親が元気なうちにしかできない不動産の話|認知症で「売れない・貸せない」を防ぐ我孫子の備え

「実家の片付けや売却は、親が元気なうちに考えなくても大丈夫」。多くのご家族が、なんとなくそう思っています。けれども不動産の現場で実際に起きているのは、その逆のケースです。親御さんの判断能力が低下してから「実家を売って施設費用にあてたい」とご相談に来られても、もう手続きが進められなくなっている。そういう場面に、私たちは何度も立ち会ってきました。

不動産は、本人の意思で「売ります」「貸します」と決められる状態でなければ動かせません。これは法律上のルールであり、たとえ同居しているご家族であっても、勝手に親の家を売ることはできないのです。そして、その「決められる状態」は、認知症などで判断能力が低下すると失われてしまいます。

この記事でお伝えしたいのは、不安を煽ることではありません。「元気な今だからこそ選べる備えがある」という事実を、落ち着いてお伝えすることです。成年後見制度と家族信託という二つの仕組みを軸に、それぞれの違い・費用の目安・使いどころを整理し、千葉県我孫子市で実家をお持ちのご家族が、今日から何を考えればよいのかを具体的にご案内します。

なお、この記事は「親が亡くなった後」の相続手続き(遺産分割や相続税)ではなく、「親が生きているうち」の備えに絞ってお話しします。生前の準備と相続後の手続きは、考えるタイミングも使う制度もまったく別物だからです。

読み進めるなかで「うちの実家の場合はどうなるのだろう」と気になった方は、状況を整理するところからお手伝いできます。まずは気軽に、親の不動産の備えについて「晃南土地」に相談するところから始めていただいてかまいません。

「親が元気なうちにしかできない」とはどういうことか

不動産の備えには、大きく分けて二つの種類があります。ひとつは「いつでもできること」、もうひとつは「元気で判断能力があるうちにしかできないこと」です。多くのご家族が見落としているのは、後者の存在です。

たとえば、実家の権利関係を確認したり、過去の固定資産税の通知書を整理したりするのは、いつでもできます。けれども、「将来、自分が判断できなくなったときに、誰に・どこまで財産の管理を任せるか」を決める契約は、本人に判断能力があるうちでなければ結べません。家族信託や任意後見がこれにあたります。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいポイントです。判断能力が低下してから慌てて準備しようとしても、選べる手段が大きく減ってしまいます。残された選択肢は、家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」だけになり、ご家族が思い描いていた柔軟な財産管理ができなくなることが少なくありません。

「まだ元気だから大丈夫」が招く落とし穴

「うちの親はまだしっかりしているから」というお声を、私たちは現場でよく耳にします。気持ちはよくわかります。けれども、判断能力の低下は、ある日はっきりと線を引いて訪れるものではありません。少しずつ進み、ご家族が「あれ、最近様子が違う」と気づいたときには、契約に必要な判断能力が認められない状態になっていることもあります。

不動産という大きな財産が関わる契約では、本人がその意味を十分に理解できているかどうかが厳しく問われます。「ちょっと忘れっぽくなっただけ」という段階でも、専門家や公証人の判断によっては、契約を結べないと評価されることがあるのです。

だからこそ、「元気な今」が、いちばん選択肢が多い時期だといえます。何かを今すぐ決める必要はありません。けれども、「どんな備えがあるのか」を知っておくこと自体に意味があります。

認知症になると不動産はどうなる(売れない・貸せない・口座凍結)

では、親御さんの判断能力が低下すると、実家などの不動産は具体的にどうなるのでしょうか。結論からお伝えすると、本人名義の不動産は「売れない・貸せない」、そして関連する預金も「動かせない」状態に陥ります。

売れない

不動産の売買契約は、売主本人が「この条件で売ります」と意思表示をして初めて成立します。認知症などで判断能力が失われると、この意思表示ができなくなります。契約の意味を理解できない人が結んだ契約は、法律上、無効とされる可能性があるためです。

実際の現場では、こうなります。親御さんが施設に入るための費用を、実家を売って捻出しようとご家族が動き始める。ところが、いざ売買を進める段階で、司法書士による本人確認や意思確認の場面で「ご本人の意思確認ができない」と判断され、決済まで進めない。せっかく買主が見つかっても、契約そのものが成立しないのです。

