我孫子の戸建売却×雨漏り/シロアリ|告知と修繕の優先順位

- 第1章:2020年民法改正の衝撃|「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
- 第2章:雨漏りのリアル|我孫子の気候と「見えない浸水」の恐怖
- 第3章:シロアリの脅威|手賀沼周辺エリアの湿気と被害マップ
- 第4章:直して売るか?そのまま売るか?|「修繕」vs「告知」の戦略
- 第5章:費用対効果のシミュレーション|値引き額の目安を知る
- 第6章:最強の防具「物件状況等報告書」|「知らない」は通用しない
- 第7章:契約書の魔術|「容認事項」で責任を回避するテクニック
- 第8章:一般個人に売るか?業者に売るか?|ターゲットで変わるリスク
- 第9章:「古家付き土地」として売る|解体費用の押し付け合い
- 第10章:成功事例|トラブル物件を我孫子で売り切った実話
- 第11章:まとめ|正直者が一番得をする不動産売却
- ☺️晃南土地は皆様からのお問い合わせ・ご来店予約をお待ちしております
我孫子の戸建売却×雨漏り/シロアリ|告知と修繕の優先順位
「実家を相続したが、築40年でメンテナンスをしていない」「住み替えで売却したいが、過去に雨漏りしたことがある」。我孫子市内で古い戸建をお持ちの方から、このような相談が増えています。
特に我孫子は手賀沼や利根川などの水辺に近く、緑豊かな環境が魅力ですが、それは同時に「湿気」との戦いでもあります。木造住宅にとって大敵である雨漏りやシロアリ被害が、売却時の大きな障害となるケースが後を絶ちません。
売主様が最も恐れるのは、売却後に買主様から「話が違う!損害賠償を払え!」と訴えられるトラブルです。これを防ぐ鍵となるのが、正しい「告知」と、戦略的な「修繕」の判断です。
本記事では、我孫子の不動産売買に精通した晃南土地が、欠陥(契約不適合)がある家の売却戦略について、全11章で徹底解説します。まずは、絶対に知っておくべき法律のリスクと、2大トラブルの現状把握からスタートしましょう。
第1章:2020年民法改正の衝撃|「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
かつて不動産売却の世界では「瑕疵(かし)担保責任」という言葉が使われていました。「隠れた欠陥」があった場合に責任を負うというものでしたが、2020年4月の民法改正により、これが「契約不適合責任」へと名称も内容も大きく変更されました。この変化を理解していないと、我孫子での古い戸建売却は非常に危険です。
「隠れていたかどうか」は関係ない
以前の法律では、買主が「知らなかった(隠れていた)」欠陥についてのみ、売主は責任を負いました。しかし現在は、「契約書の内容と適合しているか否か」が全てです。
つまり、たとえ売主様自身も気づいていなかったシロアリ被害であっても、契約書に「シロアリ被害あり」と記載されていなければ、それは「契約不適合」となり、責任を問われるのです。
売主が負う4つの責任
もし、引き渡し後に雨漏りやシロアリが見つかり、それが契約書に記載されていなかった場合、買主は売主に対して以下の4つの請求権を持ちます。
- 追完請求(修補請求):「壊れているから直してください」という請求。
- 代金減額請求:「直さないなら、その分価格を安くしてください」という請求。
- 契約解除:「こんな家なら買わなかった。契約を白紙に戻してお金を返して」という通告。
- 損害賠償請求:「直すためにかかった費用や、引っ越し損害を払って」という請求。
特に恐ろしいのが「契約解除」と「損害賠償」です。売却代金をすでに次の新居の資金に使ってしまっていた場合、返還請求に応じることは経済的に破綻を意味します。
だからこそ、我孫子の築古物件を売る際は、「何が壊れているか」を徹底的に洗い出し、正直に告知することが、自分の身を守る最大の防御策となるのです。
「免責」特約の有効性
個人の売主様が、不動産業者(宅建業者)ではない買主様に売る場合、特約で「契約不適合責任を負わない(免責)」とすることは可能です。
しかし、これには条件があります。「売主が知っていて告げなかった事実」については、免責は無効となります。
「少し天井にシミがあるけど、バレないだろう」と黙って売却し、後に雨漏りと発覚した場合、免責特約をつけていても責任追及からは逃げられません。誠実な告知こそが、安全な売却の第一歩です。
第2章:雨漏りのリアル|我孫子の気候と「見えない浸水」の恐怖
