【我孫子】土地の一部だけ売りたい!失敗しない「分筆」の手順と費用|測量から登記まで

1. はじめに:広すぎる庭、管理できない空き地…「分筆」が我孫子の資産を守る鍵

千葉県我孫子市。ここは、水と緑に囲まれた美しい景観と、都心への通勤利便性が共存する街として、古くから多くの人々に愛されてきました。特に高度経済成長期からバブル期にかけて開発された住宅街は、一区画ごとの敷地面積が広く、ゆとりある住環境が形成されています。

しかし、時が流れ、ライフスタイルが変化した今、その「広すぎる土地」が、所有者様にとっての悩みの種となっているケースが急増しています。

「子供たちが独立して夫婦二人暮らしになり、100坪ある敷地の管理が追いつかない」

「夏場になると庭の草むしりだけで週末が潰れてしまう。体力てきにも限界を感じている」

「固定資産税の通知書を見るたびに、使っていない庭や駐車場にまで高い税金を払い続けることに疑問を感じる」

「建物が古くなり、バリアフリーリフォームや建て替えをしたいが、年金暮らしでまとまった資金を用意するのが難しい」

このような切実な悩みを抱える我孫子のオーナー様にとって、最も手っ取り早い解決策は「家を売って、駅前の便利なマンションや、サイズの小さな戸建てに住み替える」ことかもしれません。しかし、長年住み慣れた愛着ある我が家を手放し、ご近所付き合いのあるコミュニティから離れるという決断は、精神的にも大きな負担となります。また、引っ越し自体が年齢を重ねた身体には重労働です。

そこで今、我孫子の不動産市場で注目されているのが、「今の家に住み続けながら、土地の一部だけを売却する」という選択肢です。これを実現するための法的な手続きを「分筆(ぶんぴつ)」と呼びます。

例えば、道路に面した広い庭の一部を切り分けて、建築可能な土地として他人に売却するのです。

これにより、所有者様は以下の「3つのメリット」を同時に手に入れることができます。

  1. まとまった「現金」が手に入る: 売却益を老後の生活資金や、自宅のリフォーム費用、あるいは孫への教育資金として活用できます。
  2. 「固定資産税」等の維持費が安くなる: 手放した面積分だけ、翌年からの固定資産税・都市計画税が恒久的に削減されます。
  3. 「管理の手間」が激減する: 草むしりや植栽の手入れが必要な面積が減り、肉体的な負担から解放されます。

まさに「一石三鳥」の解決策と言えるでしょう。しかし、土地を分けるというのは、単に地面に白線を引いて「ここから右は売ります」と決めるような単純な話ではありません。

日本の不動産登記制度に基づいた厳格な手続きが必要であり、隣地との境界確定、建築基準法の接道義務、都市計画法の制限など、クリアすべきハードルがいくつも存在します。ここを安易に考えると、「分けた結果、自宅の車庫証明が取れなくなった」「法律違反の土地を作ってしまい、二束三文でしか売れなくなった」という、取り返しのつかない大失敗を招きかねません。

特に我孫子市は、場所によって「最低敷地面積」の制限があったり、埋蔵文化財包蔵地であったりと、地域特有の注意点も多く存在します。

この記事では、我孫子で土地の一部売却を検討されている方へ向けて、分筆の基礎知識から、具体的な手順、かかる費用、そして成功の鍵を握る「測量」のリアルな実務まで、不動産のプロである晃南土地が、どこよりも詳しく、丁寧に解説します。専門用語も噛み砕いて説明しますので、ぜひ最後までお読みいただき、あなたの大切な資産を守るための参考にしてください。


2. そもそも「分筆(ぶんぴつ)」とは?登記簿と公図で見る土地の仕組み

不動産の取引において、「分筆」という言葉は頻出しますが、その正確な意味や法的な効力を正しく理解している方は多くありません。「分割」や「区分け」とは何が違うのでしょうか? まずは、この基礎をしっかりと固めておきましょう。

「一筆(いっぴつ)」という数え方と由来

普段、私たちは土地を「1区画」「1箇所」と数えますが、法務局にある不動産登記簿上では、土地の単位を「筆(ふで)」と呼びます。

一つの「地番(ちばん)」がついている土地全体を「一筆(いっぴつ)」と数えるのです。これは、明治時代の地租改正の際、土地台帳を編成する検地担当者が、筆で一つ一つ土地を記録していったことに由来すると言われています。

