入居者が亡くなったら大家がやること|契約・残置物・次の募集
柏市や千葉県我孫子市でアパートやマンションの一室、戸建てを貸しているオーナーの方へ。
「入居者さんが亡くなったと連絡があった。契約はどうなるのか、部屋の荷物はどうすればいいのか、何から手を付ければいいのか分からない」
長く住んでくれた入居者の訃報は、オーナーにとっても心が揺れる出来事です。一方で、部屋の契約や荷物、家賃の精算、次の募集など、決めなければならないことが次々に出てきます。結論から言うと、入居者が亡くなったときのオーナーの対応は「契約は自動的には終わらない」「残置物は勝手に処分しない」「相続人と順を追って話し合う」の3点が土台になります。
この記事では、入居者が亡くなったと分かったときの初動から、賃貸借契約の相続、相続人との解約と明け渡しの協議、残置物の扱い、保証人や保証会社への連絡、費用の精算、特殊清掃と保険、そして次の入居者を募集するときの告知の考え方までを、流れに沿って整理します。入居者対応から退去後の原状回復・募集までをまとめて任せられる先を探している方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスもあわせてご覧ください。
入居者が亡くなったとき、オーナーが最初に押さえたいこと
入居者が亡くなったとき、オーナーの頭に最初に浮かぶのは「部屋をどうするか」かもしれません。ただ、法律上は、入居者が亡くなっても賃貸借契約はその場で終わるわけではなく、部屋の中の家財も、亡くなった方の財産として相続人に引き継がれます。
そのため、オーナーが自分の判断だけで部屋を片付けたり、次の入居者を決めたりすることはできません。まずは全体の流れをつかんでおくと、落ち着いて対応しやすくなります。
| 段階 | オーナーが行う主なこと |
|---|---|
| 1. 初動 | 事実の確認、室内の状況把握は関係者の立ち会いのもとで |
| 2. 関係者への連絡 | 緊急連絡先・連帯保証人・保証会社・管理会社への連絡 |
| 3. 相続人の確認 | 契約を引き継ぐ相続人を確かめ、今後の意向を聞く |
| 4. 契約の終了 | 合意解約などで契約を終わらせる時期を決める |
| 5. 残置物の整理 | 相続人の了解を得て、家財の引き取りや処分を進める |
| 6. 精算 | 未払い家賃・原状回復費用・敷金を精算する |
| 7. 次の募集 | 室内の回復と、告知の要否を整理したうえで募集を始める |
感情と手続きを切り分ける
遺族は、突然の別れの中で多くの手続きを抱えています。オーナーとして早く部屋を片付けたい気持ちがあっても、最初の連絡でいきなり費用や明け渡しの話を切り出すと、相手の気持ちを傷つけかねません。お悔やみの言葉を伝えたうえで、「落ち着いたら、お部屋のことをご相談させてください」と時間を置く姿勢が、その後の話し合いを円滑にします。
連絡を受けたとき・異変に気づいたときの初動
入居者の死亡を知る経路は、遺族や病院からの連絡のほか、「新聞や郵便物がたまっている」「数日前から電気がついたままになっている」といった近隣住民からの知らせがきっかけになることもあります。
異変に気づいたときは、まず安否確認を優先する
連絡が取れない、室内で倒れているかもしれないといった状況では、何よりも命に関わる対応を優先します。緊急性が高いと感じた場合は、ためらわずに救急(119番)や警察(110番)に連絡してください。まだ助かる可能性がある場面で、契約上の手続きを気にして様子見をする理由はありません。
室内には一人で立ち入らない
オーナーは合鍵を持っていることが多いものの、入居者の部屋は、たとえ所有者であっても入居者の生活の場です。安否確認のために入室する場合は、緊急連絡先の方や警察官などに立ち会ってもらい、一人で入ることは避けましょう。後から「部屋の中の物がなくなった」などのトラブルになるのを防ぐためにも、誰がいつ、どのような状況で入室したかを記録しておくことが大切です。
亡くなっていることが確認された場合は、警察の判断を待ち、室内の物には手を触れないようにします。事件性の有無の確認などが終わるまでは、オーナーが部屋を片付けたり、鍵を替えたりすることはできません。
最初に記録しておきたいこと
- 知らせを受けた日時と、連絡してきた人・連絡手段
