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私たちの街創りby Abiko A-life

2022年02月01日

手賀沼の課題は、街に暮らすステキな理由「ヌマベクラブ」

&

「手賀沼を皆の素敵な場所にしていこう!」

 

 

この思いを旗印に様々なご縁を繋ぎ、手賀沼エリアの保全と活性化にご尽力されている素敵な縁の下の力持ちさんがいらっしゃいます。街を人と少し異なる角度から捉えて支える「手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会」事務局の鈴木亮平さんと星野奈月さん、

 

*撮影時のみマスク外させていいただいております。

 

そして一緒に活動する「手賀沼まんだら」代表の澤田直子さん、

 

*撮影時のみマスク外させていいただいております。

 

「VIVITA」のクルーの小村陽子さんに、

 

*撮影時のみマスク外させていいただいております。

 

活動の1つである「ヌマベクラブ」のお話を、活動拠点になっている手賀沼フィッシングセンターで伺いました。

 

*撮影時のみマスク外させていいただいております。

 

今回の対談は、このメンバーの思考だからこそ生まれる、「ワッ!(目が覚める発想)」と「オッ!(新鮮な気づき)」に溢れていました!

 

コロナの影響で「暮らす場所選びとその理由探し」は、より一層大切なテーマとなりました。4名の繰り広げるダイアローグは、皆さまの自分らしいライフスタイルを見出す美しき冒険に、心地よい刺激を与えてくれるかもしれません。

 

 

語り手:

手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会 / 鈴木亮平・星野奈月

https://teganumaweekend.com/

 

手賀沼まんだら / 澤田直子

https://teganumamandara.mystrikingly.com

 

VIVITA / 小村陽子

https://vivita.co

 

取材場所:手賀沼フィッシングセンター

https://www.okutega-tourism.jp/index.html

 

 

聞き手・編集:Abiko A-Life 大坪祐三子

 


 

 

鈴木さん:

手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会は、平成28年に柏市と地元民間事業者が構成員となり、これからの手賀沼における農業振興とまちづくり、そのビジョン作りと施策の実行を目的として立ち上げられた組織です。拠点の1つとして再整備している道の駅しょうなんは、2021年12月に新設棟がオープンしましたが、それに合わせて、手賀沼をどう盛り上げていくかということも大きなテーマになっています。柏市農政課が管轄する組織で、農業振興が中心的なテーマです。どうやってもっと地元農家さんの野菜を売って活性化を図ろうかとか、どうやって美味しい地元野菜を地元飲食店さんに使っていただこうとか、そうした課題解決を軸に活動が始まっています。私と星野はその中の事務局として業務を委託してもらい、日々動いてます。私は専門が都市計画で、星野は観光を専門としていますので、そうした視点も活かしながら取り組ませていただいております。

 

最初の5年間は「収穫体験を増やしていったらいいのではないか?」とか、「地元のお土産になっていく加工品を作っていこう!」とか、農家さんと議論をし、農業を中心に据えながら取り組みを進めていきました。「もっと人々に手賀沼を楽しんでもらえたらいいのでは?」と29年から新たにフィッシングセンターを道の駅に続く第2の拠点として再整備をしていく動きも始まりました。ところで、以前のフィッシングセンター見たことあります?この辺りは(指差して)フェンスがあり草もぼうぼうで、かなり暗いところだったのですが、地元の事業者がバーベキューガーデンを始めたり、カフェを始めたりしてとても綺麗になり、徐々に手賀沼の魅力的なスポットになっていきました。

 

フィッシングセンターが多くの人に使ってもらえるようになってきて、手賀沼に面していてロケーションもよく、桟橋も使えばSUPもカヌーも生き物観察なんかもできるよね!と活動の輪が広がっていきました。既にそうした活動に取り組む団体がいらっしゃって、「手賀沼まんだら」さんがSUPや生き物観察をされていて、そこに柏の葉で活動をされていたVIVITAさんも加わり、もうちょっと学びのプログラムも展開できるのではないか?と発展していきました。VIVITAさんの拠点は柏の葉だったのですが、手賀沼も活動を広げていくには魅力的なフィールドだろう!と参加いただけるようになり、徐々に色々な方が「手賀沼が面白いんじゃないか。」と集まり、活動が広がってきました。協議会としてはこうした展開をしっかり後押ししたい!と思っています。