例えば、あなたの住所が「我孫子市本町〇丁目〇番〇号」だとします。これは「住居表示」と呼ばれる、郵便物を届けるための番号です。

これとは別に、土地には固有の「地番」があります(例:我孫子市本町100番1)。この「100番1」という一つの地番がついた土地全体が、法的に独立した「一筆」の状態です。現地でどれだけ広く見えても、フェンスで仕切られていても、登記簿上で地番が一つなら、それは「一筆の土地」なのです。

分筆=「土地の戸籍を分ける」イメージ

分筆登記とは、この「一筆の土地」を、法的に分割して「複数の筆(地番)」に分ける手続きのことを指します。

イメージとしては、子供が親の戸籍から抜けて分籍し、新しい戸籍を作るのに似ています。

元の土地(100番1)を2つに分けた場合、

  • 一方はそのまま「100番1」として残ります(親番)。
  • もう一方は、新たに「100番2」という新しい地番(枝番)が与えられ、独立した登記簿が新たに作成されます。

これによって、法務局にある「公図(こうず)」という地図上でも、一本の線が引かれ、2つの別の土地として扱われるようになります。これが分筆です。

なぜ分筆しないと売れないのか?

ここが最も重要なポイントであり、多くの方が疑問に思う点です。

「広い庭の右半分だけを売りたい」と思った時、なぜわざわざ分筆しなければならないのでしょうか?

日本の民法および不動産登記法では、「一筆の土地の一部だけを売買(所有権移転登記)することはできない」という大原則があります。これを「一物一権主義」と言います。一つの物(一筆の土地)には、一つの権利(所有権)しか成立しないのです。

例えば、300㎡ある土地の「右側の100㎡だけをAさんに売ります」と契約書を交わすことは、当事者間では自由です。しかし、いざ法務局に行って「この土地の右側100㎡だけAさんの名義に変えてください」と申請しても、絶対に受け付けてもらえません。名義を変えるなら「300㎡全部」を変えるか、「持分(例えば3分の1)」を変える(共有にする)しかありません。

しかし、共有名義では「ここは私の場所」と排他的に使うことが難しく、他人に売る場合にトラブルの元になります。

したがって、土地の特定の部分を、独立した所有権として他人に売却してお金に換えるためには、売る部分と残す部分を法的に切り離す「分筆登記」が、売却のための絶対条件(スタートライン)となるのです。


3. 我孫子で「分筆売却」を選ぶべき理由:メリットと市場ニーズの合致

土地を丸ごと売るのではなく、あえて手間と費用をかけて分筆して売る。この手法が、なぜ今我孫子市で有効な戦略となるのでしょうか。

それは、売主様個人のメリットだけでなく、我孫子の不動産市場の「需要(ニーズ)」と合致しているからです。

メリット1:市場が求める「サイズ」と「価格」に合わせられる

我孫子市内の古い分譲地(例えば天王台や湖北エリアなど)は、1区画が80坪〜100坪以上あるケースが多く見られます。

これを分筆せずに丸ごと売ろうとすると、どうなるでしょうか。

仮にそのエリアの坪単価相場が30万円だとしても、100坪なら土地だけで3,000万円になります。そこに、今の建築資材高騰下で2,500万円の家を建てると、総額5,500万円。

現在の一次取得層(30代の子育てサラリーマン世帯)にとって、この金額は予算オーバーになりがちです。結果、「広すぎて買えない」「総額が高すぎて手が出ない」という理由で、いつまでも売れ残ってしまうリスクが高まります。

しかし、これを半分(50坪)に分筆すれば、土地価格は1,500万円になります。これなら総額4,000万円で注文住宅が建てられるため、我孫子で家を探している購入希望者のストライクゾーンに入ります。

