそれまでの家賃を請求し続けることになります。

ただし、裁判で減額が正当と確定し、すでに受け取った額が正当とされた家賃を超えていた場合は、オーナーはその超過額に年1割の割合による利息を付けて返さなければならないとも定められています。減額の求めを退けたまま放置すると、後で利息を含めた返還が必要になる可能性がある点は、押さえておきましょう。

「減額しない」という特約の扱い

借地借家法第32条には、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約」がある場合はその定めに従う、というただし書きがあります。一方で、「減額しない」という特約については同様の定めがなく、そうした特約があっても減額の請求が否定されるとは限らないと考えられています。契約書に減額しない旨の条項があっても、それだけで安心せず、請求の内容を確認することが大切です。

なお、定期借家契約で家賃の改定について特約を定めている場合は、借地借家法第38条により第32条は適用されず、特約のルールに従うことになります。

民法第611条:部屋の一部が使えなくなったときの減額

もうひとつの定めが、民法第611条です。2020年4月1日に施行された改正民法で、内容が大きく変わりました。

「請求できる」から「減額される」へ

民法第611条第1項では、賃借物の一部が滅失その他の事由により使用・収益できなくなった場合に、それが入居者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、家賃は、使えなくなった部分の割合に応じて「減額される」と定めています。改正前は入居者が減額を「請求できる」という定めでしたが、改正後は、条件を満たせば当然に減額されるという形になりました。

たとえば、オーナー側で修繕すべき設備が故障して使えない期間があれば、入居者が請求するかどうかにかかわらず、その期間の家賃が減額の対象になり得るということです。

どれだけ、いつまで減額するかは話し合いで

とはいえ、何がどのくらい使えなければ何割減額されるといった明確な基準が、法律で決まっているわけではありません。国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」では、一部滅失等があった場合は家賃が減額されるものとしたうえで、減額の程度や期間などについて、貸主と借主が協議するものとしています。同契約書の解説でも、一部滅失の程度や減額割合については明確な基準がないため、借主が貸主に通知し、減額の割合や期間、方法(一定期間の一部免除とするか、家賃の設定そのものを変えるか)などを合意のうえで決めることが望ましいとしています。

入居者に原因がある場合は対象外

民法第611条の減額は、入居者の責めに帰することができない事由による場合に限られます。入居者の不注意で設備を壊した場合などは、減額の対象にはなりません。故障の原因がどこにあるのかを確かめることが、最初の確認事項になります。

使えない部分が大きい場合は解除も

民法第611条第2項では、一部が使えなくなり、残りの部分だけでは住む目的を果たせないときは、入居者は契約を解除できると定めています。大きな漏水などで部屋に住めない状態が続く場合は、減額の話にとどまらない可能性があるため、早めの修繕と入居者への連絡が欠かせません。

減額を求められたときに確認すること

減額の求めを受けたら、次の点を確認しておきましょう。

□ 減額を求める理由は何か(相場・設備の不具合・入居者の事情など)
□ 希望の金額と、いつからの減額を求めているか
□ 設備の不具合が理由なら、故障の原因と使えない期間
□ 契約書に、家賃の改定や減額に関する特約があるか
□ 普通借家契約か、定期借家契約か
□ 周辺の似た物件の家賃は、今の家賃と比べてどうか
□ 入居してからの年数と、これまでの家賃の支払い状況
□ 更新の時期はいつか

設備の不具合が理由の場合は、まず修繕を

設備の故障や雨漏りが理由の場合は、減額の話し合いより先に、修繕の手配を急ぐことが大切です。使えない期間が長くなるほど、減額の対象になる期間も長くなります。故障の連絡を受けた日、業者を手配した日、修繕が完了した日を記録しておくと、減額の期間を話し合うときの根拠になります。

今の家賃は、周辺の相場と比べて高いのか

相場を理由に減額を求められた場合は、今の家賃が本当に周辺より高いのかを確かめます。

比べるのは「条件の近い物件」

周辺の相場と比べるときは、同じ駅や近い駅、駅からの距離、築年数、広さ、間取り、設備が近い物件を選びます。条件の違う物件と比べても、今の家賃が高いのか低いのかは判断できません。募集中の家賃と実際に決まった家賃には差があることもあるため、地域の成約事例を持っている管理会社に確認すると、実態に近い水準をつかめます。