 

 

 

鈴木さん:

今までの手賀沼は農業がしっかり盛んだったからこそ、例えば畑が管理されていたり里山が管理されていたり、谷津田の風景が守られていたり、あとは田んぼで水を使うということで沼と田んぼで生活が繋がっていてちゃんと水質が管理されていたりと、「自然と人が共存共生する循環」がありました。でもこれからの時代は農家さんも減ってきますし、高齢化もしていきます。そうした中で自分たちの地域の環境はもう、「地域の人だけ。農家さんだけ。」では守りきれなくなってくるというのを皆さん共通で感じています。以前は草刈りなど、農道の管理は集落でしていましたが、そうした活動ができなくなってきた集落も増えてきています。

 

農家さんは逆にライバルが減ってくる状況です。農家としては全然問題ないんです。農業をやっていく上では。農業が衰退するということは無くて、現に土地も余ってくるので農家さんはビジネスとしては展開ができるんです。ですが、農業をやる人が減ることにより環境自体は守りにくくなる。これはすごく大きな問題だなと思っています。

 

この「自然と人が共存共生する循環」のある環境が生活の中にあるからこそ、子供たちも楽しめるし、水辺のアクティビティも楽しめます。そうした環境から色々素敵なご縁が繋がってくるのを、手賀沼のヌマベで活動をしていらっしゃるまんだらさんやVIVITAさん、パドルクラブさんのような方々を見ていて実感しています。

 

手賀沼の魅力ある環境を、農家さんだけではなくて、ヌマベで活動している人たちと楽しみながら、市民も自然と参加していくことができる形で一緒に守っていけないか?と最近すごく考えていますし、こうして意識して考えていくことが、これからとても大事になってくると思っています。

 

 

星野さん:

道の駅も新しくなり、柏市としても手賀沼にどんどん来てきてもらいたいという思いがあります。それが農家さんの収益にもなりますし、それで農業が展開されていけば魅力的な景観が守られていくとことに繋がっていきます。でも単にそれだけではなく、手賀沼に遊びにきてくれた方と一緒にしっかり環境を守っていけるような、そんな関係性を新たに作って行けないか、この2〜3年くらいで私たちのテーマもシフトしてきたと思っています。

 

行政だとテーマごとに政策は組むのですが、農業だけではなく水質のことだったり、子育て環境だったり、学びという環境であったりと、いろいろな視点で総合的に動ける人たちと手を組んで魅力的な場所として育てていくというのが協議会として目指したいところで、求められることかなと凄く議論しています。この5年で、「農業を盛り上げよう!」から出発して、徐々にいろいろな市民の方や事業者の方と繋がっていき、手賀沼の良さを認識して一緒に動いていくのがやはり大事じゃないかなとすごく思っています。

 

そこで去年立ち上げたのが「ヌマベクラブ」です。ヌマベで活動をされている様々な団体さんと色々なアイディアを出し、「勉強をしながら活動を広げましょう!手賀沼をもっと魅力的な場所にしていきましょう!」という活動で、その事務局も鈴木とやらせていただいています。

 

今回協議会の取材をしていただけるとお話があり、ご一緒にフィールドで活動をしている地元の団体さんと対談形式のインタビューならより面白い内容になるだろう!ということで、まんだらさんとVIVITAさんにもご参加いただきました。

 

ヌマベクラブは月1回のオンラインでの勉強会があり、皆で情報交換をしていて、4月の会議でVIVITAの小村さんから、一緒にやりたいことがあります!と「ゴミアート」のお話が上がり、その場でまんだらの澤田さんも「やろう!」と快諾、6月に1回目のワークショップを行い、7月に2回目が開催されました。今ちょうど一緒に動いている企画なので、ヌマベクラブらしさが伝わるお話ではないかなと思います。

 

 

大坪:

まさに聞きたいと思っていたお話です!Abiko A-lifeは「街創りを自分ゴトに」という思いを共有する1枚の絵を描くことからはじまりました。些細なことでもいいんです、一人でも多くの方がこの街での日常に、いつもと少し違う意識が芽生えるだけで何かが変わる!と思っていて。笑顔で暮らす、それも立派な街創り!街創りは、行政がやるとか壮大で無縁なトピックではなく、実はもっと身近で誰もが楽しめる素敵なテーマなんだと、自分らしい楽しみ方を発見してもらえたらといいなと言う思いで、この「街創りダイアリー」をお届けしています。今日は、すごく楽しい対談になる予感がしています!VIVITAさんやまんだらさんの活動を始めたきっかけや、ご一緒することで感じている相乗効果などもお聞かせいただけますか。