「大きすぎて売れにくい土地を、市場で最も需要のあるサイズと価格帯に切り分ける(ダウンサイジング)」。

これこそが、分筆がもたらす最大のマーケット戦略であり、早期売却・高値売却を成功させる秘訣です。

メリット2:固定資産税・都市計画税の恒久的な削減

使っていない庭や、物置しか置いていないスペースにも、毎年税金がかかり続けています。

分筆して他人に売却してしまえば、その面積分の固定資産税・都市計画税は、翌年から完全にゼロになります。

特に我孫子駅周辺などの地価が高いエリアでは、数十坪減らすだけで年間数万円〜十数万円の節税効果が生まれます。これを10年、20年と積み重ねれば、数百万円単位の差になります。年金生活における家計防衛策として、非常に有効な手段です。

メリット3:将来の相続対策(争族の防止)

広い土地を一つだけ持っている状態で相続が発生すると、子供が複数いる場合に「どう分けるか」で揉める原因になります。

「兄が実家の土地を全部もらうなら、弟には代償として現金を渡さなければならないが、そんな現金はない」といった事態です(代償分割の資金不足)。

生前に分筆して現金化しておけば、現金を子供たちに公平に分けることができます。

あるいは、広い土地を二つに分筆しておけば、「東側の土地(実家)は兄、西側の土地(更地)は弟」といった具合に、不動産そのものをきれいに分けて相続させる「現物分割」も容易になります。

分筆は、ご自身の生活を豊かにするだけでなく、次世代にトラブルを残さないための「終活」の一環としても非常に意義深いものです。

デメリットと注意点:残った土地の価値毀損リスク

一方で、デメリットやリスクもあります。最大の懸念は、分け方を間違えると「残った自宅側の土地の価値が下がってしまう(減価する)」ことです。

  • 日当たりの悪化: 南側の庭を売ってしまい、そこに新しい家が建ったことで、自宅のリビングが真っ暗になってしまった。
  • 駐車スペースの問題: カースペースごと売ってしまい、自分の車を停める場所がなくなった、あるいは出し入れが極端に難しくなった。
  • プライバシーの侵害: 新しい家の窓が、自宅の寝室の目の前に来てしまった。

「お金になればいい」と安易に分けるのではなく、「残った土地でこれからも快適に住み続けられるか」「残った土地も将来高く売れる価値を維持できているか」をシミュレーションすることが不可欠です。

私たち晃南土地は、単に売るためだけでなく、「残す側の生活」を守るための分筆プランをご提案します。


4. 費用はいくらかかる?分筆プロジェクトの予算組み

分筆して売却するには、専門家に依頼するための費用がかかります。

「売れたお金で払えばいいや」と考えがちですが、売却代金が入ってくる前に支払わなければならない「先行投資(着手金や実費)」も発生します。

我孫子での一般的な相場(30坪〜100坪程度の宅地)をベースに、費用の内訳を詳しく見てみましょう。

1. 土地家屋調査士への報酬(測量・登記費用)

これが分筆にかかる費用の大半を占めます。土地の形状、面積、隣接地の数、道路の種類(公道か私道か)によって大きく変動します。

  • 境界確定測量費: 30万円〜60万円程度
    隣地との境界を確定させるための作業です。ここが最も高額になります。我孫子市の場合、前面道路が市道であれば「官民査定(道路査定)」が必要となり、その手続き費用も含まれます。隣地所有者が多く、立ち会い人数が増えるほど高くなります。
  • 分筆登記費用: 5万円〜10万円程度
    法務局へ分筆を申請するための書類作成・代行費用です。
  • 地積更正登記費用: 5万円〜10万円程度
    測量した結果、登記簿に記載されている面積(公募面積)と、実際の面積(実測面積)が異なっていた場合、正しい面積に直す登記もセットで行う必要があります(※古い土地ではほぼ必須です)。

合計目安:40万円〜80万円前後

※隣地とのトラブルで交渉が長引く場合や、資料が全くない場合、境界杭の復元が必要な場合などは、100万円を超えることもあります。

2. 販売にかかる諸費用

分筆が無事に完了し、売却活動に入った後にかかる費用です。これらは通常、成約時(引き渡し時)に売買代金から差し引く形で精算可能です。

  • 仲介手数料: 売買価格×3%+6万円(消費税別)。
  • 印紙代: 売買契約書に貼る収入印紙代(1万円〜3万円程度)。
  • 譲渡所得税: 売却して利益が出た場合、翌年に支払う税金です(※マイホームの敷地の一部売却であれば、要件を満たせば3,000万円特別控除が使える可能性があり、税金をゼロにできるケースもあります)。