我孫子市は、台風の通り道になることも多く、また昨今のゲリラ豪雨により、これまで雨漏りしなかった家でも突然被害が出るケースが増えています。戸建の売却において、雨漏りは「物理的欠陥」であると同時に、買主様の購買意欲を著しく下げる「心理的欠陥」でもあります。
雨漏りのサインを見逃さない
「天井から水が滴ってくる」というのは末期症状です。その前段階で、建物はサインを出しています。売主様自身で以下のポイントをチェックしてください。
- 天井・壁のクロス:茶色いシミ、カビ、剥がれがないか。特にサッシ周りや部屋の四隅。
- 押し入れ・天袋:特有のカビ臭さや、ベニヤ板の変色。
- 外壁:サイディングの継ぎ目(コーキング)のひび割れ、外壁のクラック。
- 基礎:基礎コンクリートに不自然な濡れジミが続いていないか。
我孫子特有のリスク要因
我孫子の古い住宅団地(例えば天王台やつくし野エリアの一部など)では、瓦屋根の家が多く残っています。瓦自体は耐久性が高いですが、その下の「防水シート(ルーフィング)」の寿命は20〜30年です。
また、増築を繰り返している戸建も要注意です。既存部分と増築部分の継ぎ目は、構造的に最も雨漏りしやすい弱点となります。
「雨漏り=売れない」ではない
重要なのは、「雨漏りしている事実」そのものよりも、「その原因と範囲が特定されているか」です。
買主様が不安なのは、「直るかどうかわからない雨漏り」です。「屋根の谷板金が錆びているのが原因で、20万円で直ります」と明確に説明できれば、その分の費用を値引きすることで、納得して購入してもらえる可能性は十分にあります。
逆に、原因不明のまま「たまに漏れます」と告知して売却するのは、価格を大幅に下げても買い手がつかない「事故物件」扱いになりかねません。
第3章:シロアリの脅威|手賀沼周辺エリアの湿気と被害マップ
木造住宅にとって癌(ガン)とも言えるのがシロアリです。一度侵入されると、土台や柱を食い荒らし、耐震性を劇的に低下させます。特に我孫子エリアでの戸建売却においては、このシロアリリスクを軽視することはできません。
なぜ我孫子はシロアリが多い?
シロアリは「湿気」と「木材」を好みます。我孫子市は手賀沼や利根川があり、地下水位が高いエリアが存在します。また、台地部であっても、古くからの植栽豊かな庭を持つ家が多く、日当たりや風通しの悪い床下環境はシロアリの天国です。
特に4月〜5月の雨上がりの昼間に、羽アリが大量に発生していたら、その家(または近隣)ですでに巣が作られている危険信号です。
「タイル張りの浴室」は危険地帯
昭和50年代〜平成初期に建てられた我孫子の戸建に多い、「在来工法の浴室(タイル張りの壁・床)」は要注意です。
タイルの目地に入った小さなヒビから長年水が染み込み、その裏にある土台の木材が腐食し、そこにシロアリが呼び寄せられるという「黄金パターン」が非常に多いのです。
見た目は綺麗でも、解体してみたら土台がスカスカだった、という事例を私たちは数多く見てきました。
シロアリ被害の自己チェック法
専門業者でなくても、ある程度の予測はつきます。
- 基礎の周りを見る:地面から基礎コンクリートの表面に、土のトンネル(蟻道・ぎどう)がないか確認してください。
- 床の感触:廊下や洗面所の床がフカフカ沈む場合、単なる経年劣化ではなく、床板や根太(ねだ)が食べられている可能性があります。
- ドアの建て付け:柱が食われて家が歪み、ドアの開閉が重くなることがあります。
売却時の「シロアリ点検」の重要性
売却活動を始める前に、床下点検を行うことを強くお勧めします。多くのシロアリ駆除業者は、点検と見積もりだけなら無料で行ってくれます。
「現在被害なし」という証明書があれば、買主様の安心材料になり、高値での売却に繋がります。逆に被害が見つかったとしても、告知書に正確に記載することで、契約不適合責任のリスクを回避できます。
第4章:直して売るか?そのまま売るか?|「修繕」vs「告知」の戦略
雨漏りやシロアリ被害が発覚した場合、売主様が直面する最大の悩みは、「自費で修繕してから売りに出すべきか」、それとも「現状のまま(ありのままを告知して)売るべきか」という選択です。
これに正解はなく、被害の程度と売主様の資金状況によって判断が分かれます。
パターンA:修繕してから売却(完治渡し)
【メリット】
- 「不具合なし」として売れるため、相場通りの価格で売れる。
- 買主の間口が広がり(一般の方も検討しやすい)、早期売却が期待できる。