- 入室した場合は、日時と立ち会った人
- 室内の状況(写真を撮る場合は、関係者の了解を得たうえで)
- 警察や遺族から伝えられた内容
この記録は、後に相続人と話し合う場面や、次の入居者募集で告知の要否を判断する場面で、事実を確かめる材料になります。
賃貸借契約は亡くなっても終わらない|民法896条の考え方
入居者が亡くなったとき、多くのオーナーが意外に感じるのが「契約はそのまま続いている」という点です。
借りる権利は相続人に引き継がれる
民法896条は、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定めています。部屋を借りる権利(賃借権)と家賃を支払う義務も、この「権利義務」に含まれます。つまり、入居者が亡くなった時点で、賃借人の立場は相続人に移り、契約は相続人との間で続いていることになります。
そのため、亡くなった後の家賃も、契約が終わるまでは発生し続けると考えられます。オーナーとしては、この家賃を誰がいつまで負担するのかを、相続人と話し合って決めていく必要があります。
契約書の「死亡時は終了」は注意が必要
賃貸借契約書の中に「賃借人が死亡したときは契約が終了する」といった条項を入れているケースもあります。ただ、一般的な普通借家契約では、こうした条項があっても、相続人の権利との関係で効力が問題になることがあり、条項だけを根拠に明け渡しを進めるのは避けたほうがよいでしょう。契約の終わらせ方に迷う場合は、提携の専門家と連携しながら、個別の契約内容に沿って確認することをおすすめします。
なお、入居者が亡くなったときに契約が終了する仕組みとして、法律で定められた「終身建物賃貸借」という制度もあります。これは、あらかじめ認可を受けた事業として結ぶ特別な契約で、通常の賃貸借契約とは扱いが異なります。
相続人を確認し、連絡を取る
契約が相続人に引き継がれる以上、話し合いの相手は相続人です。まずは誰が相続人なのかを確かめることから始めます。
緊急連絡先・連帯保証人から手がかりを得る
入居時に届けてもらった緊急連絡先や連帯保証人が、親族であることは少なくありません。まずはこれらの方に連絡し、ご家族の状況や、手続きの窓口になってくれる方がいるかを確認します。
相続人が複数いる場合
相続人が複数いる場合、契約を解除するときは、原則として相続人全員との間で進める必要があるとされています。民法544条は、当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみすることができると定めているためです。
実務では、相続人の代表者を窓口にして話し合うことが多いものの、最終的な合意の書面には、相続人全員の同意が得られているかを確かめておくと安心です。
相続人がいない・分からない場合
身寄りがない方や、相続人全員が相続放棄をした場合など、話し合う相手が見つからないケースもあります。この場合は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人を通じた手続きが必要になることがあり、時間も費用もかかりやすくなります。オーナーだけで判断を進めず、提携の専門家と連携して進め方を検討する場面です。
また、相続人が相続放棄を考えている場合、部屋の家財を処分したり、敷金の返還を受けたりすると、相続を認めたと見なされるおそれがあるとされています。相続人から「片付けてよいか」と相談された場合も、オーナーから処分を急がせることは避け、相続人自身が専門家に確認したうえで判断できるよう配慮しましょう。
契約の終了と明け渡しの進め方
相続人と連絡が取れたら、契約をどう終わらせるかを話し合います。相続人の中に、その部屋に住み続けたいという方がいれば、契約を続ける選択肢もあります。多くの場合は、解約して部屋を明け渡す方向で話が進みます。
合意解約で終了日を決める
相続人との話し合いでは、合意解約の形で契約の終了日を決めるのが、双方にとって分かりやすい進め方です。契約書の解約予告期間(1か月前など)をそのまま当てはめるのか、残置物の片付けが終わる日を目安に終了日を決めるのかは、相続人の事情も踏まえて柔軟に考えるとよいでしょう。
合意書に残しておきたい項目
- 契約の終了日(明け渡し日)