3. その他の工事費用(状況による)

分筆して売る土地を「商品化」するために必要な工事費です。

  • 解体撤去費用: 売却予定地に建っている物置、カーポート、古家、ブロック塀、庭木などを撤去し、更地にする費用。数十万円〜。
  • 水道引き込み工事: 新しくできた土地には水道メーターがありません。売主負担で引き込む条件にする場合、30万〜50万円程度かかります(※買主負担として売却することも可能です)。
  • 造成工事: 傾斜地などで土留め(擁壁)が必要な場合。

資金計画の重要性

分筆プロジェクトは、測量費などで少なくとも50万円〜100万円程度の「先行投資」が必要になる事業です。手元資金に余裕がない場合は、つなぎ融資や、測量費用の後払い(決済時払い)に応じてくれる調査士を探すなどの対策が必要です。

晃南土地では、事前に概算見積もりを作成し、最終的に手元にいくら残るのか(手取り額シミュレーション)を明確にしてからスタートすることをお勧めしています。


5. 失敗しない手順【フェーズ1】:事前調査とプランニング

ここからは、実際に分筆を進める手順を時系列で解説します。

「測量士を呼んで測ってもらう」のはまだ先です。まずは机上での「作戦会議」が重要です。この準備段階(約1〜2週間)で、プロジェクトの成否の8割が決まると言っても過言ではありません。

ステップ1:法的規制のチェック(最低敷地面積に注意!)

我孫子市には、場所(用途地域)によって「最低敷地面積の制限」というルールが設けられています。

これは、「乱開発によるミニ開発を防ぎ、良好な住環境を守るため、これ以上小さく土地を分けてはいけません」という決まりです。

例えば、あなたの土地が「第一種低層住居専用地域」にあり、最低敷地面積が「120㎡」と定められているとします。

この場合、どんなに広い200㎡の土地であっても、半分(100㎡ずつ)に分筆して家を建てることはできません。これを無視して計画を進めると、建築確認が下りない(家が建てられない)土地を作ってしまうことになり、誰も買ってくれません。

まずは不動産会社を通じて、役所(我孫子市役所建築住宅課など)でこの制限を確認し、「何㎡までなら分けられるか」を把握します。

ステップ2:分割ライン(分筆線)の決定

法的な制限をクリアした上で、具体的にどこで線を引くかを検討します。

  • 接道義務のクリア:
    建築基準法では、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールがあります。分筆後の2つの土地が、どちらもこの条件を満たすように線を引かなければなりません。
    特に、道路に面する間口が狭い土地の場合、単純に半分にできず、路地状敷地(旗竿地)を作らざるを得ないケースもあります。その場合、竿の部分の幅(2.5m〜3m推奨)を確保できるかがポイントです。
  • 既存建物との距離:
    自宅を残す場合、新しい境界線が自宅の壁ギリギリになりすぎないよう注意が必要です。民法では「境界から50cm以上離して建てる」ことが求められます。また、将来の外壁塗装のための足場スペースや、エアコン室外機、給湯器のメンテナンススペースも確保しなければなりません。

ステップ3:住宅ローンの確認(抵当権の扱い)

もし、今の自宅の土地に住宅ローンの「抵当権(銀行の担保)」がついている場合、勝手に分筆して売ることはできません。

銀行に相談し、「売却する部分の土地について、抵当権を外してもらう(一部抹消する)」承諾を得る必要があります。

通常は、売却代金の一部(または全額)をローンの繰り上げ返済に充てることを条件に認められますが、残債の額や物件の担保価値によっては認められないこともあります。これも最初の段階で金融機関に確認必須です。

これらの事前調査を怠り、いきなり測量を始めてしまうと、「測量は終わったが、法律上売れない土地だった」「銀行の許可が下りなかった」という悲劇が起こります。

まずは私たち晃南土地にご相談ください。我孫子の条例や法規制を熟知したスタッフが、最適な分筆プランを無料で作成いたします。


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6. 失敗しない手順【フェーズ2】:最難関「境界確定測量」のリアル