- 引き渡し後のトラブルリスクが極めて低い。
【デメリット】
- 売れる前に数十万〜数百万円の現金(持ち出し)が必要。
- お金をかけて直しても、その分を売却価格に全額上乗せできるとは限らない(費用対効果の問題)。
【推奨ケース】
- 被害が軽微で、少額(数万円〜30万円程度)で完全に直る場合。
- 築年数が比較的浅く(築20年以内など)、建物としての価値が十分に残っている場合。
パターンB:現状有姿で売却(告知渡し)
【メリット】
- 事前の現金出費が不要。
- 買主様が自分の好みのリフォーム業者で直せる(DIY好きやリノベ業者向け)。
【デメリット】
- 売却価格から、修繕にかかる推定費用分(またはそれ以上)の値引きを要求される。
- 一般の買主様からは敬遠されやすく、売却期間が長期化する可能性がある。
- 契約書に詳細な容認事項(告知)を記載する専門的な知識が必要。
【推奨ケース】
- 被害が甚大で、直すと数百万円かかる場合。
- 築年数が古く(築30年以上)、建物価値がほぼゼロ査定の場合(「古家付き土地」として売る場合)。
- 手元資金に余裕がない場合。
晃南土地の視点:中途半端な修繕はNG
最も避けるべきなのは、「素人がホームセンターのコーキング剤で適当に埋める」といった応急処置です。
これはプロから見ると「原因を隠蔽した」と見なされる恐れがあるほか、雨水の出口を塞いでしまい、かえって内部の腐食を進行させる(雨漏りを悪化させる)原因になります。
直すならプロに依頼して「修繕完了証明書」をもらう。直さないなら一切触らずにありのままを見せて値引きする。このどちらかに振り切るのが、我孫子での戸建売却を成功させる鉄則です。
第5章:費用対効果のシミュレーション|値引き額の目安を知る
では、実際に「現状有姿(直さずに売る)」を選択した場合、どれくらいの「値引き(価格設定の調整)」が必要になるのでしょうか。我孫子の市場相場をベースにシミュレーションしてみます。
買主心理としての「リスクプレミアム」
買主様は、「見積もりで100万円かかる工事」がある物件に対し、単に100万円の値引きでは満足しません。「工事中に他の欠陥が見つかるかもしれない」という不安(リスク)があるため、工事費+α(リスクプレミアム)の値引きを期待します。
一般的には、推定修繕費用の1.2倍〜1.5倍程度の減額が妥当なラインとなります。
ケーススタディ:我孫子駅徒歩15分、築35年戸建
- 通常相場(不具合なしの場合):1,500万円
- 不具合状況:2階の和室天井に雨漏り跡あり(現在は止まっているように見える)。
【見積もりを取った結果】
屋根の葺き替えが必要で、約150万円の見積もりが提示された。
【売出し価格の戦略】
- 売主が直して売る場合
- 販売価格:1,650万円(相場+工事費)
- 実質手残り:1,650万 – 150万(工事費)= 1,500万円
- ※ただし、1,650万円で売れる保証はない(相場より高くなるため)
- 直さずに売る場合(相場価格で出し、交渉枠を持つ)
- 販売価格:1,350万円(相場 – 工事費)
- 値引き交渉:さらに50万円程度の指値を想定
- 最終成約予想:1,300万円
- 実質手残り:1,300万円
【解説】
数字だけ見ると「直して売る」方が得に見えますが、古い物件に1,650万円の値段がつくと、新築や他の優良中古物件と比較され、競合負けするリスクがあります。
一方、1,300万円であれば「我孫子エリアでこの広さでこの価格なら、自分で直しても安い!」と感じる「リノベ派」や「投資家」の目に留まりやすくなります。
物件の「総額」が買いやすい価格帯に収まるかどうかが、判断の分かれ目です。
「インスペクション」という投資
正確な値引き幅を決めるために有効なのが、「既存住宅状況調査(インスペクション)」です。建築士の資格を持つ検査員が、家の状態を第三者の目でチェックします。
費用は5〜6万円程度かかりますが、「雨漏りとシロアリ以外は健全です」というお墨付きが得られれば、無茶な値引き交渉を防ぐ強力な武器になります。
我孫子の古い戸建市場では、このインスペクション済み物件が、「安心できる物件」として選ばれやすくなっています。
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第6章:最強の防具「物件状況等報告書」|「知らない」は通用しない
