自分たちのまち我孫子を、だれもが居心地良く暮らせるまちとして大切に育てていく。そういう想いで私たちも何かできないかと日々模索しています。特に、未来を担う子どもたちは地域のみんなで見守り、応援していきたいと考えてきました。
今回、晃南土地株式会社では、湖北中学校のキャリア教育「中学生の職場体験」に協力させていただき、2人の生徒さんが職場体験に参加してくれました。
湖北中の職場体験は実際の就活にかなり近いプロセスを経て体験できるプログラムになっているのが特徴です。校内にハローワークを開設、そこに各事業所が『求人票』を作成し提出します。その求人票を学年掲示板に掲示し、生徒たちに「自分に合った職場」を探してもらい、エントリーシートを記入、そして面接をし、合格すればその事業所での実地体験をすることができるという仕組みです(不合格者は最初からやり直し)。
生徒全員が社会の仕組みを学び、いずれ来る本当の就職活動の糧にできるようにその素地の育成を目指す。この考え方は、過去に市内中学校でキャリア教育文部科学大臣表彰、千葉県教育奨励賞(学校部門)を受賞したものだそうです。
今年、晃南土地を選んでエントリーしてくれた、湖北中2年生のりょうたさんといくおさん(仮名)に1日体験の後の感想などを伺いました。
――― 今回、二人とも湖北中ハローワークから職場体験に参加してくれているけど、この取り組みに参加することはどう考えていましたか?
りょうた:うーん、最初はこれに参加するのって意味あるのかな?と思っていました。
いくお:最初は面倒くさかったけれど、ちょっと考えてみたら楽しそうとも思うようになっていました。今朝ここに来る時はすごく緊張していました。
―――なかなか中学生だと就職のイメージがわかないかな?ちなみに、将来なりたい職業はありますか?
りょうた:自分が目指しているのはプロサッカー選手です。今回、職業は違いますが、職場体験ではコミュニケーションの仕方を学んで、それを活かして仕事につなげていけたらいいなと思います。
いくお:今は特に決まっていませんが、今回学んだことをできるだけ活かした職業に就きたいです。
――― 不動産会社ってどんなイメージでしたか?
いくお:家を売ったりするという仕事であることしか想像していませんでした。
りょうた:マンションなどを貸し出したり、土地を売ったりするのかなと。
――― 今日、1日体験してみてどうでしたか?職場体験は全部で2日間なので半分終わったけどどうでしたか?まだ半分あるけど(笑)
りょうた:不動産会社の仕事内容が理解できました。いろんな人との接し方を学べて充実していた1日でした。もともと不動産会社は貸し出しするだけと思っていたので、細かい物件調査とかあって、大変な仕事だなと思いました。
――― 今日は午前中に市役所に行って、調査という仕事を体験してもらいました。思ったよりも難しい仕事だったと思ったのでは?午後は消防署の人とやり取りとも話したけど、どんな会話をしていたか覚えていますか?
りょうた:物件の紹介などをしている時に、社員の方が自分の思っていることを伝えるのが上手いなと思いました。聞いている人が話の内容をすぐ理解できるような、とても伝わりやすい話しかただと感じました。
――― あさっては賃貸の窓口など体験してもらいます。その時はもしかしたらお客様とも会話してもらうかもしれないけれど…2人は学校で友達と会話するのは得意?それとも苦手?
りょうた:消防署の方や市役所の方とのかかわる時、きちんとコミュニケーションを取って仲良く接していて、それが僕もできるようになればいいなと思いました。
いくお:普段、学校で友達と話すのは大丈夫なんですが、先生や親以外の大人と話す機会ははあまりないし、あらたまった場所で話さなないといけない時、言葉が出てこないです。
――― でも、いくおくん、今、ちゃんと伝えられているよ。
――― 自分が好きな所に行って体験してくるというのが一般的な職業体験だと思うんですが、湖北中の職場体験はステップが2段階あって、まずエントリーシートに自分の想いを書いて、希望する企業にエントリーするのが1つ目のハードル。今回はインフルエンザの流行などで事前の面接は無くなったけれど、企業面接があるのが2つ目のハードルでした。面接で落ちたら職場体験できないというのがとてもリアルな仕組みだと思います。このエントリーシートを書くときに自分なりに頑張ったところはどこですか?
りょうた:まず、企業が求めている人物像とマッチするように。あとは言葉づかいに気を付けてていねいに書いたことです。
いくお:当日の面接はかなり緊張しましたし、僕、緊張すると言葉が出てこないので、自分で想定して練習してきました。
――― お素晴らしいですね!選抜の面接が中止になってしまって、顔合わせとしての面接はありましたが緊張した?2人で一緒に来たの?
りょうた:はい、一緒に来ましたが、ここに来るまでずーっと「緊張するね」と話していました。話す時もガチガチでした。
――― 来て見て実際に話してどうだった?
いくお:緊張しました。座った瞬間、言葉が出てこなかったです。
――― 我孫子市内全部で20社くらいの中から自分が行きたい企業を選んでエントリーシートを出すという決まりでしたが、今回、弊社を選んでくれた理由は?
りょうた:求める人物像が自分とマッチしていたからです。あとは不動産業の仕事内容が気になったというのもありました。
いくお:職場体験に来て欲しい人が「明るくて話すのが好きな人」だったので、僕も話すのは好きだからエントリーしました。あと、求人票に載っていた我孫子のイラストが気になりました。
――― 会社が求める人を基準に選んだというのが実際の就活に近い考え方で驚きました。確かに「元気で明るい子」と書きましたね。いくおくんは我孫子の絵を見て、どんな風に感じましたか?
いさお:自然が豊かで、その中にもいろんな高い建物があったりして、改めて我孫子っていい場所だなと思いました。
――― 我孫子は好き?
りょうた:歴史的な背景のある建物とか自然がたくさんあるし、住みやすいです。
いくお:我孫子駅の周りは都市化ししているとこもあるけど、森や利根川もあり、自然があって住みやすいところが好きです。
―――これから学校生活に戻ってから、実際に自分たちが活かせそうだなと思ったことはある? こういうところ苦手だったけどチャレンジしてみようとか。
りょうた:僕は対応力が低いので、今回学んだことを活かして、自分でできることをしっかりやってみたいです。もっと積極的に動いてみようかな。
いくお:僕は野球部で、他の中学と一緒に練習することが多いのですが、そこで他の中学の人でも話せる人は話しているけど、あまり良く知らない人とはなかなか話せないんです。特にキャッチボールする時に相手がみつからないことがあるので、そんな時に自分から積極的に、話したことが無い人にもコミュニケーションをとりにいきたいと思いました。
―――まだ実感わかないかもしれないけど、いつか、本当に就活をする時に振り返って、この経験は良かったなと思ってくれたら嬉しいです。この職場体験でやることが必ず自分たちの力になったと後から気が付くと思うので、この後も楽しみながらやってください!
この職場体験を通じて、人と人のつながりを大切にして我孫子の良さを伝えることが私たち不動産会社の仕事の一つであること、また、地域企業で働く良さなども感じてもらえたのではないかと思っています。
彼らが大学生になった時もインターンシップで来てくれたら嬉しいです。その時もまた来てもらえるような会社であるように、私たちも頑張っていきたいと思います。
聞き手:晃南土地株式会社 中澤 洋一
文:加藤 良子