 

 

VIVITA小村さん:

手賀沼に関わりはじめたのは2019年頃からですね。当時活動拠点のあったVIVISTOP柏の葉(※)の目の前にアクアテラスという調整池があるのですが、VIVITAが参加したアクアテラスフェスで、東大の永野先生に声をかけていただいたのがきっかけです。永野先生は手賀沼の沼辺の活用方法について地域と連携しながら社会実験されていて。そこにモノづくりっていう要素を入れてみないかという話をいただいたので、参加することにしました。

※VIVISTOP・・・VIVITAが運営するクリエイティブスペース。2021年3月に「VIVISTOP柏の葉」から飛び立ち、活動のフィールドを柏の葉や流山などの東葛エリア全体に広げる選択をしました。

 

 

鈴木さん:

永野先生は僕の大学の同期なのですが、お声かけされた時は、すぐ、興味あります!1つ返事だったんですか?

 

 

小村さん:

こう言う風に声かけてくれる人って良い意味で「変」だろうなって(笑)!

「一緒に勉強できることを模索しませんか?」と言ってくれて。先生の学生さんが偶然にもVIVITAのインターンだった縁もあって。

 

 

鈴木さん:

先生しっかり営業活動してるなー(笑)!

 

 

活動を広げるための「別の」空間意識を持つ

 

 

小村さん:

先生は「屋外でモノづくりのフィールドを作れないかなと考えてるんです!」とおっしゃっていました。その話を聞いて、もしかしたら外に出て活動を広げられるかもと思ったんです。今までは屋内でモノを作る活動がメインでしたが、アクアテラスでの活動を発端に、物理的に活動の場を広げることでいいことがある」と見えてきたものがありました。

 

 

大坪:

それが「拠点を手放す」と言うご決断にも繋がっていったのですね!

 

 

小村さん:

そうですね。コロナが流行り、拠点に人を呼んで活動することができなくなってしまったこともあって、これからの活動のありかたについて考え直したんです。VIVISTOPという場所ありきで考えちゃうと、コストもかかるし、できることも制限されてしまう。それに関係性も広がりづらいんですよね。そういった悩みがあったので、いったん場所やかたちから離れてみようと思ったんです。また、まちには色々なリソースがあることにも気づいたので、まちを活動フィールドにしたら面白い活動が展開できるのでは?という仮説をたてて、活動エリアを東葛エリアへ広げることにしたんです。

 

 

大坪:

その流れから「まんだらさん」とのご縁も生まれたのですよね!

 

 

小村:

そうなんです。拠点を手放す際に不要なモノが大量に出てきてしまいました。机や椅子とか。捨てちゃうのはさすがにもったいないな…と思い、協議会がちょうど手賀沼に活動フィールドをつくるとおっしゃっていたので相談してみたんです。そうしたら「ぜひ使いたい」というお返事をいただき、回収にいらっしゃったのが、協議会の油原さんと永野先生とまんだらさんだったんです。

 

 

澤田さん:

逆に私たち「まんだら」はコミュニティの拠点を作るタイミングだったんです!

 

 

大坪:

すごいタイミングですね!いいご縁、無駄なくGIVE & TAKEですね!

 

 

小村さん:

その時、普通だったらモノの引き渡しで終わるんですが、直子さんとはお話で意気投合し…。

 

 

澤田さん:

色々お話を伺う中で、その時のスピード感とビジョンの共有感とか「この人たち面白いっっ!」ワクワクしました!

 

 

小村さん:

同感です!まんだらさんの「自分で色々作っていくんだぞ!」と言う覚悟とか、実際に手を動かしていらっしゃるところとかが本当に素晴らしいと思っています。

 

 

澤田さん:お互いに!

 

 

小村さん:

それからスグでしたよね!