貸せない

売却だけでなく、賃貸も同じです。空いた実家を貸して家賃収入を得ようとしても、賃貸借契約を結ぶのは所有者本人です。判断能力が低下していれば、賃貸借契約も結べません。リフォームして人に貸す、駐車場として活用する、といった選択肢も、本人の契約行為が前提になるため、そのままでは進められなくなります。

口座が凍結される

不動産そのものではありませんが、合わせて知っておきたいのが預金口座の問題です。金融機関が口座名義人の判断能力低下を把握すると、本人保護の観点から、預金の引き出しや各種手続きが制限されることがあります。いわゆる「口座凍結」と呼ばれる状態です。

これが起きると、たとえ家族であっても、親の口座から施設費用や医療費を引き出せなくなります。不動産を売って得たお金の受け皿として考えていた口座が使えない、ということも起こり得ます。不動産と預金は、いざというときセットで動かせなくなる。この点は、備えを考えるうえで頭に入れておきたいところです。

ここまで読んで「自分の実家は名義がどうなっているのか、そもそも把握できていない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。名義や権利関係の確認は、備えの第一歩です。その整理からお手伝いできますので、親の不動産の現状について「晃南土地」に相談することから始めていただければと思います。

家族でも勝手に売れない理由(意思能力という考え方)

「親の介護をしているのは自分なのに、なぜ実家を売れないのか」。これは、ご家族からよくいただく率直な疑問です。日々の世話をしているのだから、家のことも代わりに決められそうなものだと感じるのは自然なことです。

けれども、法律はそうは考えません。鍵になるのは「意思能力」という考え方です。意思能力とは、自分の行為の結果を理解し、判断できる能力のことを指します。不動産の売買のように大きな効果をもつ法律行為は、本人にこの意思能力があることが前提になっています。

「家族だから」は代理権の根拠にならない

ここで誤解されやすいのが、「家族なら当然に代理できる」という思い込みです。実は、配偶者や子であるという事実だけでは、親の財産を処分する権限(代理権)は生まれません。代理人として動くには、本人から正式に代理権を与えられているか、法律や裁判所の手続きによって代理権が認められている必要があります。

判断能力があるうちに「あなたに任せます」と契約で決めておけば、家族が代理人になれます。これが後ほど説明する任意後見や家族信託の発想です。逆に、その取り決めがないまま判断能力が失われると、家族であっても勝手には動けず、家庭裁判所を通じた法定後見の手続きを取るしかなくなります。

なぜこんなに厳格なのか

このルールが厳しいのには理由があります。判断能力が低下した方は、不利な契約を結ばされたり、財産をだまし取られたりするリスクが高い、いわば守られるべき立場です。「家族だから自由に処分してよい」とすると、その家族が本人の利益に反する処分をしてしまう余地も生まれます。

ご家族にとっては不便に感じる仕組みですが、本人の財産を本人のために守るための仕組みでもあります。だからこそ、本人が元気なうちに「誰に・何を・どう任せるか」を本人自身の意思で決めておくことに、大きな意味があるのです。

法定後見の仕組みと費用の目安・使いどころ

ここからは、判断能力が低下した場合に使える制度を順番に見ていきます。まずは、すでに判断能力が低下してしまった「後」でも使える唯一の制度、法定後見(成年後見制度)です。

法定後見とは

法定後見は、判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が本人を支援する人(後見人など)を選任する制度です。本人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助という三つの類型に分かれます。いちばん支援の必要性が高いのが「後見」です。

ご家族が家庭裁判所に申し立てを行い、裁判所が状況を審理したうえで、後見人を選びます。ここで知っておきたいのは、後見人を選ぶのは裁判所であって、ご家族ではないという点です。ご家族を候補として申し立てても、事情によっては司法書士や弁護士などの専門職が後見人に選ばれることがあります。

費用の目安

後見人には報酬が発生します。後見人の報酬は家庭裁判所が個別に決定し、基本報酬は月額2万円から6万円程度が目安とされています。管理する財産の額や業務の内容によって変わるため、これはあくまで目安としてお考えください。専門職が後見人になった場合、この報酬が継続的に発生することになります。

そしてもうひとつ大切な点は、後見は本人が亡くなるまで続くのが原則だということです。「実家を売るあいだだけ」といった一時的な利用はできません。一度始まると、本人の存命中はずっと後見人による財産管理が続き、その間の報酬も発生し続けます。