- 終了日までの家賃の扱い
- 残置物の引き取り・処分の方法と費用負担
- 原状回復の範囲と費用負担
- 敷金の精算方法と返還先
- 相続人全員の同意が得られていること
口頭の約束だけで進めると、後から別の相続人が異なる主張をすることもあります。合意した内容は書面に残しておきましょう。
ここまで読んで、「今まさに入居者のご家族とどう話を進めればいいか、一緒に整理してほしい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。契約書の内容や相続人の状況を伺いながら、進める順番から整理したい方は、入居者が亡くなったときの対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。入居者やご家族とのやり取り、退去後の原状回復や募集までを任せる場合の内容は、「晃南土地」の賃貸管理サービスで紹介しています。
残置物は勝手に処分しない
入居者が亡くなった後、部屋に残された家具や家電、衣類、書類などの家財(残置物)の扱いは、オーナーが最も頭を悩ませる部分の一つです。
家財の持ち主は相続人
残置物も、亡くなった方の財産として相続人に引き継がれます。オーナーの物件の中にあっても、オーナーの物ではありません。そのため、相続人の了解を得ずにオーナーが処分すると、後から損害賠償を求められるなどのトラブルになるおそれがあります。
「価値のない物ばかりに見える」と感じても、遺族にとっては思い出の品や、手続きに必要な書類が含まれていることがあります。預金通帳や印鑑、写真、手紙などは、特に慎重な扱いが必要です。
鍵の交換や搬出を急がない
次の募集を早く始めたいからといって、相続人と話がまとまる前に鍵を替えたり、荷物を運び出したりするのは避けましょう。法的な手続きによらずに権利を実現しようとする「自力救済」にあたるおそれがあり、かえってオーナーが不利な立場に置かれかねません。
相続人と進める片付けの方法
- 相続人自身が引き取り・処分を行う
- 相続人が遺品整理の業者に依頼する
- 相続人の同意を書面で得たうえで、オーナー側で業者を手配し、費用を精算する
どの方法でも、「誰が、何を、いつまでに、誰の費用で」を明確にしておくことが大切です。
「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を知っておく
相続人が分からない、連絡が取れないといった場合に、残置物の処理が進まなくなるのを防ぐための仕組みとして、国土交通省と法務省が2021年6月に公表したのが「残置物の処理等に関するモデル契約条項」です。
どのような仕組みか
このモデル契約条項は、単身の高齢者(60歳以上の方)が部屋を借りる場面を想定したひな形です。入居者が亡くなった場合に備えて、入居時に、入居者と受任者との間で次の2つの契約を結んでおく内容になっています。
| 契約 | 受任者に任せる内容 |
|---|---|
| 解除関係事務委任契約 | 入居者が亡くなったときに、賃貸借契約を合意で解除する代理権などを受任者に与える |
| 残置物関係事務委託契約 | 契約終了後に、残置物の搬出・廃棄、指定された物の送付などを受任者に任せる |
受任者には、まず入居者の推定相続人のいずれかがなることが望ましいとされ、それが難しい場合には、居住支援法人や居住支援を行う社会福祉法人などの第三者が想定されています。残置物関係の事務では、物件を管理する管理業者も候補に挙げられています。
オーナー自身は受任者にならない
モデル契約条項の解説では、契約の解除について賃貸人(オーナー)を受任者とすることは避けるべきとされています。オーナーと入居者側の利害が対立するおそれがあるためです。また、個人の保証人がいる場合など、残置物への不安が生じにくい場面で使うと、無効になる可能性があることも示されています。
2025年の法改正との関係
2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法では、居住支援法人の業務に、入居者からの委託に基づく残置物の処理が加えられました。国土交通省の資料では、このモデル契約条項を活用して実施することが示されています。これから単身の高齢者に部屋を貸す場合には、入居時の備えとして、こうした仕組みの利用を検討する価値があります。