 

 

澤田さん:

それからすぐに陽子さんが次から次へとVIVITAの変わった人たち(笑)を私たちの活動場所の1つ、「ごちゃにわ」に連れてきてくださった(笑)。刺激的な出会いでした。

 

 

大坪:

ご縁ですね!何かを始める時、スピードやビジョンとか説明しづらい感性の部分が意気投合する感覚、とても大切ですよね!

 

 

澤田さん:

4月の勉強会の前には、トピックの下打ち合わせをしているくらいしっかり通じていました!

 

 

鈴木さん:

ゴミアートは今この2団体と、SUPを使うのでパドルクラブさん、ゴミ集めもあるので緑道を管理していらっしゃる新松戸造園さんとの4団体のコラボで運営しています。

 

 

澤田さん:

ヌマベクラブの繋がりで、週1ペースで私たちの「ごちゃにわ」に足を運んでくださる方もいます。

 

 

鈴木さん:

ごちゃにわ、拠点になってきていますね!

 

 

大坪:

「ごちゃにわ」のお話も出てきたので、まんだらさんのエピソードもお聞かせください!

 

 

澤田さん:

協議会との出会いは、ちょうどフィッシングセンターの観察池の施工が終わった頃、私たちの活動に「手賀沼まんだら」という名前がついたばかりの時です。手賀沼沼畔という公的エリアをどのように活用するか、検証を兼ねたイベントをやってみよう!とSUPイベントを実施した際です。

 

フィッシングセンターの活用に取り組んでいた東大の学生さんが「市民がパブリックスペースをどう活用するか?という視点で勉強したいので取材をさせてください。」といらして。学生さんと話している中で「実はここにビオトープを作ったが、活用の仕方を非常に迷っている。」とご相談がありました。

 

「であれば、生きものや環境学習に詳しいまんだらメンバー・玲衣さんに聞いたらいいよ!どうすればビオトープとして成立するか教えてくれるから、玲衣さんを派遣します!」と、玲衣先生登場に至りました。

 

ちょうどそれくらいの時期に、イベント「ヌマベビラキ」があったと記憶しています。2018年の秋だったと思います。その頃私は、手賀沼の色々な団体さんがどのような活動をしているのか調べ、手賀沼で子育てしやすいコミュニティを作ってみたい!と個人的に活動したり体験したりしているフェーズでした。

 

そんな中「ヌマベビラキ」という活動を聞きつけて。ちょうど子供の学校のバザーと重なってしまい、またまた玲衣さんを派遣した次第です(笑)。玲衣さんがそこでヨガに参加してきてくれたという(笑)。

 

 

鈴木さん:

そうですね、最初まんだらさんは玲衣さんのイメージでした!

 

 

澤田さん:

玲衣さんは協議会のマスターコンセプト作成などにも参加しており、私たちの思いを協議会のコンセプトに反映してくださっています。私たちの活動フィールドは里山からヌマベまで、手賀沼全流域なので柏も我孫子も、他市も活動の範囲と考えています。そうしたきっかけで協議会と関わるようになりました。

 

せっかく手賀沼の自然が身近にあるのなら、この自然を思いっきり遊ぼう!と。遊びの先に、学びや気づきがあるのだけど、あえてそこにはフォーカスせず、本気で「遊ぶ」に共感してくれる人たちと「遊んで」います。

 

VIVITAさんとは、今回の手賀沼のゴミで作るアートプロジェクトで自然と繋がっていきました。

 

 

 

このプロジェクトは学びの色が濃いのかな…と心配したのですが、「手賀沼まんだら」と「VIVITA」がコラボするプロジェクトが楽しくない訳がない。「遊び」のその先にしっかり地域の課題や世界の課題を感じることのできる企画に仕上がったのではないかなと思いました。

 

課題。様々な課題が地球上にはあります。私たちが常に子供たちに伝えているのは、地球にある、そのいっぱいの課題は「遠い誰かの課題ではなく、自分達のものなんだよ」と。手賀沼もまさにそう!