入居者に示す資料をそろえる

相場を根拠に話し合う場合は、口頭で「相場どおりです」と伝えるより、資料で示すほうが納得を得やすくなります。たとえば、条件の近い物件の募集家賃を一覧にしたもの、これまでに行った修繕や設備の交換の記録、今後予定している工事の内容などです。入居者から周辺の物件の情報を示された場合は、その物件の築年数や設備、駅からの距離などを確かめ、今の部屋との違いを冷静に比べましょう。

相場を確かめた結果、今の家賃が周辺より高いと分かった場合は、減額の求めにも一定の理由があるということです。その場合は、次に説明する代替案も含めて、歩み寄りの方法を考えていきます。

相場とのずれが生まれる理由

入居したときには相場どおりだった家賃でも、年月がたつと周辺とのずれが生まれることがあります。周辺に新しい物件が増えた、建物の築年数が進んだ、設備が古くなったといった変化が重なると、同じ家賃でも割高に感じられるようになります。

反対に、周辺の家賃が上がっていて、今の家賃がむしろ割安な場合もあります。その場合は、周辺の募集家賃を示しながら、今の家賃が相場に照らして妥当であることを丁寧に説明するとよいでしょう。柏の家賃の動きについては、『柏の家賃相場、ここ数年でどう変化?|見直すタイミングの判断軸』でも解説しています。

交渉の軸:家賃そのものを下げる以外の選択肢

減額の求めに対しては、「応じる」か「断る」かの二択で考える必要はないでしょう。家賃そのものを下げる以外にも、オーナーと入居者の双方にとって納得しやすい選択肢があります。

選択肢内容オーナーにとっての利点注意点
期間限定の値下げ一定期間だけ家賃を下げる家賃の設定そのものは変えずに済む期間終了後の扱いを書面で決めておく
一定期間の家賃免除1か月分など、決めた期間の家賃を免除する月々の家賃水準を保てる対象期間と条件を明確にする
設備の改善古い設備の交換や新しい設備の導入物件の価値が上がり、次の募集にも活きる費用と効果のバランスを見る
更新料などの見直し更新時の費用負担を軽くする毎月の家賃は維持できる契約内容に沿って決める
家賃の一部減額希望より小さい幅で家賃を下げる退去のリスクを抑えられる次の募集家賃との関係を考える

設備の改善で応える

「家賃が高いと感じる」という声の背景には、設備の古さや住み心地への不満があることもあります。エアコンの交換、温水洗浄便座の設置、インターネット設備の導入など、入居者が実感しやすい改善で応えると、家賃を下げずに満足度を上げられる場合があります。設備への投資は、次に入居者を募集するときの強みにもなります。設備の優先順位の考え方は、『賃貸設備投資の優先順位を徹底解説|限られた予算で空室対策・入居者満足を最大化する方法』も参考にしてください。

期間を区切って応える

入居者の収入が一時的に減っているといった事情であれば、期間を区切った値下げや、一定期間の家賃免除で応える方法もあります。家賃の設定そのものを下げると、元に戻すのは簡単ではありません。期間を区切ることで、入居者の負担を和らげつつ、オーナーの長期的な収支への影響を抑えられます。

「減額の相談を受けたけれど、どこまで応じてよいのか判断がつかない」という方は、家賃減額の相談への対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。入居者とのやり取りから条件の調整までを任せる場合の内容は、「晃南土地」の賃貸管理サービスで紹介しています。

減額に応じるかどうかの判断:空室リスクと比べる

減額に応じるかどうかを考えるときは、「減額による収入の減少」と「退去されたときの損失」を比べてみると、判断の手がかりになります。

仮の数字で比べてみる

家賃7万円の部屋で、3,000円の減額を求められたとします。応じた場合、年間の収入は3万6,000円減ります。一方で、減額を断って入居者が退去した場合は、次の入居者が決まるまでの空室期間の家賃、原状回復の費用、募集にかかる費用などがかかります。仮に空室が2か月続けば、それだけで家賃14万円分の収入がなくなります。

この例では、退去による損失が、減額による減収の数年分に相当することもあり得ます。ただし、減額した家賃が次の募集の基準になってしまう、ほかの入居者からも同じ相談が来るといった影響も考えられます。数字だけでなく、物件全体への影響もあわせて考えることが大切です。

判断の目安になる問い

□ 周辺の似た物件と比べて、今の家賃は実際に高いか
□ 退去された場合、今の家賃で次の入居者が決まりそうか
□ 入居者は長く住み、家賃の支払いも滞りなく続いているか
□ 減額の代わりに、設備の改善などで応えられる余地はあるか
□ 期間を区切った減額で対応できる事情か