不動産売却には裁判所の許可が必要

法定後見のもとで、本人が住んでいる居住用の不動産を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です。後見人が「売ったほうが本人のためになる」と判断しても、勝手には売れません。本人の生活の本拠を手放すことは重大な判断とされ、裁判所のチェックが入るのです。

施設入所の費用にあてるなど、合理的な理由があれば許可されますが、手続きには時間がかかります。「今すぐ売って現金化したい」という事情があっても、思うようには進まないことを知っておく必要があります。

法定後見の使いどころ

法定後見は、すでに判断能力が低下してしまった後でも使える、いわば最後のセーフティネットです。事前に何の備えもしていなかった場合、本人の財産を守りながら不動産を動かすには、この制度を使うことになります。

裏を返せば、法定後見は「備えそびれたとき」の制度ともいえます。継続的な報酬や裁判所の許可といった制約を考えると、できれば元気なうちに、もっと柔軟な備えを選んでおきたい。そこで登場するのが、次に説明する任意後見と家族信託です。

任意後見という選択肢

法定後見が「判断能力が低下した後」の制度だとすれば、任意後見は「低下する前」に準備しておく制度です。

任意後見とは

任意後見は、本人に判断能力があるうちに、将来支援してくれる人(任意後見人)をあらかじめ自分で決めておく制度です。「もし将来、自分の判断能力が低下したら、この人に・こういう内容で支援してもらいたい」という約束を、契約として結んでおきます。

この契約は、公正証書という公的な文書で作成することが必要です。公証役場で公証人が関与して作るため、内容の確かさが担保されます。そして実際に判断能力が低下したときに、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで、契約の効力が動き出す仕組みになっています。

法定後見との違い

法定後見と任意後見の大きな違いは、「誰が支援者を決めるか」です。法定後見では裁判所が後見人を選びますが、任意後見では本人があらかじめ自分で選べます。信頼できる家族や知人を支援者に指定しておけるのは、本人にとって安心材料になります。

また、支援してもらう内容も、契約のなかである程度決めておけます。「財産管理はこの範囲で」「身上の世話はこういう方針で」といった希望を、元気なうちに反映できるのです。

任意後見の注意点

ただし、任意後見にも限界があります。任意後見はあくまで「本人を支援する」枠組みであり、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人のチェックを受けながら運用されます。財産の積極的な活用(たとえば不動産を売却して別の資産に組み替える、といった動き)には、必ずしも柔軟に対応できるとは限りません。

「本人の財産を守る」ことに重きが置かれる制度であるため、不動産を機動的に動かしたい場合には、次に説明する家族信託のほうが適している場面もあります。それぞれの目的に合わせて選ぶことが大切です。

家族信託の仕組みと費用の目安・できること

近年、認知症への備えとして注目が高まっているのが家族信託です。不動産の管理・処分という点では、家族にとって使い勝手のよい選択肢になることがあります。

家族信託とは

家族信託は、本人(親)に判断能力があるうちに、信頼できる家族に財産の管理・処分を託す契約です。財産を託す人を「委託者」、託される人を「受託者」、その財産から利益を受ける人を「受益者」と呼びます。

典型的なかたちは、親が委託者兼受益者となり、子が受託者となるパターンです。実家の管理・処分の権限を子に託しておき、利益(売却代金や家賃など)は引き続き親が受け取る、という設計です。こうしておけば、親の判断能力が低下した後も、子が信託契約の範囲内で実家を売ったり貸したりできるようになります。

できること

家族信託の最大の利点は、判断能力が低下した後も、受託者(多くは子)が契約で定めた範囲内で不動産を動かせることです。法定後見のように家庭裁判所の許可を都度取る必要がなく、「親の施設費用が必要になったら実家を売る」といった対応を、比較的スムーズに進められます。

また、財産管理の方針を契約のなかで細かく設計できるのも特徴です。「実家は当面貸して、いざ施設費用が必要になったら売る」といった、ご家族の事情に合わせた柔軟な取り決めが可能になります。

費用の目安

家族信託を専門家に依頼した場合、初期費用は一般に数十万円からが目安とされます。財産の規模や依頼先によっては100万円を超えることもあります。信託契約書の作成、登記、公正証書化など、関わる手続きが多いため、初期にまとまった費用が必要になる点は理解しておきましょう。これはあくまで目安であり、実際の金額は事案によって大きく変わります。