プランが決まったら、いよいよ実務のメインイベントである「測量」に入ります。

机上の計算とは異なり、ここからは「人(隣人)」が相手となるため、最も時間がかかり(通常1.5ヶ月〜3ヶ月)、かつ最もデリケートな調整が必要となる工程です。分筆プロジェクトが成功するかどうかは、このフェーズを乗り越えられるかにかかっています。

土地家屋調査士の選定:技術よりも「人間力」

測量を行い、境界を確定させ、登記を申請するのは、国家資格者である「土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)」です。

しかし、誰に頼んでも結果が同じになるわけではありません。測量機械の操作技術以上に重要なのが、「隣地所有者との交渉力(コミュニケーション能力)」です。

境界確定のためには、お隣さんに「ここのラインで合意してください」と納得してもらい、実印を押してもらう必要があります。

「昔、塀を作る時に揉めた」「普段から挨拶もしない仲だ」といった事情がある場合、無愛想な調査士が行くと門前払いされるリスクがあります。

逆に、物腰が柔らかく、粘り強く誠実に説明できる調査士であれば、難航しそうな案件もスムーズにまとまることが多いのです。

私たち晃南土地では、我孫子エリアでの実績が豊富で、近隣トラブルの解決能力に長けた信頼できる調査士をご紹介しています。

隣地挨拶と立ち会い(筆界確認)

調査士が事前測量(仮測量)を行った後、隣接する全ての土地の所有者(左右のお隣さん、裏の人、道路を挟んだ向かいの人など)に現地に来てもらい、境界の確認(立ち会い)を行います。

  1. 事前の挨拶: 調査士(場合によっては売主様も同行)が、「分筆して売却したいので、境界を確認させてほしい」と挨拶に回ります。
  2. 現地立ち会い: 指定した日時に全員(または個別)に集まってもらい、「ここのブロック塀の中心が境界ですね」「ここの赤い杭(くい)が境界点ですね」と、図面と現況を照らし合わせながら一つ一つ指差し確認を行います。
  3. 筆界確認書の取り交わし: 全員が境界線に納得すれば、後日、その内容を図面化した「筆界確認書(ひっかいかくにんしょ)」という書類に署名し、実印で捺印をもらいます。印鑑証明書も添付してもらいます。

この「筆界確認書」が揃って初めて、法務局は「境界が確定した」と認めます。一人でも反対したり、ハンコを拒否したりすれば、分筆はできません。

我孫子市との立ち会い(官民査定)

前面道路が我孫子市道(公道)の場合、お隣さんだけでなく、道路管理者である我孫子市の担当職員とも立ち会いを行い、道路と民地の境界を確定させます。これを「官民査定(かんみんさてい)」または「道路査定」と呼びます。