連帯保証人・家賃保証会社への連絡
入居者が亡くなった場合も、連帯保証人や家賃保証会社への連絡は早めに行います。
個人の連帯保証人は「亡くなった時点」までが目安
2020年4月1日以降に結ばれた個人の保証契約では、民法465条の4により、主たる債務者(入居者)が亡くなると、保証の対象となる元本が確定するとされています。つまり、亡くなった後に発生する家賃などは、連帯保証人の保証の対象にならない可能性があるということです。
亡くなる前に発生していた未払い家賃などは、極度額の範囲で連帯保証人に請求できる場合がありますが、契約の時期や内容によって扱いが変わります。請求の可否に迷う場合は、提携の専門家と連携して確認しておきましょう。
家賃保証会社を利用している場合
家賃保証会社を利用している場合は、入居者が亡くなったことを速やかに届け出ます。保証会社によっては、亡くなった後の家賃や、残置物の撤去費用、原状回復費用の一部を保証の対象にしている場合もあります。保証の範囲や届出の期限は契約ごとに異なるため、保証委託契約の内容を確認しておきましょう。保証会社の仕組みについては、『家賃保証会社の仕組みと選び方|我孫子の賃貸オーナーが滞納リスクを減らすために知っておくべきこと』でも詳しく解説しています。
家賃・原状回復費用・敷金の精算
契約の終了と明け渡しの目処が立ったら、お金の精算に進みます。
精算の対象になるもの
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 未払い家賃 | 亡くなる前の未払い分と、亡くなった後から契約終了までの家賃 |
| 原状回復費用 | 通常の使用による損耗や経年劣化はオーナーの負担が原則 |
| 残置物の処分費用 | 相続人との合意に沿って負担を決める |
| 敷金 | 未払い家賃などを差し引いた残額を返還する |
敷金の返還先は相続人
敷金は、賃貸借が終了して部屋の明け渡しを受けたときに、未払いの家賃などを差し引いた残額を返還するものです(民法622条の2)。入居者が亡くなった場合の返還先は相続人になるため、相続人が複数いる場合は、誰に返還するのかを合意書で明確にしておきましょう。
原状回復の線引きは通常の退去と同じ
原状回復の考え方は、入居者が亡くなった場合でも、通常の退去と基本的に変わりません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年劣化や通常の使用による損耗はオーナーが負担し、入居者の故意・過失などによる損傷は入居者側が負担するという考え方が示されています。原状回復の考え方は、『柏で賃貸経営をする大家さんへ|退去トラブルを防ぐ原状回復の考え方』もあわせてご覧ください。
特殊清掃と保険の確認
亡くなってから発見までに時間がかかった場合は、臭いや汚れを取り除くための特殊清掃や、床・壁の張り替えなどの大がかりな工事が必要になることがあります。
特殊清掃の費用を誰が負担するか
特殊清掃や大規模な改修の費用を、どこまで相続人や保証会社に求められるかは、亡くなった状況や契約内容、発見までの経過などによって判断が分かれるところです。一律に「相続人が全額負担」「オーナーが全額負担」とは言い切れないため、費用の見積もりを取ったうえで、相続人と丁寧に話し合うことが大切です。
家主向けの保険・特約を確認する
保険会社によっては、入居者の孤独死などによって生じた原状回復費用や、空室期間・家賃値下げによる損失を補償する、家主向けの保険や特約を用意している場合があります。すでに加入している火災保険に、こうした特約が付いているかどうかを確認しておくとよいでしょう。補償の範囲や条件は商品ごとに異なるため、加入を検討する際は内容をよく比べることをおすすめします。火災保険の見直しについては、『我孫子・柏で賃貸経営を10年続けている大家さんへ|火災保険・地震保険、加入時のままにしていませんか』も参考にしてください。
次の募集で告知は必要?|国交省の「人の死の告知に関するガイドライン」
部屋の回復が終わると、気になるのが次の入居者募集です。「亡くなった方がいた部屋だと伝えなければいけないのか」という疑問に対して、一つの目安になるのが、国土交通省が2021年10月に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」です。