一方で、法定後見のような月々の固定報酬は発生しないのが一般的です。初期にコストがかかる代わりに、その後の継続的な報酬負担は抑えられる。これが家族信託の費用面の特徴です。

家族信託の注意点

家族信託は柔軟な反面、契約の設計が複雑です。誰を受託者にするか、信託する財産の範囲をどうするか、親が亡くなった後の財産の行き先をどう定めるか。これらを適切に設計しないと、後々ご家族のあいだでトラブルになることもあります。

また、家族信託は財産管理の仕組みであって、身上の世話(介護や医療に関する手続き)までカバーするものではありません。そうした面では、後見制度と組み合わせて考える必要が出てくる場合もあります。だからこそ、司法書士や弁護士といった専門家とともに、ご家族の状況に合った設計を組み立てることが欠かせません。

成年後見と家族信託の比較(始める時期・費用・自由度)

ここまで見てきた制度を、いちど整理しておきましょう。混同しやすいので、「始める時期」「費用」「自由度」という三つの観点で並べてみます。

始める時期

いちばん大きな違いは、いつから準備できるかです。法定後見は、判断能力が低下した後でも使えます。一方、任意後見と家族信託は、本人に判断能力があるうちでなければ始められません。

つまり、任意後見と家族信託は「元気な今」にしか選べない備えです。判断能力が低下してしまうと、選択肢は法定後見だけに絞られてしまう。この一点だけでも、早めに知っておく価値があります。

費用

法定後見は、後見人の基本報酬として月額2万円から6万円程度が目安とされ、これが本人の存命中続くのが原則です。長く続けば続くほど、累積の負担は大きくなります。

家族信託は、初期費用として数十万円から(規模により100万円超も)が目安ですが、月々の固定報酬は発生しないのが一般的です。初期にまとまった費用、後は抑えめ、という構造です。任意後見は、契約時の公正証書作成費用に加え、効力が発生した後は任意後見監督人への報酬などが生じます。いずれも目安であり、実際の額は事案によって変わります。

自由度(不動産を動かしやすいか)

不動産を機動的に動かせるかどうかで見ると、家族信託が比較的柔軟です。受託者が契約の範囲内で売却や賃貸を進められます。法定後見では、居住用不動産の売却に家庭裁判所の許可が必要で、本人の財産を守ることが優先されるため、機動的な活用には向きません。任意後見は、本人保護を軸にした支援の枠組みのため、積極的な財産活用には必ずしも向かない面があります。

どう選ぶか

整理すると、こうなります。すでに判断能力が低下しているなら、選べるのは法定後見です。まだ元気で、将来に備えて不動産を柔軟に動かせるようにしておきたいなら、家族信託が選択肢になります。本人の意思を尊重した支援の枠組みを重視するなら、任意後見が候補です。

そして、家族信託と任意後見を組み合わせる、といった設計もあり得ます。どれが正解かは、ご家族の財産の状況、相続人の構成、将来の希望によって変わります。だからこそ、一般論で決めるのではなく、専門家を交えて自分たちのケースに当てはめて考えることが大切です。

「うちの場合はどの制度が向いているのだろう」と迷われたら、不動産の状況を起点に、専門家との橋渡しも含めてご相談に乗れます。親の不動産の備えについて「晃南土地」に相談するところから、整理を始めていただければと思います。

実家が「塩漬け」になる実際のケース

制度の話が続いたので、ここで現場の実感をお伝えします。備えがないまま判断能力が低下すると、実家がどうなるか。不動産の現場でよく見る「塩漬け」のパターンです。

なお、ここでご紹介するのは、私たちが現場で繰り返し見てきた典型的な流れをもとにした一般的なケースです。特定の個人やご家庭の事例ではありません。

ケース1:施設費用を捻出できない

親御さんが施設に入ることになり、その費用を実家の売却でまかなおうと考えるご家族は多いものです。ところが、いざ売ろうとした段階で親の判断能力が低下しており、売買契約が進められない。施設費用は毎月かかり続けるのに、いちばん大きな資産である実家が動かせない。結局、法定後見の申し立てから始めることになり、売却にこぎ着けるまでに長い時間がかかってしまう。これは、私たちが現場でよく見る流れです。