長く住んでいて支払いも確かな入居者は、オーナーにとって大切な存在です。今の家賃で次の入居者が決まりにくい物件であれば、一定の歩み寄りをすることが、結果として収支を守ることにつながる場合もあります。

ほかの入居者や次の募集への影響も考える

1人の入居者の減額に応じるかどうかは、その部屋だけの問題ではないこともあります。

同じ建物の入居者との公平感

アパートやマンションで複数の部屋を貸している場合、ある入居者だけ家賃を下げると、ほかの入居者との間で家賃の差が生まれます。入居者同士で家賃の話が伝わると、「自分の部屋も下げてほしい」という相談が続くこともあり得ます。個別の事情に応じた一時的な対応なのか、建物全体の家賃水準を見直すのかを、あらかじめ区別して考えておくと、判断がぶれにくくなります。

次の募集家賃との関係

今の入居者の家賃を下げた場合、その部屋が空いたときに、下げた家賃を基準に募集するのか、元の家賃で募集するのかも考えておきましょう。期間を区切った値下げであれば、募集家賃への影響を抑えやすくなります。反対に、周辺の相場そのものが下がっている場合は、減額の相談をきっかけに、次の募集家賃も含めて建物全体の家賃を見直すほうが、空室を防ぐうえで合理的な場合もあります。

減額の相談は「物件の声」でもある

減額の相談が続くときは、家賃そのものよりも、設備の古さや共用部の状態、周辺の新しい物件との差など、物件の側に理由がある可能性もあります。相談の内容を記録し、どのような理由が多いのかを振り返ると、次に手を入れるべきところが見えてきます。

合意した内容は書面に残す

減額や代替案で合意できたら、その内容を書面に残します。

書面に記載する主な内容

□ 変更前と変更後の家賃(または免除する期間と金額)
□ 変更を開始する時期
□ 期間限定の場合は、終了する時期と、終了後の家賃
□ 設備の改善を行う場合は、その内容と時期
□ 双方の署名・押印と日付

とくに期間限定の値下げでは、期間が終わった後に元の家賃に戻ることを明記しておかないと、「ずっと下がったままだと思っていた」という行き違いが起きかねません。更新のタイミングであれば、更新契約書に新しい条件を記載する形でもかまいません。

また、民法第611条による減額を話し合った場合は、減額の割合、対象となる期間、減額の方法(翌月の家賃から差し引くのか、返金するのか)を明記しておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

合意できないときは調停・訴訟へ

借地借家法第32条による減額の請求について話し合いがまとまらない場合、入居者がいきなり訴訟を起こすことはできません。民事調停法第24条の2では、家賃の増減の請求に関する事件について訴えを起こそうとする者は、まず調停の申立てをしなければならないと定めています。

調停は、裁判所で調停委員を交えて話し合い、双方の合意による解決を目指す手続きです。調停で合意に至らなかった場合には、訴訟で適正な家賃が判断されることになります。訴訟では、周辺の家賃の水準などをもとに、不動産鑑定士による鑑定が行われることもあります。

調停や訴訟に進むと、時間や費用の負担に加えて、入居者との関係にも影響します。求められている減額の幅によっては、話し合いで歩み寄るほうが、双方にとって負担が小さい場合もあります。手続きに進むかどうかの判断は、提携の弁護士などの専門家と連携してサポートいたします。手続きの概要は、裁判所の公式ページでもご確認いただけます。

設備の故障に備えて、減額のトラブルを防ぐ

民法第611条の改正によって、設備の不具合と家賃の減額は、これまで以上に結びつきやすくなりました。故障そのものを防ぐことはできなくても、備えによってトラブルを小さくすることはできます。

故障の連絡を受けたら、すぐに動ける体制を

給湯器やエアコン、トイレなど、生活に欠かせない設備が使えなくなると、入居者の不満は短い期間で大きくなります。連絡を受けてから修繕業者を手配し、修理が終わるまでの流れを決めておくと、使えない期間を短くできます。夜間や休日の連絡の受け方も決めておきましょう。

設備の使用年数を把握しておく

設備には、それぞれ交換の目安となる年数があります。設置からの年数を一覧にしておき、故障する前に計画的に交換すると、急な故障で使えない期間が生まれるのを減らせます。計画的な修繕の考え方は、『柏のアパート・マンション、修繕費はどこから使う?優先順位の付け方』も参考にしてください。