ガイドラインが示す原則
このガイドラインは、居住用の不動産を対象に、宅地建物取引業者が買主・借主に何を告げるべきかの考え方をまとめたものです。賃貸に関わる主なポイントは次のとおりです。
| 事案 | 賃貸での扱い(原則) |
|---|---|
| 老衰・持病による病死などの自然死 | 告げなくてもよい |
| 階段からの転落、入浴中の事故、食事中の誤嚥など日常生活の中での不慮の死 | 告げなくてもよい |
| 上記の死でも、長期間発見されず特殊清掃や大規模リフォームが行われた場合 | 発覚から概ね3年間は告げる対象。3年経過後は原則として告げなくてもよい |
| 自然死・不慮の死以外の死 | 発生から概ね3年間は告げる対象。3年経過後は原則として告げなくてもよい |
| 隣の住戸や、日常生活で通常使用しない共用部分での事案 | 原則として告げなくてもよい |
ただし、事件性や周知性、社会に与えた影響などが特に高い事案は、3年を過ぎても告げる必要がある場合があるとされています。また、借主から事案の有無を問われた場合や、借主が把握しておくべき特段の事情があると認識した場合には、経過期間や死因にかかわらず告げる必要があるとされています。
告げる内容と、遺族への配慮
告げる場合の内容は、事案の発生時期(特殊清掃などが行われた場合は発覚時期)、場所、死因(不明な場合はその旨)、特殊清掃などが行われた場合はその旨とされています。一方で、亡くなった方や遺族の名誉と生活の平穏に配慮し、氏名や年齢、家族構成、具体的な死の態様などを告げる必要はないとされています。
オーナーが仲介会社・管理会社に正しく伝える
ガイドラインでは、仲介を行う宅地建物取引業者が、貸主に告知書などへの記載を求めることで調査の義務を果たしたものとする考え方が示されています。つまり、事実を最もよく知っているオーナーが、分かっていることを正確に伝えることが出発点になります。「言わなければ分からない」と伏せてしまうと、後から入居者との間でトラブルになるおそれがあります。初動の段階で残した記録が、ここで役立ちます。
柏・千葉県我孫子市で賃貸を持つオーナーが備えておきたいこと
柏市や我孫子市は、JR常磐線沿いの住宅地を中心に、若い単身者やファミリーだけでなく、長く同じ部屋に住み続けている高齢の入居者も暮らしているエリアです。入居から年月が経ち、入居時に届けてもらった緊急連絡先の方も年齢を重ねていたり、連絡先が変わっていたりすることがあります。
緊急連絡先を定期的に見直す
契約の更新のタイミングなどで、緊急連絡先や連帯保証人の連絡先に変更がないかを確かめておくと、万が一のときに関係者へ早く連絡が届きます。年末年始やお盆の前は、離れて暮らす家族が帰省などで連絡を取り合う時期でもあるため、見直しのきっかけにしやすいでしょう。
単身の高齢入居者への備えを入居時に整える
これから単身の高齢者に部屋を貸す場合は、見守りの仕組みや、残置物のモデル契約条項、保証会社の利用などを入居時に整えておくことで、オーナー側の不安を減らすことにつながります。入居者層の特徴については、『我孫子・柏エリアの賃貸需要を知ろう|学生・単身・ファミリー・シニアが「選ぶ理由」と物件ターゲットの考え方』でも紹介しています。
管理会社に任せられること
入居者が亡くなったときの対応は、法的な判断に加えて、遺族への配慮や多くの関係者との調整が必要になり、オーナーお一人で抱えると大きな負担になりがちです。
管理会社に管理を委託している場合は、次のような実務を任せられるケースがあります。
- 近隣住民や関係者からの連絡の受付と、安否確認時の立ち会いの手配
- 緊急連絡先・連帯保証人・保証会社への連絡と届出
- 相続人との連絡調整や、合意書の取りまとめのサポート
- 残置物の片付けや特殊清掃、原状回復工事の手配
- 仲介会社への告知事項の正確な伝達と、次の入居者募集
相続や契約の法的な判断が必要な場面では、管理会社が弁護士・司法書士などの専門家と連携して進める形になります。委託できる範囲は管理会社ごとに異なるため、契約前に確認しておきましょう。
よくある質問
入居者が亡くなったら、賃貸借契約はすぐに終わりますか?