ケース2:空き家のまま維持費だけがかかる

親が施設や入院で実家に戻れなくなり、家が空き家になる。貸そうにも、所有者である親の判断能力が低下していて賃貸借契約が結べない。売ることも貸すこともできないまま、固定資産税や火災保険、庭木の手入れや傷みの補修といった維持費だけがかかり続ける。だれも住まない家が、家計の負担になり続けるのです。空き家は時間とともに傷みも進みます。

ケース3:家族のあいだで動けず時間だけが過ぎる

きょうだいのあいだで「実家をどうするか」を話し合いたくても、そもそも親名義の家は親の意思がなければ動かせません。判断能力が低下した後では、家族で合意しても法律上は前に進められない。「何とかしなければ」と思いながら、誰も手をつけられないまま年月だけが過ぎていく。気づけば家はさらに傷み、選べる手立ても減っている。こうした膠着は、決して珍しいものではありません。

これらのケースに共通するのは、「もう少し早ければ、もっと多くの選択肢があった」という点です。塩漬けは、突然起きるのではなく、備えのない時間の積み重ねの結果として起こります。

元気なうちにやっておく準備リスト

では、親御さんが元気な今、具体的に何をしておけばよいのでしょうか。すべてを一度にやる必要はありません。できるところから、少しずつ進めれば十分です。

1. 実家の名義と権利関係を確認する

まずは、実家が誰の名義になっているかを確認します。すでに名義が古い世代のままになっていたり、共有になっていたりすると、それ自体が後の手続きを複雑にします。登記の状況を把握しておくことが、すべての出発点です。

2. 不動産のおおよその価値を把握する

実家がいくらくらいで売れそうか、貸すならどのくらいの賃料が見込めそうか。おおよその相場観を持っておくと、将来「売る・貸す・残す」を判断するときの材料になります。価値を知ることは、慌てた判断を避けることにもつながります。

3. 親の希望を聞いておく

意外と後回しになりがちなのが、親御さん本人の希望を聞いておくことです。「この家は将来どうしたいか」「もし施設に入るとしたら、費用はどう考えているか」。元気なうちに本人の意向を確認しておくと、いざというときにご家族が迷わずにすみます。これは、本人の意思を尊重するうえでも大切なことです。

4. 家族で情報を共有する

きょうだいがいる場合は、実家のことを家族で共有しておきましょう。誰がどこまで把握しているかがバラバラだと、いざというときに話がまとまりません。「親の財産はこうなっている」「将来こうしたいと本人は言っている」という情報を、早めに揃えておくことが揉めごとの予防になります。

5. 備えの制度を知り、必要なら専門家に相談する

そのうえで、家族信託や任意後見といった備えの制度を知っておきます。すぐに契約する必要はありませんが、「こういう選択肢がある」と知っているかどうかで、いざというときの動きがまったく変わります。具体的に検討する段階になれば、司法書士や弁護士などの専門家に相談します。

このリストは、上から順にやらなければならないものではありません。気になったところから手をつけて大丈夫です。大切なのは、「いつか」ではなく「親が元気な今」のうちに、少しずつ進めておくことです。

不動産の窓口として専門家と連携する意味(ワンストップ)

ここで、私たち不動産会社の立ち位置を正直にお伝えしておきます。成年後見や家族信託の契約そのものは、司法書士・弁護士・税理士といった専門家が担う仕事です。晃南土地が後見人になったり、信託契約を作成したりするわけではありません。

では、不動産会社に相談する意味はどこにあるのか。それは、これらの備えの多くが「不動産をどうするか」を中心に動くからです。

入り口が「不動産」だからこそ

実家をどう扱うかという問題は、たいてい不動産の話から始まります。「この家はいくらで売れるのか」「貸せるのか」「残すなら維持費はどのくらいか」。こうした不動産そのものの見立てがないと、家族信託でどう設計すべきか、法定後見で売却を検討すべきかといった判断の前提が定まりません。

私たちは、まず不動産の現状と価値を整理し、そのうえで「この件は家族信託を検討する専門家につなぐべきか」「まずは相場を知って家族で話し合う段階か」といった交通整理をお手伝いできます。不動産を入り口にした、最初の相談窓口としての役割です。