我孫子での不動産売買契約において、売主様を守る最も重要な書類が「物件状況等報告書(告知書)」です。これは、物件の不具合や過去の履歴を、売主様自身が知っている範囲で詳細に記入し、買主様に提出する書類です。この書き方一つで、将来の裁判沙汰を回避できるかどうかが決まります。
「嘘」と「隠蔽」は絶対NG
告知書には、「雨漏りの有無」「シロアリの害」「給排水管の故障」などを記入する欄があります。ここで最もやってはいけないのが、不具合があることを知っていながら「なし」と書くこと、あるいは「知らない」と書くことです。
近隣への聞き込みや、過去のリフォーム履歴から「売主が知っていたはずだ」と立証されると、契約不適合責任に加え、詐欺罪に問われる可能性すらあります。
「直したから書かなくていい」という勘違い
よくある間違いが、「5年前に雨漏りしたけど、業者に頼んで直したから『過去に雨漏りなし』にした」というケースです。これもアウトです。
正解は、「現在:なし」「過去:あり(平成32年に屋根修繕済み)」と記載し、その時の修繕報告書や見積書を添付することです。
「直した履歴」があることは、むしろ「適切に管理されてきた家」というプラスの評価に繋がります。正直に開示することが、買主様の信頼獲得への近道です。
迷ったら「あり」にして詳細を書く
例えば「天井にシミがあるが、雨漏りかどうかわからない」場合。「不明」とするよりも、備考欄に「2階和室天井にシミあり。現在の雨天時の漏水は確認できず」とありのままの状態を記述します。
これを見た上で買主様が購入すれば、「シミがあることを承知で買った」という事実(容認事項)が成立し、後からクレームをつけることができなくなります。
第7章:契約書の魔術|「容認事項」で責任を回避するテクニック
売買契約書の特約条項には、「容認事項(ようにんじこう)」というリストを作ることができます。これは、買主様が「この不具合があることを納得(容認)して買います」と約束するものです。我孫子の築古戸建を安全に売るためには、この容認事項の作り込みが重要です。
具体的であればあるほど強い
単に「建物に不具合あり」と書くだけでは弱いです。「何の不具合か」が特定されていないからです。以下のように、場所と症状を具体的に記述します。
- NG例:「本物件は築年数が古いため、雨漏り等の不具合がある可能性があります」
- OK例:「本物件の2階南側洋室のサッシ上部に、幅20cm程度の雨染み跡があります。売主は修繕を行っておらず、買主はこれを容認し、自らの負担で修繕するものとします」
このように記載されていれば、引き渡し後にその場所から雨が漏れても、売主様は契約不適合責任を負う必要がありません。
「現況有姿(げんきょうゆうし)」の誤解
「現況有姿渡し」という言葉をよく使いますが、これは「今の状態のまま引き渡す(リフォームしてあげない)」という意味であって、「責任を負わない」という意味ではありません。
たとえ現況有姿であっても、契約書に書かれていない不具合(隠れた欠陥)が見つかれば、売主は責任を負います。
「現況有姿」と「契約不適合責任の免責」はセットで考え、さらに「具体的な不具合のリストアップ」を行うこと。これが、我孫子の古い家をトラブルなく手放すための方程式です。
第8章:一般個人に売るか?業者に売るか?|ターゲットで変わるリスク
売却活動において、買主様が「一般の個人」か「不動産会社(プロ)」かによって、売主様が負うリスクと、売却できる金額が大きく異なります。雨漏りやシロアリ被害がある場合、この選択が極めて重要になります。
パターン1:一般個人への売却(仲介)
晃南土地が仲介に入り、SUUMOなどで広く買主様を探す方法です。
- 価格:相場通りで高く売れる可能性がある。
- リスク:買主様は素人なので、欠陥に対して厳しい。契約不適合責任を免責にすることが難しい場合がある(買主が住宅ローンを使う場合、完全な免責を嫌がる銀行があるため)。
- スピード:買い手が現れるまで時間がかかる(3ヶ月〜半年以上)。
パターン2:不動産会社への売却(買取)
晃南土地などの不動産会社が、直接買主となって買い取る方法です。
- 価格:市場相場の7割〜8割程度になる(業者はリフォームして再販する利益を見込むため)。
- リスク:ここが最大のメリットです。 買主がプロ(宅建業者)の場合、売主様の契約不適合責任は「免責(責任なし)」にするのが業界の通例です。引き渡し後にシロアリの大群が出てきても、業者は文句を言えません。
- スピード:価格さえ合意すれば、最短1週間程度で現金化できる。
我孫子の築古物件には「買取」が有利?