入居者との連絡をこまめに

修繕に時間がかかる場合は、部品の取り寄せ状況や工事の予定を、入居者にこまめに伝えます。状況が分かっているだけでも、入居者の不安や不満は和らぎます。代わりの設備を一時的に用意できる場合は、その対応も検討しましょう。

柏・千葉県我孫子市で減額の相談を受けたときの視点

柏市や我孫子市では、JR常磐線沿いの駅周辺を中心に、新しい賃貸住宅と築年数を重ねた賃貸住宅が混在しています。周辺に新しい物件が増えると、既存の入居者が「同じくらいの家賃で新しい物件に住めるのでは」と感じ、減額の相談につながることもあります。

こうした相談は、物件の立ち位置を見直すきっかけにもなります。周辺の新しい物件と比べて、自分の物件の強みはどこにあるのか、足りないのはどこなのかを整理しておくと、減額に応じるかどうかの判断も、次の募集の条件づくりもしやすくなります。

時期の面では、秋から年末にかけては、翌年の春の繁忙期に向けて、周辺で新しい募集が増え始める時期です。更新を控えた入居者から相談を受けたときは、周辺の募集状況も確認しながら、早めに方針を決めておくとよいでしょう。長く住んでもらうための物件づくりは、『柏の賃貸オーナーへ|長期入居者を増やす物件づくりの視点』もあわせてご覧ください。

よくある質問

入居者から減額を求められたら、応じなければいけませんか?

借地借家法第32条による減額の請求であれば、協議がまとまらない場合は、最終的に調停や訴訟で適正な家賃が判断されます。オーナーがすぐに応じなければならないわけではなく、裁判が確定するまでは、自分が相当と認める額の家賃を請求できるとされています。ただし、設備の不具合などで部屋の一部が使えない場合は、民法第611条により家賃が減額される可能性がある点に注意が必要です。

エアコンや給湯器が故障したら、家賃は減額されますか?

民法第611条では、入居者の責めに帰することができない事由で賃借物の一部が使えなくなった場合、使えなくなった部分の割合に応じて家賃が減額されると定めています。ただし、どの設備が何日使えなければ何割減額といった明確な基準は法律にないため、減額の程度や期間は入居者との協議で決めることになります。まずは修繕を急ぎ、使えなかった期間を記録しておきましょう。

家賃を下げたら、元に戻すことはできますか?

一度下げた家賃を元に戻すには、あらためて入居者との合意が必要になります。そのため、一時的な事情への対応であれば、期間を区切った値下げや一定期間の家賃免除として合意し、終了後の家賃を書面で明記しておくのがおすすめです。

契約書に「家賃は減額しない」と書いてあれば、断れますか?

借地借家法第32条は、「一定期間は増額しない」という特約について定めていますが、「減額しない」という特約については同様の定めがありません。そのため、減額しない旨の特約があっても、減額の請求が否定されるとは限らないと考えられています。具体的な判断は、提携の専門家と連携してサポートいたします。

減額の相談を管理会社に任せることはできますか?

管理を委託している場合は、入居者からの相談の受け付けや、周辺相場の確認、代替案の提案などを管理会社に任せられることがあります。任せられる範囲は管理会社や契約内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

入居者から家賃の減額を求められたら、まずは理由を聞き、その場で答えを出さずに確認を進めることが大切です。減額に関わる法律には、周辺の相場や経済事情の変化を理由にする借地借家法第32条の減額請求と、設備の故障などで部屋の一部が使えなくなったときに家賃が減額される民法第611条の2つがあり、どちらにあたるかで対応が変わります。

交渉では、家賃そのものを下げるだけでなく、期間限定の値下げ、一定期間の家賃免除、設備の改善といった選択肢も考えられます。減額による減収と、退去されたときの損失を比べたうえで、応じるかどうかを判断し、合意した内容は書面に残しましょう。話し合いがまとまらない場合は、調停、そして訴訟という流れになります。

ここまで読んで、「自分の物件の場合、減額に応じるべきか、どんな代替案が出せるのか相談したい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。

入居者からの相談内容だけ伝えて、対応の方針から相談したい方は、家賃減額の相談への対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。

対面で契約書や周辺の相場を見ながら話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。

入居者とのやり取りや設備の修繕手配まで任せる場合の内容を先に知りたい方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスを詳しく見るをご覧ください。

「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく状況整理のサポートとして対応いたします。

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