これは「お役所仕事」になるため、申請から立ち会い、図面作成、決裁が下りるまでに、どうしても時間がかかります。

特に我孫子市内の古い道路では、過去の資料が乏しく、境界を決めるのに数回の協議が必要になるケースもあります。

「早く売りたいから急いでくれ」と言っても、この行政手続きだけはショートカットできません。だからこそ、売却計画には3ヶ月〜半年程度の余裕を持つことが鉄則なのです。


7. 失敗しない手順【フェーズ3】:分筆登記から売却活動へ

嵐のような「境界確定」という山を越えれば、あとは事務的な手続きが進んでいきます。ここまで来れば、ゴールは目前です。

分筆案の最終確定と「杭入れ」

確定した外周の境界をもとに、フェーズ1で計画した「分割ライン(分筆線)」を最終決定します。

このライン上に、新しい境界杭(プラスチック杭、金属プレート、コンクリート杭など)を物理的に設置します。これを「杭入れ(くいいれ)」と言います。

これにより、現地を見ても「ここからここまでが売る土地だ」と誰の目にも明らかになります。

法務局への分筆登記申請

土地家屋調査士が作成した「地積測量図(ちせきそくりょうず)」などの書類を管轄の法務局(千葉地方法務局柏支局)に提出し、分筆登記を申請します。

申請から完了までは、通常1週間〜10日程度です。

登記が完了すると、新しい地番(例:100番2)の登記簿(登記事項証明書)が作成され、新しい権利証(登記識別情報通知)が発行されます。

この時点で初めて、法的に「売却できる独立した土地」が誕生したことになります。

媒介契約と売却活動の開始

ここからは私たち晃南土地の出番です。

分筆された新しい土地(更地、または庭部分)について、正式に媒介契約を結び、買主様を探す活動をスタートします。

【分筆直後の土地が「高く・早く」売れる理由】

分筆したばかりの土地は、市場において非常に人気があります。

なぜなら、

  1. 「境界確定済み」である: 測量図が最新であり、隣地との境界トラブルのリスクがゼロであることが保証されている。
  2. 「権利関係がクリーン」である: 抵当権なども整理されており、ハウスメーカーや工務店が安心して建築プランを立てられる。
  3. 「地積(面積)が正確」である: 公簿売買(登記簿面積での売買)ではなく、実測売買(正確な面積)となるため、買主にとってフェアである。

これらの条件が揃っているため、「測量渡し」という好条件物件として、相場の上限価格での売却が期待できるのです。


8. よくあるトラブル事例と回避策:お隣さんとの関係性が全て

分筆プロジェクトにおいて、最も恐ろしいのは「お隣さんとのトラブル」です。

長年のご近所付き合いの中で蓄積された感情や、物理的な越境問題が、測量をきっかけに表面化することがあります。

事前にリスクを知り、対策を練っておきましょう。

事例1:越境物の発見(屋根・ブロック塀)

測量してみたら、自宅の屋根の軒先がお隣の敷地に数センチはみ出していた。あるいは、お隣のブロック塀がこちらの敷地に入り込んでいた、という「越境(えっきょう)」が発覚するケースは、古い住宅街では日常茶飯事です。

【回避策:越境の覚書】

「越境しているから、今すぐ壊して直せ」となると大喧嘩になります。

そこで、「越境の覚書(おぼえがき)」という書類を取り交わします。

内容は、「現在、屋根が越境していることを双方が確認しました。今の建物があるうちはそのままで良いですが、将来建て替える時には、越境を解消して建てます」という約束です。

この覚書があれば、越境状態のままでも分筆・売却が可能になります(※買主への重要事項説明は必須です)。

事例2:お隣が認知症で判断能力がない

お隣さんが高齢で認知症を患っており、境界確認の意味を理解できず、署名・捺印ができないケースです。ご家族が代筆しても、法的には無効となります。

【回避策:成年後見人】

成年後見人が選任されていれば、後見人が署名します。いない場合は、家庭裁判所に申し立てて選任してもらう必要がありますが、これには半年〜1年単位の時間がかかります。

こうしたリスクがあるため、「お隣さんが元気なうちに測量だけでもしておく」ことが、将来の資産防衛につながります。

事例3:どうしてもハンコをもらえない(感情的な対立)

「昔、お宅の木の枝がウチに入ってきて迷惑した」「挨拶がなかった」などの感情的な理由で、境界確認に応じてくれない、あるいは法外な「ハンコ代」を要求されるケースです。

【回避策:筆界特定制度】

どんなに頭を下げてもダメな場合の最終手段として、法務局の「筆界特定制度」を利用する方法があります。

これは、お隣の同意がなくても、法務局の専門家(筆界調査委員)が過去の資料や現地調査に基づいて「本来の境界はここである」と公的に認定してくれる制度です。

この認定があれば、お隣のハンコがなくても分筆登記が可能になります。ただし、費用と時間(半年〜1年)がかかるため、あくまで最後の切り札です。


9. 成功の秘訣は「チーム編成」:不動産会社と土地家屋調査士の連携

ここまでお読みいただき、分筆には高度な専門知識と、粘り強い交渉力が必要であることをご理解いただけたかと思います。

売主様一人で進めるのは不可能ですし、単に測量士に丸投げすれば良いというものでもありません。

分筆による売却を成功させる秘訣は、「販売を見据えたプランニングができる不動産会社」と、「交渉力のある土地家屋調査士」がタッグを組むことです。

不動産会社(晃南土地)の役割:プロデューサー

私たちは「どう分ければ一番高く売れるか」という出口戦略を考えます。

  • 「ここを50坪で切れば、車が並列で2台停められるので、子育て世代に高く売れます」
  • 「この形だと、残ったご自宅の日当たりが悪くなるので、ラインを1メートルずらしましょう」
  • 「買主様が決まってから、その希望に合わせて最終的なラインを決める『分割案売り』にしましょう」