 

 

 

 

「手賀沼にこんなにゴミがある、このゴミはどこから来たんだろう。プラスチックゴミの課題は私たちの暮らし方を見つめ直すきっかけだね。」

 

目の前にあるその課題を身近に感じ、皆でちょっとずつ解決していけば、ひょっとすると地球の課題も解決できることになるのかもしれない!今回のVIVITAさんとご一緒したゴミアートプロジェクトは、世界各国の子供達と同時期に同じ活動を行い、活動内容を一同に展示する機会もあるので、自分達の取り組みと世界がつながる体験ができました。

 

「世界の課題を解決する鍵はコミュニティにある!」というメッセージが、プロジェクトの中に全部入っていると感じています。

 

 

大坪:

子供たちが日常の中でごく普通に自然の中で遊びながら、その規模で課題意識が芽生える、根付いていくというのは素晴らしいです!子ども目線で共感できるよう、流れを作って上げないと意識できないですから。とても素敵です!

 

 

大坪:

実は私たちAbiko A-lifeも永野先生がお声掛けくださったおかげでヌマベクラブに繋がったんです。

 

 

鈴木さん:

大学は感度が高いというか、自分たちのできる事が限られているので、どのような人たちがどこで何をしているか、とても意識してリサーチをしていると思います。調べては「行ってみよう」と足を運んで。

 

また、民間だけですと視野が狭くなって閉じてしまいがちになるのを、大学が入ることで学生の興味や好奇心によって開けていくという強みがあります。そこは行政でも民間でもなかなか難しい部分です。大学だからこその視点、フットワークの軽さで、多くの人を巻き込めているのかな、と思います。

 

 

澤田さん:

協議会が私たちの活動を後押ししてくれて、相談すると「こういう人がいるよ」とか「こういう人に紹介できるよ」ともの凄いスピードで返答くださり、私たちだけでは到底繋がれない人や知識に導いてくださり、思ったことを「すぐ」実行できる体験ができていて「本当にスゴイ!」と思っています。

 

 

小村さん:

私も同感です。協議会って本当に色々な方がいるじゃないですか?

 

 

鈴木さん:

はい!すっごい、色々な人がいます(笑)

 

 

小村さん:

地域のここについて知りたいと質問を投げるとすぐに詳しい方に繋いでくださったり、前例がないことでもできるように後押ししてくれます。関係者が多いはずなのに小さく動きやすいのが協議会の良さだと思います。なんでこんなに小回りきくんですかね?

 

 

鈴木さん:

無理に広げていないから、ですかね。しっかり射程を決めているかもしれません!安易に声をかけて広げ過ぎて、手に負えないようにならないよう意識にしてるかもしれません。

 

 

大坪:

鈴木さん星野さんたちが、とても良い感度フィルターとして機能しているのが分かります。キュレーションというのでしょうか、これはとても重要ですね。

 

 

鈴木さん:

大学が動いていろんな繋がりや出会いを貯蔵しています。これを伝っていくときっとこんな感じで繋がってく。良い情報をため込んでいる場所みたいな意義は、自分たちの活動で感じていて、大切だと思っています。そしてそれらを自分たちでは、全部調理しきれませんので、まんだらさんたちのような「こんなモノ作りたい!」って声かけがあると、この調味料が合いそうじゃないかな?って差し出して、あとは任せた、わかるでしょ!(笑)みたいな!

 

僕はここが地元ではなく、地元農家さん何人かと知り合いなくらいです。「手賀沼は良いところ、誰か紹介して!」っていうと快くその農家さんが誰かを紹介してくれて。多分どうにか繋がっていくだろう、ここがダメならこっちかな!と入口だけを知ってる感じです。でも、「コレは良さそうな入口だな!」という感覚は大切に持っています。

 

 

大坪:

VIVITAさんも非常に大きい活動ですよね。世界規模でとても壮大です!HPのメンバー紹介も物凄いボリュームなので、インタビュー前に小村さんはどこにいるかなって探していた際もなかなか見つけられなかったです!お考えに共感されたご縁が、世界中に波及して言ってるのですよね?

 

 

小村さん:

はい。子どもたちに「自分自身の力で、世界をよりよくできる」という実感を持ってほしいという代表の思いや、VIVISTOPでのクルーと子どもたちのフラットな関係性や子どもたちの「好きなこと」から始まる活動スタイルなどに共感してくれた方々が「うちの国にもこんなスペースが欲しい!」と言ってくれて。現在世界7カ国にVIVISTOPが広がっていっています。

 

 

大坪:

日本、柏始まりで世界に広がったのですね!凄い!速さも規模も!