専門家との連携でワンストップに

備えを実際に組むとなると、不動産の見立て、法律面の制度設計、税金の検討と、複数の専門分野が関わります。これを一つひとつご家族が自力で探して回るのは、大きな負担です。

私たちは、不動産の窓口として、必要に応じて司法書士や税理士などの専門家と連携しながら、ご家族の相談がスムーズに進むようにお手伝いします。「不動産のことも、その先の制度のことも、まずはここに相談すれば道筋が見える」。そういうワンストップの入り口でありたいと考えています。あくまで不動産の窓口として、専門家への橋渡しを担う立場です。後見や信託の契約そのものは、それぞれの専門家が責任をもって担当します。

我孫子で備えるときの進め方

最後に、千葉県我孫子市で実家をお持ちのご家族が、実際に備えを進めるときの流れをご案内します。

まずは現状を整理するところから

我孫子市やその周辺で実家をお持ちの場合、最初のステップは「現状の整理」です。名義、おおよその価値、建物の状態、ご家族の希望。これらを一度棚卸しするだけでも、何から手をつければよいかが見えてきます。私たちは地域に根ざした総合不動産として、我孫子エリアの相場観をふまえてこの整理をお手伝いできます。

「まだ何も決めていない」段階で大丈夫

ご相談に来られる方の多くは、「まだ何も決めていない」「とりあえず話を聞きたい」という段階です。それでまったく問題ありません。むしろ、決める前の早い段階でご相談いただくほうが、選べる備えの幅が広く残っています。

「売る」と決めてからでなくてかまいません。「将来どうしたらいいか、考え方を整理したい」というご相談こそ、元気な今だからこそ意味があります。

専門家への橋渡しまで

整理の結果、家族信託や任意後見を具体的に検討したほうがよさそうだとなれば、信頼できる専門家への橋渡しまでお手伝いします。ご家族だけで専門家を探す手間を省き、不動産の状況を踏まえたうえで相談を進められるようにします。

備えは、早ければ早いほど選択肢が多く、慌てずにすみます。「親が元気なうちにしかできないこと」があるという事実を知った今が、最初の一歩を踏み出すよいタイミングです。

ここまで読んでくださった方のなかには、「自分の実家の場合はどう進めればいいのか、もう少し具体的に聞いてみたい」と感じている方もいらっしゃるはずです。次のいずれかから、ご都合に合わせてお進みください。

状況だけ伝えて、何から考えればよいか相談したい方は、親の不動産の備えについて「晃南土地」に相談する

対面でじっくり話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約

「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく、状況を整理するサポートとして対応いたします。

まとめ

親御さんの判断能力が低下すると、本人名義の不動産は「売れない・貸せない」状態になり、関連する預金口座も動かせなくなることがあります。たとえ同居しているご家族であっても、意思能力という法律上の考え方のもとでは、勝手に親の家を売ることはできません。

この問題に備える制度は三つあります。判断能力が低下した後でも使えるのが法定後見で、後見人の報酬は月額2万円から6万円程度が目安とされ、本人の存命中続くのが原則です。判断能力があるうちにしか選べないのが、任意後見と家族信託です。とりわけ家族信託は、初期費用として数十万円から(規模により100万円超も)が目安ですが、判断能力が低下した後も受託者が不動産を比較的柔軟に動かせる点が特徴です。いずれの費用も目安であり、実際の額は事案によって変わります。

大切なのは、任意後見と家族信託が「元気な今」にしか選べない備えだという事実です。何かを今すぐ決める必要はありませんが、選択肢が多く残されている今のうちに、実家の名義や価値を確認し、家族で情報を共有し、備えの制度を知っておくこと。それが、将来の「塩漬け」を防ぐいちばんの方法です。

成年後見や家族信託の契約そのものは専門家が担いますが、その入り口にある「不動産をどうするか」の整理は、私たちがお手伝いできます。我孫子で実家をお持ちのご家族が、慌てずに、本人の意思を尊重しながら備えを進められるよう、不動産の窓口として専門家との橋渡しまで含めてご相談に乗ります。

「うちの実家の場合はどうだろう」と少しでも気になった方は、状況を整理するところからで大丈夫です。親の不動産の備えについて「晃南土地」に相談するか、じっくり話したい方は総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。早めの一歩が、ご家族の安心につながります。

参考にした公的データ・情報

成年後見制度・成年後見登記制度/法務省
成年後見はやわかり/厚生労働省

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