土地家屋調査士の役割:エンジニア

不動産会社の戦略に基づき、法的に問題ないラインを計算し、隣地との調整を完遂します。

技術力はもちろんですが、「売れる土地を作る」という目的を不動産会社と共有できていることが重要です。

この二者が連携していないと、「測量は終わったけれど、形が悪くて家が建ちにくい(=売れない)土地ができてしまった」という悲劇が起こります。

まずは不動産会社に相談し、そこから信頼できる調査士を紹介してもらい、ワンチームで進めるルートが、最も安全で確実です。


10. 我孫子エリアの分筆・売却に関するQ&A

我孫子分筆売却を検討されている方から、晃南土地によく寄せられる質問にお答えします。

Q. 分筆にかかる費用は、売れるまで払わなくていいですか?

A. 一部は先払いが必要です。

土地家屋調査士への報酬のうち、「着手金」や「中間金」、実費(印紙代や杭代)などは、業務の進行に合わせて支払う必要があります。

ただし、最終的な残金については、売却代金の決済時に精算(買主からのお金で支払う)することも可能な場合があります。これは調査士との契約によりますので、事前にご相談ください。

Q. 庭にある古い物置や樹木は、いつ撤去すればいいですか?

A. 測量の邪魔になるなら先に、そうでなければ引き渡し前でOKです。

測量の視界を遮るような障害物や、境界線上にあるブロック塀などは、正確な測量のために先に撤去や一部解体をお願いすることがあります。

それ以外の庭木や古家は、買主が決まってから引き渡しまでの間に撤去すれば大丈夫です。解体業者の手配も晃南土地で行えます。

Q. 狭い土地でも分筆して売れますか?

A. 我孫子の最低敷地面積制限によります。

第5章で触れた通り、我孫子市内の多くのエリアでは「100㎡(約30坪)以上」や「120㎡以上」といった最低敷地面積が定められています。

例えば、元の土地が50坪しかない場合、それを半分(25坪)に分筆することは、条例で禁止されているため不可能です。ご自身の土地がいくらまで小さくできるか、まずは調査が必要です。

Q. 測量した結果、登記簿の面積より減ることはありますか?

A. あります(縄縮み)。

昔の測量技術は未熟だったため、登記簿の面積と実際の面積が違うことはよくあります。

実測したら面積が減っていた(縄縮み)場合、売れる面積も減ってしまうため、予定していた売却金額が下がる可能性があります。逆に、増えている(縄伸び)場合もあります。こればかりは測ってみないと分かりません。


11. まとめ:我孫子の土地活用、まずは晃南土地の無料診断から

広すぎる土地を分筆して売却することは、資産を整理し、老後の生活資金を確保し、次世代への負担を減らすための、極めて賢明な「資産防衛策」です。

愛着ある家に住み続けながら、庭の手入れの苦労から解放され、現金も手に入る。これは、人生の後半戦を豊かに過ごすための前向きな選択です。

しかし、その道のりは平坦ではありません。境界の問題、法律の壁、費用の捻出、そして近隣との調整。

これらを乗り越えるためには、我孫子の地域事情に精通し、最初から最後まで伴走してくれるパートナーが必要です。

私たち晃南土地は、創業以来、ここ我孫子市に根ざし、数多くの複雑な土地取引を成功させてきました。

測量士任せにするのではなく、私たち自身が現場を確認し、売主様の利益を最大化するプランを練り上げます。

「うちの庭、半分売ったらいくらになる?」

「お隣さんとの境界が分からないんだけど…」

「まずは話だけ聞いてみたい」

そんな素朴な疑問からで構いません。

まずは、あなたの土地が分筆可能か、いくらで売れるか、手取りはいくらになるか。私たちが無料で診断・シミュレーションいたします。

大切な資産を「守り、活かす」ための第一歩を、晃南土地と一緒に踏み出しましょう。


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