一般的な普通借家契約では、入居者が亡くなっても契約はすぐには終わらず、借りる権利と家賃を支払う義務は相続人に引き継がれます(民法896条)。契約を終わらせるには、相続人と話し合い、合意解約などの手続きを進める必要があります。
亡くなった入居者の荷物を、オーナーが処分してもいいですか?
相続人の了解を得ずに処分することは避けましょう。残置物は相続人の財産にあたるため、無断で処分すると損害賠償を求められるおそれがあります。相続人と、引き取りや処分の方法、費用の負担を話し合ったうえで進めます。
亡くなった後の家賃は、連帯保証人に請求できますか?
2020年4月1日以降に結ばれた個人の保証契約では、入居者が亡くなると保証の対象となる元本が確定するため、亡くなった後に発生した家賃は保証の対象外となる可能性があります。契約の時期や内容によって扱いが変わるため、提携の専門家と連携して確認することをおすすめします。
病気で亡くなった部屋でも、次の入居者に伝える必要がありますか?
国土交通省のガイドラインでは、老衰や持病による病死などの自然死は、原則として告げなくてもよいとされています。ただし、長期間発見されず特殊清掃などが行われた場合は、発覚から概ね3年間は告げる対象になります。借主から問われた場合は、経過期間にかかわらず告げる必要があるとされています。
相続人全員が相続放棄をしたら、どうなりますか?
話し合う相手がいなくなるため、家庭裁判所が選任する相続財産清算人を通じた手続きが必要になることがあります。時間や費用がかかりやすいため、オーナーだけで判断せず、専門家と連携して進め方を検討しましょう。
まとめ
入居者が亡くなったとき、賃貸借契約はその場では終わらず、借りる権利も部屋の中の家財も相続人に引き継がれます。オーナーとしては、異変に気づいたら安否確認を優先し、室内には関係者の立ち会いのもとで入ること、残置物を勝手に処分しないこと、相続人と順を追って契約の終了や精算を話し合うことが基本になります。
あわせて、個人の連帯保証人の保証範囲や、家賃保証会社・保険の補償内容を確認し、次の募集では国土交通省のガイドラインに沿って、分かっている事実を仲介会社に正確に伝えましょう。これから単身の高齢者に部屋を貸す場合は、残置物のモデル契約条項など、入居時の備えを整えておくことも大切です。
ここまで読んで、「自分の物件の場合、何から順番に進めればいいのか、一緒に考えてほしい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ご都合に合わせて、次のいずれかからお進みください。
状況だけ伝えて、対応の順番から相談したい方は、入居者が亡くなったときの対応を「晃南土地」に相談するからご連絡ください。
対面で契約書を見ながらじっくり話したい方は、総合不動産「晃南土地」我孫子店への来店予約をご利用ください。
入居者対応から原状回復、次の募集までを任せる場合の内容を先に知りたい方は、「晃南土地」の賃貸管理サービスを詳しく見るをご覧ください。
「まだ検討段階」と添えていただければ、営業ではなく状況整理のサポートとして対応いたします。