 

 

小村さん:

そうなんです、柏の葉で始まり2拠点目はエストニアっていう(笑)

 

 

全員:すごいなぁ!

 

 

大坪:

まんだらさんもメンバーのお母さん方の繋がりで活動が広がっていて、どちらも短期間で凄い発展していってますね。根底に同じものが流れているVIVITAさんとまんだらさん。双方に賛同して集まってくる大人や子供達同士の化学反応も面白そうです!

 

 

澤田さん:

今回のゴミアートプロジェクトでは、まんだらの子とVIVITAの子の日常を過ごすコミュニティの性質の違いもありつつ、時間と共に緩やかに二つのコミュニティが緩やかに交わっていく感じに我々の学びがありました。

 

印象に残った出来事がありました。「プラスチックゴミを減らすにはどうしていくか?」という質問に子供たちが様々な回答をくれて。回答を聞き、子どもたちがどんな暮らしをしているかわかる面白い問いかけだなって思いました。まんだらの子はみんな自然の中で育っていて、色々なものを手作りすることを日常的にしているので「プラスチックを使わない方法ないかな?」という発想でした。それに対してVIVITAの子たちは「家でリサイクルをする機械を開発したい!」や「ペットボトルを使わない自動販売機をどうやったら作れるか考えたい」という発想で、きっと生活の中でエンジニアとかとコミュニケーションを取る機会が多いのだろうなと感じ取れるコメントが飛び交いました。

 

どんな大人とどのような対話をしているのかが顕著に現れるこの問いかけで、「そういう考えもあるんだ!」ってお互いの答えや発想に関心を寄せ合っていて、子どもたちの中に新たなカイロが目覚めた!感覚を共有している姿がとても面白かったです。

 

 

 

 

 

 

大坪:

大人にとっても大きな気づきになりますね!先ほど巡回展をご計画されていると伺いましたが、まさにこの子どもたちの会話が世界規模になっていくのですね!

 

 

小村さん:

子どもたちが理解を深めたプラスチックごみという世界共通の課題に対し、彼らが感じた思いやメッセージが、手賀沼のゴミを使ったアート作品として表現されているので、千葉県の東葛エリアの色々な場所で見てもらえるようにしたいと思っています。また、VIVISTOPのある世界7ヶ国の拠点でも、同じプラスチックごみを題材にした作品展示がほぼ同時開催される予定です。各地域のアートに使われた素材をよく観察したら何かしら発見ありそうですよね。今からとても楽しみです。

 

 

澤田さん:

7月にはリトアニアのギャラリーで展示されました。

 

 

大坪:

最後に。様々な形で手賀沼に関わっていらっしゃる皆さまの視点から、この地域の魅力をお聞かせ頂けますか。

 

 

澤田さん:

水辺が住まいの近くにあるというのは魅力ありますよね。心も休まるし、「遊び」「学び」という点においてもこの環境は「宝物」だらけです。今回のゴミアートプロジェクトを通して、手賀沼には地球の課題がある、教科書みたいな場所だということも、発見しました。プラスチックゴミは海の課題、自分たちから遠い課題に思い込んでいたことが身近になる気づきに恵まれることも、私はあえてこの地域の「魅力」と言えるのではないかと。

身近に地球の課題が学べる教科書があるなら、どんどん勉強したいですよね!まずは大人がね。手賀沼のマスタープランを描いたヌマベクラブの手賀沼の絵がまたとても素晴らしかったです!あれは100年後の未来の絵でしたっけ?

 

 

 

イラスト:手賀沼のマスタープラン

 

 

星野さん:

30年後と言っていますが、100年くらいのスケールです!あのマスタープランを子どもたちと共有しながら、VIVITAさんや手賀沼まんだらさんのような手賀沼周辺で活動をされているなんとも心強い大人たちが全面的に活動をバックアップしているという環境が魅力的です!子どもたちがアイデアを出し合いながら色んな事できたらいいな、今からどんどん始まっていくといいな!と思っています。

 

ヌマベクラブの活動はスタートしたばかりなので、私たちはまさに「冒険のはじまり」みたいなところに立っているわけですよね。今の時代の今の手賀沼のほとりに住んでいること、これがそのまま魅力だと思います!何よりここ手賀沼で学んだことは、世界中のどこに持って行っても、絶対にタイムリーに課題解決提案に応用できると思うんです。すごい魅力だと思います。