雨漏りやシロアリ被害が深刻で、「直してから売る資金がない」「後々のトラブルがとにかく怖い」という方には、間違いなく「買取」をお勧めします。
手取り金額は下がりますが、「枕を高くして眠れる安心感」と「即金性」は、何物にも代えがたいメリットです。
特に相続した空き家など、遠方に住んでいて管理ができない場合は、業者買取でスパッと縁を切るのが賢明な判断と言えます。
第9章:「古家付き土地」として売る|解体費用の押し付け合い
建物の状態があまりに悪い場合、建物に値段をつけず、「古家(ふるや)付き土地」として売り出す戦略があります。我孫子市内でも、築40年超の物件はこの形態で取引されることが多いです。
「更地渡し」と「現況渡し」
土地として売る場合でも、建物の取り扱いには2つのパターンがあります。
- 更地(さらち)渡し:売主の費用で解体し、何もない状態にして引き渡す。
- メリット:土地が綺麗に見えるので高く早く売れやすい。地中埋設物(ガラなど)のリスクを事前に排除できる。
- デメリット:解体費用(木造30坪で150万〜200万円程度)を先に支払う必要がある。
- 現況(古家付き)渡し:建物が残ったまま引き渡す。解体は買主が行う。
- メリット:売主の持ち出し費用がない。
- デメリット:解体費用分を見込んで、土地価格を安く設定する必要がある。見た目の印象が悪く、売れにくい。
解体費高騰と我孫子の事情
現在、アスベスト規制の強化や人件費高騰により、我孫子エリアでも解体費用が数年前に比べて1.5倍近くに上がっています。
「現況渡し」で売り出しても、買主様から「解体見積もりをとったら250万かかると言われた。その分、250万円値引きしてほしい」と要求されるのがオチです。
「契約不適合免責」を忘れずに
「解体前提の古家付き土地」として売る場合でも、契約書には必ず「建物についての契約不適合責任は負わない」と明記する必要があります。
これを忘れると、買主様がリノベーションしようとして「やはり解体する」となった際に、「柱が腐っていたせいだ」と責任を問われるリスクがゼロではないからです。
契約書の特約に「本物件建物は、老朽化が著しく価値がないものとして取引するため、売主は建物に関する一切の責任を負わない」という一文を入れることが鉄則です。
第10章:成功事例|トラブル物件を我孫子で売り切った実話
「こんなボロボロの家、本当に売れるの?」と諦める前に、晃南土地が実際に扱った我孫子での解決事例をご覧ください。適切な戦略があれば、欠陥住宅も「商品」になります。
事例1:雨漏り申告+100万円の値引き(並木エリア)
- 物件:築38年 木造2階建て
- 状況:台風時に1階出窓付近から雨漏り。売主様は高齢で修繕資金なし。
- 戦略:インスペクションを実施し、雨漏り箇所を特定。修繕見積もりが30万円だったが、リスク込みで相場より100万円安く設定し、「雨漏りあり・現状有姿・責任免責」で売り出し。
- 結果:DIYが得意な若いご夫婦が、「浮いた100万円で屋根もキッチンも直せる」とメリットを感じて購入。全てを正直に話したことで信頼関係が生まれ、トラブルゼロで成約。
事例2:シロアリ被害の空き家を「買取」で処分(湖北エリア)
- 物件:築45年 長期間空き家
- 状況:床が抜け落ちそうな箇所があり、調査の結果、広範囲なシロアリ被害を確認。一般の方への売却はクレームリスクが高いと判断。
- 戦略:晃南土地による「直接買取」を提案。建物価値はゼロ、土地値から解体想定費を引いた価格を提示。
- 結果:売主様は「後から文句を言われないなら安いほうがマシ」と快諾。契約から2週間で決済完了。その後、弊社で解体し、新築用地として再販。
どちらのケースも、「隠さずオープンにする」ことと、「ターゲットに合わせた価格設定」が勝因です。
第11章:まとめ|正直者が一番得をする不動産売却
我孫子で雨漏りやシロアリ被害のある戸建を売ることは、決して怖いことではありません。怖いのは、「バレないだろう」と隠して売ることです。
2020年の民法改正以降、不動産取引のルールは「正直者が損をしない(正直者しか生き残れない)」仕組みに変わりました。
不具合を隠して高く売ろうとすれば、数年後に損害賠償という形で倍返しを食らいます。逆に、不具合をさらけ出し、適切な対策(価格調整や免責特約)を講じれば、堂々と、安全に資産を現金化できます。
晃南土地からのご提案
もし、ご実家やご自宅の状態に不安があるなら、まずは晃南土地にご相談ください。
- 物件調査:プロの目で建物のリスクを洗い出します。
- 戦略立案:「直して売る」「そのまま売る」「買取で処分する」の3パターンで、手取り額とリスクをシミュレーションします。
- 法的防衛:鉄壁の「告知書」と「契約書特約」を作成し、売主様を守ります。
「実は雨漏りがあって…」というご相談は、私たちにとっては日常茶飯事です。恥ずかしがる必要はありません。
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