 

 

 

小村さん:

このプロジェクトをやろうと思ったきっかけは「自分が手賀沼に落ちたこと」だったんです(笑)。SUPに乗ってゴミ拾いをする活動に参加した時に落ちました。

 

落ちる以前もヌマベのゴミ拾い活動に参加したことがあり、「結構ひどいゴミがあるぞ」と思いながら拾っていたんです。それが念頭にある状態で落ちてしまって。落ちて嬉しいきれいな水辺ではなく、ゴミが沢山ある沼に落ちてしまったー!という印象が強烈で。「これはなんとかしないとならないな!」って、このプロジェクトをスタートさせるきっかけになっていったのです。

 

直子さんもおっしゃっていましたが、リアルな課題が目の前にあり、課題を身近に感じられるのが魅力だなって思います。課題があることで自分が関わる余地がある、どういう風に良くしていったらいいのだろうって考えられる機会がある。何かできる場所、ただ過ごすだけじゃない場所。そこが良いですよね。満たされている空間にいると課題だなって思うことがあまり無くて、その企画をやる必然性がないんですよね。「困っている。必要だからやりましょう!」っていう原動力がこのエリアだと自然に生まれます。

 

 

大坪:

おもしろいです!!!「課題が魅力」「課題が住む理由になる」という発想、とてもいいですね!

色々な人が関わることで見る角度が変わり、気づきが増える、これがまた堪らなく面白いですよね!お繋ぎ役として色々な化学反応を起こしていらっしゃるヌマベクラブのお二人から見て、このエリアはどう写っていますか?

 

 

星野さん:

私は元々我孫子出身で今は流山おおたかの森に住んでいます。小村さんのお話ではないのですが、やはり色々全て用意されてしまって何でもあるんですよ!商業施設とか。様々な環境が十分に整えられすぎていると、住んでいる人たちは街を「消費者」として受けとってしまうのかな、と感じます。自分たちに入る余地が無いって、街と距離を感じてしまうのではないかなと思います。

 

手賀沼や我孫子の良さは、自分で自分の事をしっかり行って、まちづくりというか「環境づくり」ですかね、を、やっていこうと思っていらっしゃる市民の方、団体さんが多くいらっしゃるのが特に最近面白いなと思って見ています!

 

私が小さい頃に住んでいた我孫子は、周りにそうした大人がいなくて閉塞感を感じていたので、今まんだらさんやVIVITAさんたちの活動を見ていると、こういう人たちが小さい時から周りにいると、人は自分の街をもっと好きになるだろうな!と思います。「自分たち視点で街を捉えられるようになる」というのでしょうか。ですので、そういう人たちが我孫子に沢山いらっしゃることがこの街の魅力かなと思います。

 

 

鈴木さん:

自分は仕事柄色々な街に行くので、あまり自分でこの街の魅力はコレだなって決めない方がいいなって思っています。ひいき眼で見ないよう、割とフラットでいるようにしていて、むしろ住んでいる人たちがどういうところに魅力を感じているのかに凄くアンテナをはっています。街の人がどういう事にチャレンジしようとしてるのか興味を持って見ています。

 

住んでいる人が楽しくチャレンジできている街ってとてもいいな!と思うんですよね!色々な人を巻き込みすぎてどんどん動けなくなってしまうプロジェクトも良く見ますし、田舎の方に行くとやろうとしたことが全部反対を受けてできなくなるとかもあるので、ここの皆さんは上手く推進していく力をお持ちなので、ユニークで面白い活動になっていくのだろうなと思って見ています。環境や文化、行政の体質もあると思いますが、手賀沼は皆さん楽しくどんどん挑戦されていて、複数の行政を跨ぐ立地に手賀沼があるのが幸いしているのかなと思うこともありますが、皆さん素敵ですね!

 

 

大坪:

皆さんの街を見る視点とても新鮮で沢山の気づきがありました。ありがとうございます!

ワクワクすることが止まりませんね!今日は皆さん本当にありがとうございます!

 

 


 

 

手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会

手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会について

 

ヌマベプロジェクト

ヌマベプロジェクト

 

今回はこの「ヌマベクラブ」の活動にフィーチャーして対談形式のインタビューを行いました。